岐阜県中津川市では、リニア中央新幹線の岐阜県駅へのアクセス向上を目的に、濃飛横断自動車道の建設が進んでいます。この自動車道の近隣には、小湿地群が点在し、シデコブシ、ハナノキ、シラタマホシクサなどの東海丘陵要素植物と呼ばれる、希少な植物が生育する環境となっています。
NACS-Jは、自動車道建設によって中津川市千旦林地区の小湿地群への影響を懸念して、2014年に岐阜県と中津川市に地形改変を行わないことと、十分な科学的調査の実施を要望し、2024年より岐阜県と意見交換を行ってきました。その結果、岐阜県が、同小湿地群付近で地下水の動きの詳細を明らかにする科学的な調査を実施することとなりました。7月14日にNACS-J、複数の専門家、地元の保護団体の立会いの下、地下水の深さや動きなどを調べるための塩ビパイプを多数設置しました。今後、約2年間継続して地下水の変動などを調査し、小湿地群維持のメカニズムを明らかにしていきます。その結果に基づいて、想定される自動車道建設工事による影響が評価される予定です。

自動車道路予定地から500mほどの距離にある調査地点(中津川市千旦林地区の小湿地群近くのハナノキ、シデコブシの群生地)
担当者から一言

若松 伸彦日本自然保護協会 / 自然のちから推進部
計画地近くの小湿地群は、地域の人たちも大切にしている場所です。しっかりとした調査を期待しています。