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企業連携事例Corporate Partnership Case Studies

「おおくす芦名堰の森」でアメリカザリガニなどの外来種を駆除する活動を実施しました

連携企業公益財団法人ニッセイみどりの財団、日本生命保険相互会社、横須賀市、NPO法人三浦半島生物多様性保全

連携・協働事例

2025年10月29日

池のなかでの活動

日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、2025年3月、公益財団法人ニッセイみどりの財団(以下、みどりの財団)と神奈川県横須賀市(以下、横須賀市)と連携協定を締結して、横須賀市にある「おおくす芦名堰の森」を舞台にネイチャーポジティブ実現に向けた取組をスタートさせました。「おおくす芦名堰の森」は、環境省の自然共生サイトにも認定されています。

2025年9月13日(土)、連携協定の一環で、アメリカザリガニやキショウブ、セイタカアワダチソウなどの外来種を駆除する活動を、横須賀市で活動するNPO法人 三浦半島生物多様性保全にも協力いただき実施しました。

アメリカザリガニなどの外来種の侵入は、日本の生物多様性を毀損する大きな原因のひとつになっており、もともと日本にいた生きものたちの生息を脅かしています。

アメリカザリガニの写真

捕獲したアメリカザリガニ

なかでも雑食性のアメリカザリガニは、水草や水生昆虫、小魚など、ありとあらゆるものをなんでも捕食してしまい、日本の生物多様性に深刻な被害をもたらしています。

一度侵入してしまうとその駆除は相当困難で、外来生物法という法律で「条件付特定外来生物」にも指定されており、例えば、家で飼育しているアメリカザリガニを野外に放すことなどは禁止されています。違反すると罰則が科せられるほどです。

池での作業風景

腰や胸まで水に浸かる重労働

7月19日以来、約1ヶ月半ぶりの実施となった今回は、ニッセイみどりの財団や日本生命保険相互会社(以下、日本生命)の職員の皆様をはじめ、参加者12名で活動しました。

今回は約70匹のアメリカザリガニを捕獲。前回は200匹を超えていたので、活動の成果が少しずつ現れている可能性はありますが、油断はまったくできません。アメリカザリガニは一度に数百個の卵を産むと言われているので、気を抜くとどんどん増えてしまいます。

植物を抜き取る様子

キショウブの駆除作業

他にもキショウブやセイタカアワダチソウ、カダヤシなどの外来種も一緒に駆除しました。

キショウブとセイタカアワダチソウも外来生物法で「要注意外来生物」に指定されている外来種です。カダヤシは「特定外来生物」に指定されており、日本国内での飼育、譲渡、販売、放流などは禁止されている外来種です。

外来種も生命ある生きものですが、日本の自然環境や生物多様性の保全と再生のためには駆除もやむを得ません。外来種の野外への放出などは絶対にやめましょう。

モツゴの写真

在来の生きものたち

モツゴやテナガエビなど在来の生きものたちも観察することができました。

生物多様性は地域によって異なります。ネイチャーポジティブの実現のためには、地域の生物多様性の特性と、保全のための行政施策の必要性の二つの側面から、地域(市町村)ごとに進めていくランドスケープアプローチが重要です。

NACS-Jは、自治体と企業、市民等とのパートナーシップ構築を通じて市町村を基盤にしたネイチャーポジティブの実現を目指す「日本版ネイチャーポジティブアプローチ」を全国各地で進めており、横須賀市でも「おおくす芦名堰の森」などを舞台に活動を始めています。

今後もご注目ください。

※「おおくす芦名堰の森」保全・活用に関する三者連携協定締結
https://www.nacsj.or.jp/media/2025/03/44935/
※日本版ネイチャーポジティブアプローチ
https://www.nacsj.or.jp/activities/project/npa/
※ニッセイみどりの財団と日本生命はNACS-Jの法人特別会員として長年活動を支えてくださっています。法人特別会員についてはこちらをご覧ください。
https://www.nacsj.or.jp/corp/#s_donate