里山の
生物多様性を守る

里山は、近年、環境が大きく変化し、身近だった多くの生きものが絶滅の危機に。日本自然保護協会(NACS-J)は、減少の原因究明と有効な保全策の解明に努め、現場での保全活動や政策提言を行っています。
フィールド
里山の生きものの減少要因と有効な保全策を解明する
日本自然保護協会では、約20年にわたり、全国325カ所の調査地で5000名以上の市民調査員の協力を得ながら里山の調査を行ってきました。
この調査結果から、減少傾向にある種やその特徴がみえてきました。今後さらにデータを活用し、研究者とともに里山の生きものたちの減少要因や回復に有効な保全策の解明を進めていきます。

モニタリングサイト1000里地調査 調査講習会の様子
生物多様性と共生する農業への転換に向けた政策提言
これまでの調査結果からは、里山の中でも特に「農地」の生きものが急減していることがわかってきました。日本自然保護協会では、他団体とも協力しながら、生物多様性や環境保全に貢献する農業への支援を増えるよう、ロビーイング活動を行っています。生物多様性を育む農業が全国各地にもっと広がるよう、今後も積極的に働きかけていきます。

食料・農業・農村基本法改正に際し、農林水産副大臣へ提言を提出(2024年4月)
各地の里山保全の取り組み
里山環境は、耕作放棄や外来種の移入など、多くの課題を抱えています。NACS-Jは、各地で生物多様性豊かな里山の保全・復元・再生の活動を進めています。群馬県みなかみ町の里地里山では、ため池の外来種防除などに取り組んでいます。また、神奈川県横須賀市などでは、里山生態系の頂点にあり絶滅の危機にあるサシバの保全のために、谷津田等の維持・再生などにも取り組んでいます。

サシバの繁殖地として再生を目指す神奈川県横須賀市での復田作業