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渓流環境復元ワーキンググループ治山事業による防災機能の向上と引き替えに損なわれた渓流の連続性を回復させ、生物多様性の修復を行います。防災機能を果たす一方で渓流の連続性を阻害している治山ダムの中央部分を撤去して人工的な渓流の段差を解消し、その後の土砂移動や生物の生息状況の変化を注意深く観測しながら、防災機能と生物多様性を両立させる治山事業をすすめています。 茂倉沢治山事業について1.はじめに「赤谷の森」の国道17号線から茂倉沢にかけての旧三国街道エリアでは、旧街道を理想的な自然観察路とするための森づくりと渓流環境の復元を目標に掲げておりますが、このたび、渓流環境を復元する取組として、茂倉沢の治山ダムの改修工事に当たり、治山ダムの中央部を基礎部分から撤去し、上流と下流の沢の連続性を復活させ、渓流本来の姿を復元していく取り組みを進めています。 2.茂倉沢治山事業
茂倉沢には本流に12基、支流に5基の治山ダムがあります。これらは、昭和22年のカスリン台風の影響と思われる深層崩壊が渓流周辺に多発したことなどから、昭和20〜30年代に順次設置された施設です。 図:茂倉治山事業の枠組み 3.治山ダムの中央部撤去 中央部撤去の対象となる治山ダムは、通称No.2ダムと呼んでいますが、このダムは、平成14年の台風でダム左岸下部が底抜けし、堆積していた土砂のほとんどが流出してしまったため、新たに大量の土砂が流出する危険性は低いと考えています。 4.防災と渓流環境復元の両立工事完了後は、防災と渓流環境復元の両面からモニタリング調査を実施します。中央部撤去に伴う土砂流出への影響、継続的な植生調査、イワナなどの魚類の遡上、渓流に特有なカワネズミや水生生物の生息状況などの追跡調査を行い、蓄積されたデータに基づき、科学的知見から防災と渓流環境復元の両立を可能とする治山事業について、調査研究を進めます。 5.これから 北海道知床半島でも、北海道森林管理局が世界自然遺産登録を目指して、サケ科魚類が遡上できるよう、河川の工作物を改良した事例(参考:http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/policy/business/pr/siritoko_wh/pdf/kasen-panfu.pdf)がありますが、既存の治山ダムを中央部のみとはいえ、基礎から撤去した事例は全国初の取組です。
関東森林管理局プレスリリース( 8月31日) |
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