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活動レポート

バン、オナガがレッドリスト入り
環境省のレッドデータリスト(鳥類)改訂でモニ1000里地調査のデータが貢献

2026年5月15日

フィールド

里山

写真提供:佐藤良平

NACS-Jでは、2005年から全国里山市民調査「モニタリングサイト1000里地調査」の事務局を担っています。これまでの18年間に、5,700人以上の調査員の方のご協力により得られた調査結果1から、日本の里地里山における身近な生きものの危機的な状況が明らかになってきました。

世界的にも生きものの減少が問題となっており、IUCN(国際自然保護連合)が公表する世界のレッドリスト(野生生物の絶滅の危険度を評価したリスト)に掲載される種も増え続けています2。こうした中、2026年3月17日に、日本に生息・生育する野生生物を対象とした「第5次レッドリスト(鳥類)」が公表されました3。この評価には、里地調査で得られたバン、オナガ、ビンズイのデータが活用されました。

今回の改訂では、鳥類は計170種が掲載され、うち108種が絶滅危惧種と評価されました。タンチョウやアマミヤマシギは、保全活動によって回復し、絶滅危惧種のランクが絶滅危惧II類から準絶滅危惧に1段階引き下げられましたが、身近な水辺に生息する種であるゴイサギやコサギ、キンクロハジロは、逆に準絶滅危惧から絶滅危惧II類に引き上げられました。

レッドリストは、日本の自然の状態を示す「健康診断」の一つといえます。市民調査で明らかになった現状を、ぜひ地域の自然観察会で共有いただき、身近に暮らす生きもの達に目を向け、守る活動につなげていただければ幸いです。

1:モニタリングサイト1000里地調査2005-2022年度 とりまとめ報告書
(2024年10月1日発行)
https://www.nacsj.or.jp/media/2024/10/42010/

2:IUCNレッドリスト掲載種の経年変化
https://www.iucn.jp/explanation/nature_positive/necessity/

3:第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)の 公表について(お知らせ)
2026年03月17日
https://www.env.go.jp/press/press_03312.html

バンの写真

写真提供:佐藤良平

絶滅危惧II類(VU)ツル目 クイナ科 バン
Gallinula chloropus

※レッドリスト初記載
絶滅の危険が増大している種 。2008-2022年の減少率を推定したモニタリングサイト1000里地調査でも-9.4%/年の減少。1970年代より継続的に減少しており、湿地の減少や水田の整備などによる生息環境の悪化が原因と考えられる。(第5レッドリスト(鳥類)より引用 https://www.env.go.jp/nature/kisho/5th-rl-2026-book/03-5threddatabook-birds.pdf

オナガの写真

写真提供:佐藤良平

準絶滅危惧(NT)スズメ目 カラス科 オナガ
Cyanopica cyanus japonica 

※レッドリスト初記載
今すぐ絶滅が危惧されるわけではないが、生息環境の変化などによって将来、絶滅危惧になる可能性がある種。里地では2008-2022年の減少率年間14%減少、東京都鳥類繁殖分布調査では32%の減少。現時点で減少要因は不明であり、今後も減少が継続するおそれがある。(第5次レッドリスト(鳥類)より引用https://www.env.go.jp/nature/kisho/5th-rl-2026-book/03-5threddatabook-birds.pdf

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