市民版日高横断道路「時のアセス」の作成"Assessment of time" in the Hidaka Cross Road by the citizens

著者名Authors

「止めよう日高横断道路」全国連絡会常任委員会調査部Assessment Research group, the standing committee, "Stop the Hidaka Cross Road!" National Liaison Conference

小島望Nozomu Kojima

2002年12月2日に発表した「市民による日高横断道路『時のアセス』(以下「市民アセス」)」は、日高横断道路建設において、事業者である北海道や国土交通省が行なってきたアセスの問題点等を明らかにすること、本来幅広い見地から再評価されるべき重要な論点を提示すること、道路の代替案や日高山脈の自然に関する将来について今後の展望を盛り込んだ提案を示すこと、を目的として作成した。その内容は、おもに「開発道路としての問題点」、「日高の自然」、「自然と人との関わり」、「法律から見た日高横断道路」から構成された、独自に再評価したアセスメント報告書となっている。その「市民アセス」の結果からは、日高横断道路(道道静内中札内線)は、社会、自然、文化、財政、法律など多様な視点から幅広い再評価を試みた結果、建設は中止すべきであるとの結論が得られた。

私たちの「市民アセス」は、4つの役割を担って作成されていた。第1に、開発局による「道路事業再評価」と北海道による「政策アセスメント」に対して、市民サイドから「時代の変化の検証」を加えて評価、判断すること、第2に、道路計画時点の1979年に事業者によって行なわれた「環境影響評価書」などの一連の環境アセスメントに見られる問題点を指摘し、同時に、工事進行によって実際にどのような影響が生じているか、または予測されるかを検証すること、第3に、情報公開や市民参画が不十分な現状を打破すべく、市民の具備する政策策定能力を具体的な意思表示として示すこと、第4に、自然破壊の問題を「自然、社会、文化の分断、破壊」と捉え、従来のアセスメント項目に加えて、従来考慮されてこなかった文化、観光、法律などの項目を設け、それらに関する評価あるいは提案を行なった。

私たちの「市民アセス」発表後、2003年2月7日に、北海道知事が事業の「凍結」を正式に決定、続く2003年8月9日に、北海道開発局が事業「中止」を正式に決定し、日高横断道路の建設は完全に中止されることとなった。私たちが作成した「市民アセス」も、建設中止に一役買ったことは間違いないと思われる。

写真1 成果物

写真1 成果物