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Project日本自然保護協会の主な活動

草原のチョウ保全

絶滅が心配される草原のチョウ、オオルリシジミ(長野県安曇野市)

日本の草原環境は、人々のライフスタイルの変化に伴い、明治期は国土の11%ほどあったものが今では1%にまで減りました。その結果、草原環境の生きものたちは生息の危機に。日本自然保護協会(NACS-J)は、絶滅の危機にある草原のチョウとその生息地の保全に取り組んでいます。

オオルリシジミの保全(長野県安曇野市)

オオルリシジミは、瑠璃色の翅が綺麗な大型のシジミチョウです。かつては東北や関東にも分布していましたが、今では長野県の一部と九州の阿蘇地方にしか生息していません。NACS-Jは、主に安曇野市を舞台に研究者や地元の方々、アルプスあづみの公園管理センターなどと連携して保全活動を進めています。一時は分布の拡大が確認されていましたが、近年は確認数が減少する傾向にあるため、研究者を含めて対策を進めています。

オオルリシジミ

成虫の体長3-4cmほどの大型のシジミチョウの仲間。オオルリシジミは草原の環境に適応しており、幼虫はマメ科のクララという植物を食草としています。かつては東北・中部・九州の3地域で生息していましたが、現在は熊本県阿蘇と長野県の一部のみに分布しています。

オオルリシジミの食草であるクララを観察する様子

ウスイロヒョウモンモドキの保全(鳥取県鳥取市)

ウスイロヒョウモンモドキは、近年最も生息数を減らしたチョウの一種です。減少の主な原因は、人間による草原の利用減少やニホンジカの増加による生息環境の変化などとされています。環境省の保護増殖事業に沿って、専門家や地元の方々と連携して保全を進めています。近年はニホンジカが高標高域まで分布を拡大しており、ウスイロヒョウモンモドキの食草と生息地を守るための防鹿柵の設置等を進めています。

ウスイロヒョウモンモドキ

成虫の体長3.5-4.5cmほどのヒョウモンチョウの仲間。幼虫はオミナエシ科のオミナエシやカノコソウという植物を食草としています。採草地や農地周辺、放牧地などの比較的大きな半自然草原に生息し、現在は、兵庫県~岡山県のごく限られた生息地に分布しています。

防鹿策設置の様子

活動レポート

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企業連携事例

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