四国クマ保全に向けた行動計画案
2026年5月1日
フィールド
プロジェクト
クマスプレー(練習用)を用いた解説と実演!
NACS-Jは、四国のツキノワグマ保全に向けた取り組みとして、国際自然保護連合(IUCN)が提唱する保全計画づくりの手法を用いた「しこくまワークショップ」を開催しました。開催にあたっては、多くの皆さまからご支援を賜り、誠にありがとうございました。
ご支援により、2025年8月に高知県で専門家会議を開催し、続く2026年1月には徳島県那賀町において、地域住民、行政、研究者など約90名が参加する保全計画づくりを実施することができました。さらに、その成果を3月21日に開催された第4回木頭クマまつりで報告し、地域の皆さまと共有する機会を持つことができました。
絶滅を防ぐには30頭から早期に60頭へ
専門家会議では、「100年後の絶滅リスクを5%以下に抑える」という保全目標を設定しました。この目標に基づく分析(PVA:個体群存続可能性分析)の結果、現在約30頭と推定される個体数は将来的な絶滅リスクが高く、早期に60頭程度まで回復させることが重要であり、さらに遺伝的多様性の観点からは100頭規模が望ましいことが示されました。これにより、科学的知見に基づく共通認識を形成することができました。
保全計画づくりでは、地域の方々を中心とした議論により、人とクマが適切な距離を保ちながら共存できる将来像(ビジョン)が描かれました。このビジョンの実現に向けて、「個体群管理」「生息地管理」「シカの影響」「被害予防」「コミュニケーション」「社会合意」の6つのテーマごとに課題を整理し、行動計画案をまとめました。
木頭クマ祭りで作成した行動計画案を報告
今年で4回目となる木頭クマまつりは、出店数も増え、約400名の方々にご参加いただきました。午後に開催した報告会では、本ワークショップの成果である行動計画案について紹介しました。一方で、地域ではさまざまな場面で担い手不足が顕在化しており、計画の実行に向けた課題も明らかになりました。
今後は、この行動計画案を行政機関や地域の皆さまとともに推進していく体制づくりを進め、人とクマのより良い関係の実現に向けて取り組んでまいります。引き続きのご支援をお願いいたします。

第4回木頭クマまつり「しこくまワークショップ結果報告会」
YouTubeで公開中▶https://www.youtube.com/live/nQ_k6LEcSf0

行動計画案「しこくまアクションプラン(案)」は、以下にて公開中の冊子『しこくまワークショップ結果報告』をご覧ください
担当者からひと言
出島 誠一 (でじま せいいち)日本自然保護協会(NACS-J)ネイチャーポジティブ担当
「しこくまワークショップ」を通じて、クマの保全を地域課題の解決につなげていく必要性を強く実感しました。
ご支援のお願い
日本自然保護協会では、人と自然がともにある社会の実現に向けて、科学的な視点に基づき活動しています。継続的な活動のために、皆さまのご支援をお願いします。
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