霧ケ峰の草原生態系と景観の保全のためのシンポジウム開催と報告書の作成・活用Holding symposium,creation of the report and its proctical use for preservation of the ecosystem and landscape on the secondary grassland Kirigamine.

著者名Authors

霧ヶ峰ネットワークKirigamine Network

熊田章子Shoko Kumada・ 栗原雅博Masahiro Kurihara・ 長内健一Kenichi Osanai・ 手嶋さぎりSagiri Teshima・ 中野浩平Kouhei Nakano・ 有賀文夫Fumio Ariga

1. 「第1回霧ヶ峰シンポジウム」の開催

テーマ:
昔の草原を将来へ
日時:
平成14年12月8日
場所:
諏訪市文化センター(長野県諏訪市)
参加者数:
120名
講演録:
700部発行

霧ケ峰では1,000ha以上の二次草原があり、江戸時代から採草、野火付けがなされていたが、現在では一部を除き行われていない。草原を維持することは困難な状況にあり、市民の役割が重要になって来ている。そこで、「諏訪地域の住民を中心とした一般を対象にし、霧ヶ峰の草原が持つ価値への関心を高めること」を目的に本会を行った。

方法として、多様な視点から草原の持つ価値を伝えるため、霧ヶ峰の自然保護、採草の歴史、観光に詳しい講師を迎え、草原保全の実践例を通じて、一般参加者も含めたディスカッションを行った。

その結果、以下のことを伝える事ができた。まず、1) 草原の持つ価値は、一つ一つの群落の生態美観が構成する大群落の美観、地形、山並の眺望、採草の歴史にあることが認識された。また、草原の中にある湿原や樹叢にも特有の価値があり、例えばすばらしい生態美観であっても眺望がないところでは感動を生まないという関係があるように、これらの一部ではなく全体から受ける感動が最も重要な価値であるということを伝えた。目指すべき将来像については、牧野組合や観光業者の価値観を認めこれらの関係者との協力、妥協をし、現実的な分かりやすい目標を立てる必要性を確認した。2) 実践的方法については、火入れ、草原内の樹木伐採について効果や労力について伝えると共に、ボランティア、来訪者からの協力金、法律的な課題があることを伝える事ができた。

2. 草原ワークショップの開催

<第一回草原ワークショップ>

テーマ:
-感動する霧ヶ峰・誇れる霧ヶ峰とは-
日時:
平成15年6月7日(土)
場所:
諏訪市公民館(長野県諏訪市)
参加者:
10名

<第二回草原ワークショップ>

テーマ:
-私の霧ヶ峰・あなたの霧ヶ峰-
日時:
平成15年8月30日(土)
場所:
霧ヶ峰
参加者:
12名

「第1回霧ヶ峰シンポジウム」の開催での気運を具体的な活動に結び付けるため、2回のワークショップを行った。シンポジウムで明らかになった魅力を、一般市民個人の観点から確認し、具体的な活動へのきっかけを作ることを目標とした。

第1回では2グループに別れて地図作りが行われ、Aグループでは、多岐に渡る霧ヶ峰の魅力を来訪者に向けたメッセージとして「おらほの庭によっとくれ」をテーマにまとめた。Bグループでは霧ヶ峰の魅力は足早に通り過ぎる人々には伝わらないことから、「もう一度、行きたい」気持ちになるのはどのような理由によるものかをまとめた。

第2回では現地で実際の景観を見ながら、それぞれの具体的な体験や思いを知ることができた。同じ風景に触れた時のそれぞれの感じ方の違いを知ることで、霧ヶ峰の感動を育むための当事者意識を高揚させることができた。

写真1 「第1回霧ヶ峰シンポジウム」会場の様子

写真1 「第1回霧ヶ峰シンポジウム」会場の様子

写真2 「第1回霧ヶ峰シンポジウム」総括講師

写真2 「第1回霧ヶ峰シンポジウム」総括講師

写真3 <第一回草原ワークショップ>グループ発表

写真3 <第一回草原ワークショップ>グループ発表