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活動レポート

日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、ネイチャーポジティブの実現を目指して、2023年2月27日、三菱地所株式会社(以下、三菱地所)、群馬県みなかみ町(以下、みなかみ町)との3者で10年間の連携協定を締結しました。この協定に基づいた活動は、「みなかみネイチャーポジティブプロジェクト」(以下、みなかみNPPJ)と名付けて実施しています。

みなかみNPPJでは、主要な活動のひとつに「生物多様性豊かな里地里山の保全と再生活動」を掲げています。この活動では、耕作放棄や外来種の移入などによって荒廃してしまった里地里山の生物多様性の保全と再生を目指して、ため池のかいぼりや湿地環境の再生などに取り組んでいます。

ため池の画像

2025年8月28日(木)、東京都港区にある芝高等学校(以下、芝高校)の生徒が、みなかみ町内での体験などを通じて、自然を守り伝える大切さを感じるためのプログラムの一環でみなかみ町を訪れ、みなかみNPPJの活動に参加してくれました。

当日は53名の生徒が湿地環境を再生する活動に従事。耕作放棄されてヨシなどが繁茂してしまい乾燥化が進みつつあるエリアを、スコップなどを使って掘り返して湿地環境の再生を目指しました。

草刈りをする生徒の画像

今回の活動は、みなかみNPPJの初年度の活動でかいぼりを実施した「権現上ため池」の上部にある耕作放棄地で実施しました。権現上ため池では、かいぼりの実施後、貴重な在来の水草や水生昆虫が再生するなどの成果が出始めています。

そのため、生息域外保全を目的に、ため池の水草やため池の周囲に生息している湿地性の植物を今回湿地環境の再生に取組んだエリアに移植する作業なども行いました。

スコップで掘り返す生徒の画像 移植作業中の生徒の画像

さすが元気な高校生。力強く作業に取組んでくださり、私たちが当初想定していた以上に広いエリアの湿地環境を再び創出することができました。芝高校の生徒の皆様、本当にありがとうございました。

湿地が戻ったエリアの画像

これらの活動は継続していくことがとても大切です。今回、芝高校の生徒の皆様に活動していただいたエリアも、このまま放置してしまうとすぐにまた活動前と同じような状態に戻ってしまいます。

みなかみNPPJでは、このような取組みを地域経済の活性化にもつなげていく検討も並行して進めており、みなかみ町内で地域資源を活用した体験型プログラムを提供している一般社団法人みなかみ町体験旅行との連携もスタートさせています。今回の活動も一般社団法人みなかみ町体験旅行との連携で実現しました。

みなかみ町内の学校はもちろん、みなかみ町外の学校でも、みなかみNPPJでは学校との連携を推進しています。興味のある学校関係者の皆様、ぜひお問い合わせください。

みなかみNPPJは、協定を締結してから3年目の活動を進めています。日本におけるネイチャーポジティブの代表的な事例にできるように引続き取組んでいきます。ご注目ください。これまでの活動報告は以下URLよりご覧いただけます。