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2005.07.01(2018.06.27 更新)

【自然しらべ2005】「10年目の川」とは

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なぜ「川」をしらべるのか

10年前、NACS-Jは、はじめて「自然しらべ」を企画し、全国の皆さんに川をしらべていただきました。
10年前というのは、長良川河口堰のゲートが閉まった年です。川の本質的な性質である“水や物質を流す”ということを否定する大きな河口堰でした。長良川だけでなく、水を流すだけの排水路のような川が増えていくことに危機感を抱き、身近な川の現状にまずは目を向けてもらおう、と考えたのがこの「自然しらべ」という企画でした。

 

 

 

本来の川が持つ環境を取り戻していきたい

長良川河口堰の計画がすすむなか、NACS-Jは全国の会員の皆さんからのご寄付をもとに、河口堰と自然環境の関係を探るための調査や、専門家による委員会での検討をし、計画の見直しを求めました。自然しらべ1995には、全国約4000人の方が参加してくださいました。

残念ながら、長良川河口堰のゲートは下ろされてしまいました。しかし、河川を巡る自然保護状況は、この長良川河口堰問題を契機に変化がおきはじめたのです。
河川法の目的に、それまでの治水と利水だけでなく、川の環境保全が加わりました。自然再生推進法ができ、直線にしてしまった流れを、再び蛇行させる試みも始まりました。川から供給されていた砂が減って痩せた砂浜を取り戻すために、ダムに溜まった砂を流したり、ダム計画を中止する。不要になったダムを撤去する計画も生まれました。川などで行われている環境教育を推進する法律もできました。外来生物法ができて、河川敷に広がる外来種を意識する人も増えました。

長い長い地球の歴史がつくりあげてきた川の自然を、人間は数十年の間に、激変させてきました。自然保護活動の成果には時間がかかるものが多いのですが、川を巡る人間社会は確実に変化が起きています。
では、人間が変わったことで川は変わってくれたでしょうか? もっとよくするにはどうしたらよいのでしょう? ことしの夏は、ぜひあなたの目で川を見に行って確かめていただけせんか。

 

NACS-Jの長良川での取り組み「長良川河口堰への対応」>>

(志村智子・NACS-J普及広報部)

 

 

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