"いきもの村"の環境整備を進めています。

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 4月赤谷の日から、改めて“いきもの村”の環境整備を開始しました。当日は地元の小学生も遊びに来てくれました。“いきもの村”を森の仕組みとその恵みを学べる場所にしていきたいと考えています。

 かつて“いきもの村”は、山に植えるスギやヒノキの苗を生産する事業所(境野種苗事業所)でした。昭和59年頃に廃止されて、その後は放置されていました。2004年(平成16年)に赤谷プロジェクトが発足した際に、赤谷の森の玄関口の活動拠点として整備されてきました。
 赤谷プロジェクトでは、昨年度から、改めて“いきもの村”の環境整備を進める準備を進めてきました。昨年3月の企画運営会議で「基本方針と活動計画骨子」が承認され、4月赤谷の日から活動を開始しました。
 いきもの村の整備を進めるためには、多くの方のアイデアと労力支援が必要になります。ぜひご協力下さい!
 また、環境教育活動や、様々なレクリエーション活動に活用したいという方も募集しています!お気軽にお問い合わせ下さい。

<「基本方針」の概要>==================
 赤谷の森の入り口に位置する「いきもの村」は、調査研究活動の拠点であると共に、環境教育活動の場として環境づくりを行ってきました。 いきもの村を環境教育の場として更に充実させるため、活動のタイプごとに多様な自然環境がモザイク状に存在するエリアとして利用管理したいと相談を続けてきました。また、近い将来、ビジターのセルフガイドを基本とする「赤谷の森・最初の体験コース」を備える場にできないかとも考えています。

5つの基本的な方針

1)重要生息地の保全
 いきもの村を重要な生息地としている野生生物がいます。これらの生息地は、その環境の保護にとって必要な、一定の期間の立ち入りの制限など、生息地として利用が続くことを最優先とした利用管理を図ります。生き物は「持ち込まない・もち去らない」を原則にします。

2)周回歩道の整備
 基本的な安全は確保した上で迷わず歩行できるよう簡易な歩行サインを見ながら周回できる歩行コースを用意します。セルフガイドができるよう、支援アイテムを備えたものにします。

3)利用主体の拡大
 赤谷プロジェクト関係者はもとより、将来的にはみなかみ町の教育機関のスタッフ、奥利根地域にホームグラウンドを持つネイチャー・ガイド、旅館スタッフ、小規模かつ持続的な自然資源の利用方法を学ぼうとする方々等が、自然案内や自然学習・研修の場として利用できることを念頭に全体の環境作りを行ないます。

4)ビオトープ機能の向上
 いきもの村には、特に草原(くさはら)を好んだり、開けた環境の中にある樹木の枝を縄張りや産卵地として利用することを好むチョウの仲間、水辺を発生地とするトンボなどが生息しています。これらの生息状況をさらによいものにするため、自生植物の存在そのものを基本にしつつも、的確かつ適度に管理し、ビオトープ(生き物の生活の場所)機能の向上を図ります。教育上効果的なものであれば、最小限の観察装置等の設置も検討します。

5)心地よい空間作り
 環境教育の中でも、特に子供たちを対象にする場合、疎林と日当たりのよい開けた空間、乾燥した落ち葉の存在、景色全体を見渡せること等、心地よい環境の場所で活動が行なえるか否かはその後の教育効果に大きく係わってきます。このため、サブエリアの中に最低一つ、このような環境を備える場を作り出します(この場は特に、ヤマビル対策の可否が鍵と思われます)。これらの環境があることは、絵を描くなどの芸術的な活動の場等を求める大人の利用にも好都合と思われます。

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 以上の基本方針に基づいて、4月赤谷の日では、現状把握と今後の活動内容の検討を行いました。4月赤谷の日の様子は赤谷センターのブログもご覧下さい。

http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/akaya/photosouko.html#140405

 

a.水生生物の生息環境の向上(コブナ池の保全活動)
 これまで池を掘っていた場所は、イノシシや土砂の影響で埋まっていました。新たに池を掘る場所として、炭焼き小屋のヨコの場所を提案しました。今度は人力でなくユンボなどを使ってしっかり掘ってみたいと思います。
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ゲンゴロウやガムシの仲間も生息することを期待している生き物です。(写真は当日防火水槽で捕獲して撮影)

b.チョウの生息環境の向上(草地の保全活動)
 チョウの生息環境保全目指すエリアについて、分布している樹木を調べて図面に落としました。今後、これまも続けてきたニセアカシア(外来種)の抜本的な対策と、定期的な草刈を実施する場所の確定が必要です。
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チョウの生息環境保全を目指すエリアの4月時点の状況。

c.里山環境の保全
 里山的な管理された心地の良い林にするために、枯死木の手入れや、タニウツギなどの花を楽しむ場所、眺望が良い所で景色をみながら過ごせる場所の確保などの今後の活動方針を話し合いました。
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d.歩道の整備
 いきもの村内の歩くルートを確保することは、活用するためのベースとなる整備です。今回は、6月頃になるとツル性の植物が繁茂して近寄れなくなる場所を集中的に伐採を行いました。

以上です。5月赤谷の日も引き続き環境整備を進めて行きます!

 

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