開く閉じる

要望と声明 - 要望と声明も自然保護のための大切な活動です!

浜里ウインドファーム全風力発電機の期間を限定した運転中止を求める要望書を提出しました

2026年2月3日

日本自然保護協会(NACS-J)は、2026年1月11日に発生したオジロワシの風力発電機のブレードとの衝突死を受け、株式会社ユーラスエナジーホールディングスとユーラスエナジー社に100%出資する親会社・豊田通商株式会社に対し、猛禽類の渡りと繁殖が終わる2026年6月までの期間、浜里ウインドファーム(風力発電機全14基)の日中の運転停止を求めて要望書を提出いたしました。

株式会社ユーラスエナジーホールディングス 宛

浜里ウインドファーム全風力発電機の期間を限定した運転中止を求める要望書(571KB)PDF

豊田通商株式会社 宛

浜里ウインドファーム全風力発電機の期間を限定した運転中止を求める要望書(593KB)PDF

2026年2月2日

株式会社ユーラスエナジーホールディングス
代表取締役社長 諏訪部 哲也 様

浜里ウインドファーム全風力発電機の期間を限定した運転中止を求める要望書

〒104-0033 東京都中央区新川1-16-10 ミトヨビル2F
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 土屋 俊幸

株式会社ユーラスエナジーホールディングスは、2026年1月29日付で「「浜里ウインドファーム」におけるオジロワシのバードストライク発生について」のお知らせをウェブサイトに掲載しました。その内容は、2026年1月11日、グループ会社の合同会社道北風力が運営する浜里ウインドファーム(設置風力発電機14基)で、オジロワシ1羽が風力発電機のブレードと衝突死したというものでした。
浜里ウインドファームでは、2023年5月の稼働開始以来、猛禽類の風力発電機への衝突(バードストライク)が相次いでいます。株式会社ユーラスエナジーホールディングスの発表によると、稼働から3年も経っていないこの短期間で、国の天然記念物であり絶滅危惧種でもあるオジロワシ(絶滅危惧Ⅱ類)の衝突が11羽、同じくオオワシ(絶滅危惧Ⅱ類/国指定の天然記念物)の衝突が1羽、合計12羽もの希少猛禽類のバードストライクが確認されており、異常な事態と断じざるを得ません。
これまで浜里ウインドファームでは、猛禽類の風力発電機への衝突防止の対策として、タワーの側面やナセル上部への目玉模様の施工、オジロワシなどの接近を検知した際に忌避音が発生するシステムの導入など、再三の対策を講じてきたことも認識しています。最新の対策としては、2025年12月、風力発電機への鳥の接近を検知し、一定時間滞空した場合にブレードが自動停止する新システムを導入されたとのことですが、今回の衝突が示しているように、それらの対策に効果が薄いことは明らかです。
前述の通り、オジロワシやオオワシは、国の天然記念物であり絶滅危惧種です。ワシントン条約にも記載されている国際的にも希少な猛禽類です。また、猛禽類は、アンブレラ種として生態系や生物多様性上とても重要な生物です。バードストライクにより毎年多数の希少猛禽類が失われている事実は、自然環境や生物多様性を大きく棄損していることを意味しています。事業者である合同会社道北風力と、親会社である株式会社ユーラスエナジーホールディングスは、事の重大さを、極めて強く受け止める必要があります。
今回の発表によれば、オジロワシが衝突した風力発電機1基を除く13基は運転を継続しています。しかし、今回事故を起こした当該基に特定の事故の原因があるのではなく、全基に事故の可能性があったと考えるべきであり、1基だけを止めることは意味がありません。また、バードストライクは、特に猛禽類の渡りの時期と繁殖期にあたる12月から6月までの間に集中しており、これまで浜里ウインドファームでも冬から春にかけて猛禽類のバードストライクが集中して発生しています。このままの状況で風力発電機を運転し続ければ、昨年同様、多数の猛禽類のバードストライクが発生する可能性が否めません。
これまでの対策の中で最も効果があったものは、2025年3月25日から7月12日の間に実施された、風力発電機全14基を日中に運転停止にした取り組みであり、この期間中、希少猛禽類のバードストライクは確認されていません。現状、オジロワシやオオワシなどの希少猛禽類のバードストライクを回避する有効な対策は、風力発電機の運転停止以外にないことは明らかです。
これらのことから、日本自然保護協会は、浜里ウインドファーム全14基の日中の風力発電機の運転を即時停止し、猛禽類の渡りの時期と繁殖期が終わる6月まで運転停止を継続することを強く要望します。
株式会社ユーラスエナジーホールディングスは、サプライチェーン・サステナビリティ行動指針において、「生物多様性保全と事業活動を両立し、ネイチャーポジティブの実現に貢献する。」「事業実施において環境負荷の少ない方法を常に目指す。」ことを明記しています(※2026年1月現在)。しかし、浜里ウインドファームでの現在の対応はこの行動指針に相反するものであることは明らかであり、「グリーンウォッシュ」と言わざるを得ません。
気候変動対策と生物多様性保全は両輪です。生物多様性を棄損する再生可能エネルギー施設の増加は、気候変動対策の推進にも悪影響があることは明白です。社会的責任のある企業として、自ら定めた行動指針に沿った行動を強く求めます。

以上


2026年2月2日

豊田通商株式会社
取締役社長 今井 斗志光 様

浜里ウインドファーム全風力発電機の期間を限定した運転中止を求める要望書

〒104-0033 東京都中央区新川1-16-10 ミトヨビル2F
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 土屋 俊幸

豊田通商株式会社の100%子会社である株式会社ユーラスエナジーホールディングスは、2026年1月29日付で「「浜里ウインドファーム」におけるオジロワシのバードストライク発生について」のお知らせをウェブサイトに掲載しました。その内容は、2026年1月11日、グループ会社の合同会社道北風力が運営する浜里ウインドファーム(設置風力発電機14基)で、オジロワシ1羽が風力発電機のブレードと衝突死したというものでした。
浜里ウインドファームでは、2023年5月の稼働開始以来、猛禽類の風力発電機への衝突(バードストライク)が相次いでいます。株式会社ユーラスエナジーホールディングスの発表によると、稼働から3年も経っていないこの短期間で、国の天然記念物であり絶滅危惧種でもあるオジロワシ(絶滅危惧Ⅱ類)の衝突が11羽、同じくオオワシ(絶滅危惧Ⅱ類/国指定の天然記念物)の衝突が1羽、合計12羽もの希少猛禽類のバードストライクが確認されており、異常な事態と断じざるを得ません。
これまで浜里ウインドファームでは、猛禽類の風力発電機への衝突防止の対策として、タワーの側面やナセル上部への目玉模様の施工、オジロワシなどの接近を検知した際に忌避音が発生するシステムの導入など、再三の対策を講じてきたことも認識しています。最新の対策としては、2025年12月、風力発電機への鳥の接近を検知し、一定時間滞空した場合にブレードが自動停止する新システムを導入されたとのことですが、今回の衝突が示しているように、それらの対策に効果が薄いことは明らかです。
前述の通り、オジロワシやオオワシは、国の天然記念物であり絶滅危惧種です。ワシントン条約にも記載されている国際的にも希少な猛禽類です。また、猛禽類は、アンブレラ種として生態系や生物多様性上とても重要な生物です。バードストライクにより毎年多数の希少猛禽類が失われている事実は、自然環境や生物多様性を大きく棄損していることを意味しています。事業者である合同会社道北風力と、親会社である株式会社ユーラスエナジーホールディングスは、事の重大さを、極めて強く受け止める必要があります。

今回の発表によれば、オジロワシが衝突した風力発電機1基を除く13基は運転を継続しています。しかし、今回事故を起こした当該基に特定の事故の原因があるのではなく、全基に事故の可能性があったと考えるべきであり、1基だけを止めることは意味がありません。また、バードストライクは、特に猛禽類の渡りの時期と繁殖期にあたる12月から6月までの間に集中しており、これまで浜里ウインドファームでも冬から春にかけて猛禽類のバードストライクが集中して発生しています。このままの状況で風力発電機を運転し続ければ、昨年同様、多数の猛禽類のバードストライクが発生する可能性が否めません。
これまでの対策の中で最も効果があったものは、2025年3月25日から7月12日の間に実施された、風力発電機全14基を日中に運転停止にした取り組みであり、この期間中、希少猛禽類のバードストライクは確認されていません。現状、オジロワシやオオワシなどの希少猛禽類のバードストライクを回避する有効な対策は、風力発電機の運転停止以外にないことは明らかです。
これらのことから、日本自然保護協会は、浜里ウインドファーム全14基の日中の風力発電機の運転を即時停止し、猛禽類の渡りの時期と繁殖期が終わる6月まで運転停止を継続することを強く要望します。
豊田通商株式会社は、豊田通商グループ環境方針において、「ミティゲーション・ヒエラルキーの考え方に沿った適切な対応とトレーサビリティの確保を図ることで、昆明・モントリオール生物多様性枠組みに整合した生物多様性保全と事業活動を両立し、ネイチャーポジティブの実現に貢献する」と明記しています(※2026年1月現在)。しかし、豊田通商株式会社の100%子会社である株式会社ユーラスエナジーホールディングスとその子会社の浜里ウインドファームにおける現在の対応は、ミティゲーション・ヒエラルキーの考え方に沿った適切な対応とは到底言えません。
気候変動対策と生物多様性保全は両輪です。生物多様性を棄損する再生可能エネルギー施設の増加は、気候変動対策の推進にも悪影響があることは明白です。TNFDフォーラムにも参画している日本を代表するグローバル企業として、自ら定めた環境方針に沿った行動を強く求めます。

以上

風力発電機の画像

写真:バードストライクが多発している浜里ウインドファーム(ブレード直径:130m、タワー高さ:85m)