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活動レポート

朝日新聞の連載「現場へ!逆風 風力発電」で取り上げられました

2025年9月24日

先日、9月8日から9月12日にかけて、朝日新聞夕刊に「現場へ!逆風 風力発電」と題した全5回の連載が掲載されました。

第3回では、私たち日本自然保護協会(以下、NACS-J)が、生物多様性の観点から国内で最も自然環境上問題があると指摘し続けている「(仮称)三重松阪蓮ウィンドファーム発電所」の計画が取り上げられました。

この大型風力発電事業は、三重県松阪市と多気郡大台町にまたがる広大なエリア(業実施想定区域面積 約7,434ha)を開発する計画で、東急不動産株式会社の子会社であるリニューアルブル・ジャパン株式会社が進めています。最も高い風車で186メートルものを最大60基つくる計画になっています。

しかし、計画地の全域が国定公園や県立自然公園の自然公園内であり、絶滅危惧種で種の保存法の政令指定種でもあるイヌワシとクマタカの個体群に影響を及ぼす可能性があることや、植生自然度の高いブナ林やモミ・ツガ林の喪失などを懸念して、NACS-Jは事業者に対して中止を求めています。

この計画は、地元の松阪市議会で反対請願書が採択されていたり、環境大臣からも事業の大幅な見直しを求められているにもかかわらず進められています。

記事内では地域で反対している皆様の声や事業者の見解とともに、NACS-J若松のコメントも掲載。また、NACS-Jと連携協定を締結しているMS&ADホールディングスの原口真氏のコメントも掲載されています。

全5回の連載では、他にも、バードストライクが多発している「浜里ウインドファーム」(北海道幌延町)のことや、四国で最も自然環境上問題のある高知県での計画のこと、再エネのゾーニングを無視して計画が進んでいる北海道石狩市の現状などについても現場取材にもとづいて記事化されています。ぜひご覧ください。

気候変動対策と生物多様性保全は両輪です。気候変動対策によって、深刻な生物多様性の棄損があってはいけません。生物多様性を棄損するような再生可能エネルギーの増加は、長い目で見た場合、気候変動対策の推進にも悪影響があることは明白です。

生物多様性の観点から問題のある大型風力発電事業を計画している事業者には、日本を代表する上場企業のグループ会社が多く見られます。責任ある企業としての行動を強く望みます。

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