10/4~11/14で行っていたニホンジカの捕獲試験が終了しました。

本年度赤谷の日などを通して、鉱塩(塩のかたまり)の誘引、罠の見回りなどを行っていましたが、結果オス2頭、メス1頭の捕獲を行うことができました。

 

今回は、春から設置した鉱塩とセンサーカメラの組み合わせで撮影頻度の確認を行い、

特に高い3地点と低い地点2地点での捕獲をおこない、結果的には高い3地点で捕獲することができました。

 

3頭の捕獲に至ったものの、罠設置前まで高い頻度で出現が見られたニホンジカが、

罠設置後、出現が激減するなど、罠の設置の仕方、慣らし方に課題が残る結果となりました。

 

12月の哺乳類WGにおいて、専門家にご意見をいただきつつ、とりまとめを行い、次年度に向けて計画を進めていきたいと考えております。

引き続きご支援の程よろしくお願い致します。

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この度の台風19号により、お亡くなりになった方々に心よりお悔み申し上げます。 また、被災された皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。
 
本年度赤谷の日などを通して、鉱塩(塩のかたまり)を置いてニホンジカをおびき寄せ、10月の赤谷の日から捕獲を開始していたニホンジカの捕獲ですが、先日捕獲することができました。
 
今回の捕獲は1歳のオスで体重は約55㎏となりました。
 
ニホンジカの低密度管理を目指す上では、ハーレムをつくる性質上オスよりもメスの捕獲の方が重要ではありますが、ひとまずは捕獲できたことは大きな成果だと考えます。
 
引き続き11月まで捕獲を継続しますが、今回捕獲した場所を含め、継続してどれだけ捕獲できるかは非常に重要になります。
 
赤谷プロジェクトでは引き続き低密度捕獲を実施致します。
11月赤谷の日には罠のメンテナンス等も行いますので、ご関心のある方はぜひご参加ください。
 
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日本の自然保護にとって大きな課題となっているシカの増加。シカを低密度で管理する手法の開発にはセンサーカメラと罠の設置が欠かせません。センサーカメラと罠のオーナーになって活動を支えてくれませんか?
 
ニホンジカの増加を止め、害獣から森の住人へ 
ニホンジカ(以下、シカ)の増加は、日本の森における最大の課題です。
 
いま各地で対策が行なわれています。しかし、農林業の被害や生態系の破壊など、被害が確認できるほど数が増えてしまうと、捕獲はもちろん、傷ついた森林の管理に膨大なコストが必要となります。そのため、森林が長く健全であるためには、シカが増える前の“低密度”の状態で管理することが、不可欠だと考えています。
 
日本自然保護協会(以下、NACS-J)では、私たちの活動地のひとつ、群馬県の「赤谷の森」(群馬県みなかみ町)をフィールドにして、昨年度に引き続き、“低密度管理”のための捕獲試験を行います。
 
 
野生動物と共存する新しい技術として、この取り組みへのみなさまのご支援をお願いします。
 
詳細はコチラ 
 
 
チラシ
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たくみの里で無農薬・無化学肥料栽培の田んぼづくりをはじめて4年。

無農薬の田んぼにはどんな生き物がいるのか!?生き物を探して調べて、観察する会を開催します!

夏休みの自由研究に、お盆休みの締めくくりに、ぜひご家族でご参加ください! 

 

■主催:日本自然保護協会

    みなかみ田んぼプロジェクト

    赤谷プロジェクト

■対象:推奨6歳以上

■参加費:無料

■申し込み:不要

  直接集合場所にお集まりください

 

■集合場所:たくみの里 

   森の恵みと学びの家駐車場

  (9:00までにお集まりください)

■服装等:

帽子・タオル・着替え・飲み水・雨合羽(雨天時)・金魚網(あれば)

*田んぼには、はだしまたはくつ下で入ります。

     

■雨天時:小雨決行

 

■講師紹介

髙橋朝美(環境パートナーシップオフィス)

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長野県生まれ。新潟大学にて国文学(古典)を専攻。有機農業が盛んな地域、新潟県阿賀野市(旧笹神村)での農協職員経験を経て、2014年より現職・一般社団法人環境パートナーシップ会議(EPC)職員。

主に関東圏内で、地域の環境課題解決に取り組む様々な主体をつなぐコーディネーター役を担う。10年以上携わる生きもの調査は、生産者と消費者、土と人間をつなぐ場作りの視点を大切にしている。

 

赤谷プロジェクトでは、哺乳類(特にニホンジカ)の動向の把握などを目的に多数のセンサーカメラの設置を行っています。
近年はニホンジカを鉱塩(塩のかたまり)での誘引試験の状況確認のためのカメラも設置しているため、年2回交換するカメラの個数は全体で100台近くに上ります。
 
カメラは赤谷の森中に設置しているため、交換は一苦労。
皆で分担しながら交換しても数日かかります。
特に雨が降ると特に大変になる作業ですが、今年度の交換は雨に降られることなく、
無事交換することができました。
 
 
しかし、大変なのはこれから。
交換したカメラの写真は、一枚ずつ人の手でなにか生き物が映っていないかを確認(同定)し、調査結果としてまとめていきます。
100台もカメラを設置すると10万枚(撮影ミスを含む)以上の撮影になります。
 
 
なかなか大変な作業ではありますが、動物たちの野生の姿を見れることを楽しみに少しずつ進めてい行きます。
さて、今回の調査ではなにがうつっているでしょうか?
 
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2019年度の会議予定が決まってきましたのでお知らせいたします。

未定の日程につきましてもおおよそ決まり次第、ご紹介させていただきます。
ご参加ご希望の方がいらっしゃれば事務局までお問い合わせください。
 
・5/21 企画運営会議(みなかみ)
・6/26-27 自然環境モニタリング会議(みなかみ)
・6/27 第1回植生管理WG(みなかみ)
・7/15 地域づくりWG(みなかみ)
・7/24 第1回渓流環境復元WG(みなかみ)
・8/20 環境教育WG(みなかみ)
・12/16 第2回渓流環境復元WG(調整中)
 
日程未定
・7月 第1回哺乳類WG(みなかみ)
・8月 第1回猛禽類WG(東京)
・10月 第2回植生管理WG(みなかみ)
・11月 第2回猛禽類WG(みなかみ)
・12月 第3回植生管理WG(東京)、第2回哺乳類WG(東京)
・1月 第3回猛禽類WG(東京)
・2月 企画運営会議(みなかみ)
赤谷プロジェクトは、赤谷の森の恵みを持続的に利用した地域づくり(以下、「持続的な地域づくり」)を推進しています。
地域づくりWGでは、持続的な地域づくりを進めるために、赤谷の森と人との関係を再構築することが必要であると考え、その方法を検討してきました。
その中で、赤谷の森の麓、月夜野地区に群馬県唯一の桐専門の木工業を営む「桐匠根津」から、かつてみなかみ町内で桐を調達していたことや、今後、町内で桐を調達する希望があることをうかがいました。
桐匠根津は、桐の素材生産から箪笥等の製造、販売まで一貫して行っており、近年は新潟県津南町に先代が植えた桐を使用しています。桐は生長が早いことや、軽く、抗菌性がある等の特性から、「娘が生まれたら桐を植える」などの言われもあり、日本で古くから広く利用されてきた木材でもあります。現在、桐匠根津は桐を扱う群馬県内唯一の業者となっています。
これらを踏まえ、持続的な地域づくりの一環として、赤谷の日などを通じ、桐を植え、育て、その木材が、将来的に赤谷の森の恵みの一つとして、地域の木工業者で活用される繋がりをつくろうと考えています。
新しい地域づくりに向けた取組にぜひご協力ください。
1月からNACS-Jの新しいメンバーとなりました中野恵と申します。
1年半ほど前からアルバイトで赤谷プロジェクトの事務や哺乳類調査のサポートなどを担当していました。
赤谷の森は本当にすばらしく、地域の宝となる森だと感じています。
山や森林については、まだまだ勉強中ですが、少しでもみなさまのお役に立てるように頑張っていきたいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

ニホンジカ(以下、シカ)の増加による環境への影響が日本各地で問題となっています。群馬県みなかみ町の赤谷の森では、被害が少ない低密度の段階でシカの管理・捕獲技術を検討するため、2018年10月29日~11月14日に罠を用いた捕獲試験を実施しました。

 

赤谷プロジェクトエリアのシカは警戒心が高く、夜間出没が多いこともあり、本年度は鉱塩(塩のかたまり)でシカを誘引(おびき寄せ)した上で罠による捕獲を囲い罠・箱罠の他、くくり罠の実施を行いました。

  • 囲い罠・箱罠
    囲い罠・箱罠は、罠設置前はシカの出現がみられたものの、罠設置後は警戒され、出現を確認することができず、捕獲に至りませんでした。
    誘引期間を延ばすほか、鉱塩の設置の仕方に工夫するなど、誘引方法を検討し、引き続き捕獲を目指していきたいと考えています。
  • くくり罠
    その他、赤谷プロジェクトではくくり罠による捕獲を実施しましたが、そちらでは1頭捕獲することができました。

 

<使用したくくり罠について>

通常のくくり罠は、けもの道などシカのとおりに道に罠を設置し、罠を踏むと足をくくられることで捕獲します。しかし、けもの道そのものはシカだけでなく、ツキノワグマやイノシシ等の他の動物も通るため、誤ってシカ以外の動物を捕獲する可能性があります。
一方今回検討したくくり罠は、けもの道から敢えて少し外れた場所に鉱塩を置き、けもの道から外れて誘引されたシカを狙うため、通常の設置に比べて鉱塩に誘引されない動物を誤って捕獲するリスクが減らせるという特徴があります。

今回はあらかじめ鉱塩で誘引した2地点に罠をそれぞれ3つ、計6個をかけて実施したところ、1頭のオスジカを捕獲することができました。
たった1頭かもしれませんが、期間・罠の設置数が少ない中での成果であり、捕獲努力量(罠の数×実施日数)に対する捕獲数という捕獲効率では、近辺でより高密度の地域で実施例よりも効率的な捕獲結果となりました。

<低密度での捕獲に向けて>

今回の捕獲結果は、低密度であっても、誘引材を用いたくくり罠では効率の良い捕獲できる可能性が確認されました。一方、まだまだデータ数が少なく、引き続き捕獲方法については検討が必要だと考えています。また、今回は捕獲に至りませんでしたが、囲い罠及び箱罠については、罠への慣らし期間を延ばし、捕獲に取り組んでいこうと考えています。

低密度管理の実現のためには、こうした捕獲技術だけでなく、だれが、いつ、どうやってとり、どういった資金をつかうのかなどの体制づくりも重要となってきます。

体制づくりに向けても、今年度は、地元の猟友会のみなさまとも意見交換・交流を重ね、一歩ずつ実現に向けて進んでいるとは感じるものの、目指す低密度管理の実現はまだまだこれからです。ニホンジカは年間1.2倍ずつ増えていく中、時間との勝負という側面もありますが、低密度管理の実現に向けて引き続き、取り組んでいきます。

2018年10月29日~11月14日において、ニホンジカの捕獲試験を実施致しました。

予め鉱塩により誘引を行った上で、NACS-Jが主な主体で囲い罠及び箱罠、赤谷センターが主な主体でくくり罠を実施致しました。

 

囲い罠及び箱罠は、罠設置前時点で数日に一度ニホンジカが訪れ、鉱塩を舐める状況が観察されていましたが、罠設置後は警戒され、設置後入口近辺も含め、ニホンジカが近づきもしない結果となりました。

一方、括り罠については毎晩に近い頻度でニホンジカの出没が見られ、オスの0歳のニホンジカが一頭捕獲されました。

 

これらの結果の判断については、12月に実施予定の哺乳類WGなどを通し、専門家の意見を含め、とりまとめを行っていく予定です。

詳しい結果・考察についてはまた改めてご報告させていただく予定です。

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※実施内容についてはコチラをご覧ください。

・2018年度ニホンジカ捕獲試験について

 https://www.nacsj.or.jp/akaya-blog/2018/09/2018-2.html