↑左:いきもの村で焼いた炭第1号、右上:いきもの村の様子、右下:ヤブデマリ(小出俣沢)
↑左:ギンラン(ムタコ沢)、中:サカハチチョウ(合瀬)、右:ヤマアカガエル(小出俣沢)
木々の緑と、タニウツギの赤、ヤマボウシの白が鮮やかな6月になった。炭窯のお恵みをいただく日である。5月に火を落とした炭窯の中で、いきもの村のハリエンジュの炭が、待っている。
2006年6月3日 12:30 炭窯の口の粘土を崩す。小さく開いた口から、新鮮な空気が流れ込んだ気がする。ブロックや石をとり除くと、窯の口が広がり、中の炭が見えてくる。今回は炭の量が少ない気がする。
2006年6月3日 13:00 早速、前回に引き続き目黒さんが、完全装備で窯の中に入り、炭を外に出す。外の人は、それを袋に詰め、並べる。土のう袋で20くらいか。最後に、窯の底に水がたまり、灰が粘土状になっていることを発見。どこから水が入ったのだろう。畑仕事に忙しい、笛木師匠に電話をした。窯を開けたこと、炭の量は少ないが、きれいに焼けていること、水が入ったこと、などを報告する。師匠も、水のことは気になるようで、「どこからかなあ?」と電話の向こうで考える様子だった。
2006年6月3日 14:00 ともかくは、今回の炭焼きを完了した。夏に向け、いきもの村の活動が忙しくなるので、炭焼きは、冬まで休憩である。窯の口を再び粘土で閉じる。窯の状態を一定に保つためである。窯の中に入り、内壁の状態を見た。前回の補修粘土の、剥がれているところが多少あったが、概ねきれいな状態だ。窯の空気が、少し湿っぽい気がした。窯の口を閉じ、焼けた炭を前に記念撮影。
↑左:記念撮影、 上中:足で粘土をこねる、 上右:窯にフタをする、 下中:粘土を投げつける、 下右:窯の様子(6月19日)
今回の炭は、希望者が持ち帰ることにした。持ち帰った、炭の活用アイデア募集をすると、いろいろ出てくるかもしれない。炭焼き隊の皆さま、お疲れさまでした。炭窯の神様に感謝。(サポーター川端)
赤谷の日2日目に豊凶調査を行いました。今回は、4月にツリーハンティングした対象木の樹下に、シードトラップを設置する作業です。シードトラップが11個しか用意できていないため、対象エリアをいきもの村周辺と、川古温泉周辺に限定して設置しました。他のムタコ沢や、未決定の樹については7月以降の設置となります。
川古温泉周辺の木については、心配したとおり、ミズナラだと思っていた木が、コナラやクリになっていたり、対象の木がなかなか見つからなかったりしましたが、予定通り11本の木にトラップを仕掛けることができました。春の川古台地の上で、気持ちの良い汗を流しました。調査隊の皆さま、お疲れさまでした。(サポーター川端)
↓赤谷の森のオオルリ ※5月13日撮影
鳥類相調査は前回同様2日目の朝6:00から実施しました。開始前の朝一番はそれなりに夏鳥のさえずりがあったのが、集合時間になると静かになってしまい嫌なムードを感じました。前回もこんな『サービスが悪い』展開だったような記憶があります。それにしても鳥の影が少ない。今はちょうど夏鳥の渡りが都市公園で終息を迎えていますので、低山環境にあたるいきもの村は渡ってきた鳥たちで満ち溢れていると予測していましたが、実際には先月よりも鳥の姿も声も少なめでした。もしかしたら6:00からの調査の時間帯が良くないのかもしれません。それでも一応、オオルリやキビタキなど夏鳥の声を聴くことはできました。
終了後、参加者から『声は聴けたけど姿も見たい』という実に核心を突くご意見をいただきました。試行錯誤の過渡期である今は正式なセンサス調査の準備段階として、参加者にできるだけ声を憶えてもらうのが最重要ですし、正規の調査方法である決められた速度で立ち止まらずに進むという点を意識していますので、鳥の姿を探してじっくりと観察するという通常の探鳥会のようなスタイルではありません。しかしながら、まずは参加者に楽しんでもらい、興味を強くしてもらうことが大切なわけですから現段階では調査方法とルールに拘泥せずに、楽しめるものにしなければいけないのかも知れません。
私は調査以外の時間も常に鳥類を意識しています。一日目は炭の窯出しを手伝いながら鳥類の動きを意識していましたが、全体に鳥類は少なめでした。また二日目にはテンモニ隊に加わりテン糞を探しながら鳥類も意識していましたが、いきもの村よりも奥山の林道の方が鳥類の声と姿を多く確認しました。実は先月も同じ印象がありました。いきもの村での朝の鳥類相調査がふるわなかったのはどうも調査の時間帯が外れだったというわけではなさそうです。これらの点を考慮し、今後はいきもの村以外に奥山の林道の複数個所に調査定点を設けることも相談してみたいと思います。(サポーター高野)
観察種:38種(アオサギ/トビ/ノスリ/ヤマドリ/キジ/キジバト/ジュウイチ/ツツドリ/ヨタカ/アマツバメ/アオゲラ/アカゲラ/オオアカゲラ/コゲラ/ヒバリ/ツバメ/イワツバメ/キセキレイ/サンショウクイ/ヒヨドリ/クロツグミ/ ヤブサメ/ウグイス/センダイムシクイ/キビタキ/オオルリ/エナガ/コガラ/ヒガラ/ヤマガラ/シジュウカラ/メジロ/ホオジロ/カワラヒワ/イカル/カケス/ハシボソガラス/ハシブトガラス)
一日目合瀬ルートを調査しました。ルートに入ってみるとモーターグレーダーで林道が綺麗に整備されたばかり。当然サンプルも綺麗に掻かれてしまっていました。グレーダーの影響を受けなかった部分で、テン1・キツネ2・不明1、計4サンプルの採取でした。マーキングの意味合いもあるとすると、テンが綺麗に整地された林道に関心をもつでしょうから、その後の合瀬ルートの様子が気になります。(サポーター青木)
天気に恵まれた6月のムタコ沢は、5月に比べ緑の量が格段に増えていました。生い茂る草で、少し狭くなった道でテン17、キツネ6、イタチ1の合計24のサンプルを採取しました。足立先生から、取り残しに神経質になり過ぎないようにとの注意をいただいていますが、やはりどうしても気になります。(地域協議会 長浜)
二日目はまず、いきもの村周辺を調査し、テン2・イタチ2・キツネ1、計5サンプルを採取し、その後、自然再生試験地の現地視察のために3日から赤谷入りしていた足立先生と合流し、ムタコと小出俣に入りました。ムタコについては前日調査済みですが、リセット法による調査の仕方・サンプルの記録方法等指導していただきました。残念ながら新しいサンプルは見つけることが出来ませんでしたが、出来れば今後もムタコに関しては、赤谷の日二日目の調査も継続したいと思っています。小出俣林道では、足立先生の講習会を受けていない方もおられるので、テンモニ希望者全員で行いましたので、いつもよりも探す目が多かったためか、12サンプルを採取することが出来ました。
赤谷の森のテンは林道よりも、沢沿いの林縁を利用しているのか?足立先生より、夏には渓流の調査を行う提案を受けました。渓流調査を行えば、もう少し森の利用の様子が見えてくると思います。(サポーター青木)
6月赤谷の日と同日程で、『自然環境モニタリング会議・植生管理ワーキンググループ合同現地視察』が行われ、2006年度新規に設定した自然林復元モニタリングサイトについて視察を行っていました。
参考)「自然環境モニタリング会議」と「植生管理ワーキンググループ」について
「自然環境モニタリング会議」は、AKAYAプロジェクトの目的である「生物多様性の復元」を、科学的根拠に基づいてすすめるための科学委員会です。「自然環境モニタリング会議」には、複数の自然環境モニタリングメニューがありますが、その中の植生管理についての実行チームが「植生管理ワーキンググループ」です。→※自然環境モニタリング会議の枠組
川古温泉にてサポーターチームと、自然環境モニタリング会議委員及び、植生管理ワーキンググループ委員の方との交流会を行いました。その中で、サポーターと足立委員(哺乳類ワーキンググループ)との共同研究として1年間活動を続けてきたホンドテンモニタリングについて、足立委員よりサンプル(糞)の分析結果を報告して頂きました。まだまだサンプル数も少ないのですが、赤谷の森のホンドテンの特徴が現れています。このようにして、赤谷の日の活動から、赤谷の森のことが少しづつ見えてくるのですね。
また、植生管理ワーキンググループを担当する亀山座長、猛禽類ワーキンググループを担当する山崎座長からも、今後サポーターグループとの共同作業を行いたいというご提案を頂きました。サポーターグループの活躍の場は今後も広がります。(NACS-J出島)
この他、センサーカメラを設置したり、夜にはバットディテクターを使ったコウモリ観察も行いました。サポーターの平井さんは、サーモセンサーという面白い機器を持ってきて下さいました。温度を視覚的に知ることができ、気分はプレデターです。その画像を幾つご紹介します。
↑左:黄緑の部分は針葉樹、赤いのが広葉樹。 中:合瀬の林道。林道と林内の違いが良くわかります。 右:たくみ小屋の1階屋根裏。懐中電灯で照らさなくても、ムササビの存在がわかります。画像中央下の青い中に目立つ赤い楕円がムササビの背中です。
さて、来月は7月です。ネイチャートレイルのクズやススキも一段と勢いづいてきますので、草刈などの作業も必要です。ホンドテンのフンも見つかりにくい季節です。梅雨空の中の活動となるかもしれませんが、来月もよろしくお願いします。
"はやしや"のお弁当→
写真/文:青木邦夫、川端自人、高野丈、茅野恒秀、出島誠一、長浜陽介、平井希一
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