「水田の圃場整備 ”倍増” 5か年計画」、及び「節水型乾田直播の普及」に対する意見書を提出しました
— 生物多様性保全の強化を提言
2025年11月11日
2025年9月、2026年度の概算要求が発表されました。概算要求のなかには、節水型乾田直播等の事業実施が盛り込まれており、これは一部のトンボ類やカエル類などの生息に適さない可能性が高いなど、多くの課題が指摘されています。
同じく9月には、2026年度から開始される予定の農林水産省所管「水田の圃場整備事業を倍増させる5か年計画(正式名称:土地改良長期計画)」も閣議決定されました。圃場整備は、これまで田んぼ周辺に生息する様々な生き物へ大きな影響があることが、多くの研究者から指摘されています。
日本自然保護協会(NACS-J)は、今回、概算要求に盛り込まれた「節水型乾田直播の普及」と「水田の圃場整備事業を倍増させる5か年計画」に対して、生物多様性の保全をより強化すべきとの意見書を提出しました。
概要
- 令和8年度概算要求に追加された節水型乾田直播等の事業の実施にあたって、生物多様性を含む多面的機能への影響を評価し、悪影響を回避するための対応策を同時に実施すること
- 「土地改良長期計画」の実行にあたって、計画段階における生物多様性の現状把握に基づくゾーニングと管理方針の策定を徹底し、生物多様性を向上させる手法を積極的に取り入れること
2-1.新たな基盤整備の実施の際には、「田園環境整備マスタープラン」の見直しを必須とすること
2-2.本プランの見直しの際は「環境創造地区」「環境配慮地区」などのゾーニングと管理方針の策定を必須とすること
2-3.本プランの見直しの際は、生物多様性保全・環境配慮の定量目標を設定すること

写真撮影:牛村展子氏
