コウモリ観察会実施のためのガイドライン作成と観察会実施の援助活動Making Guidelines and Giving Support for having a Bats' Watching

著者名Authors

コウモリの会Bat Study and Conservation Group of Japan

山本輝正Terumasa Yamamoto

日本のコウモリ類は、自然界において昆虫(蛾や甲虫等)の捕食者として重要な役割を果たしています。しかしこのような役割が理解されないまま、コウモリ類はその生息数及び分布域を急激に減少させているのが現状です。この状況を変えるためには、コウモリへ関心を持つ人を増すことが重要と考えられます。このために効果的と考えられるのが、コウモリ観察会の開催です。コウモリは夜間に活動するため、観察会の実施にはコウモリの生態の知識を必要とします。生態を知らないままでの実施は、コウモリへのディスターブになってしまう恐れがあり、保護のための行為が、その逆の行為につながる危険性を持っています。

以上により、コウモリ観察会を日本各地で行いやすくしていくことが望まれています。これには、観察会実施のためのマニュアルに相当するガイドラインの必要性と、観察会実施のための各種援助活動が必要と考えられます。コウモリの会では、1995年より毎年コウモリ観察会を開催する中で、その方法論を研究してきました。この結果として、コウモリについての知識があり、ある程度の準備と人・機材などが用意できれば実施できるガイドラインを作成することが出来ました。また、これを多くの人に広めるため、「クビワコウモリを守る会」が長野県乗鞍高原で実施した「コウモリ観察会」の後援をするとともに、その実施を指導してきました。

一方、「コウモリの会」では、洞窟内での観察会の実施は、コウモリの生息場所保護のために現在認めていません。また、鍾乳洞を中心とした洞窟の観光開発が、コウモリの生息を圧迫してきた事も事実です。このような状況を少しでも改善しようと岐阜県郡上八幡町でコウモリ観察会を実施しました。これは、鍾乳洞に生息するコウモリ類を始めとする生物を保護する体制を、観光鍾乳洞の管理者に対して持ってもらう、観光鍾乳洞のあり方や考え方を変えてもらうための試みでした。

この「ガイドライン」については徐々に知られつつあるようですが、なぜ必要なのか、どうしてこのようなことを盛り込んだのかが理解されていない面もあるようです。今後は、ガイドラインの下に実施される観察会が多くなるよう、広報活動および援助活動を行っていきたいと考えています。さらに、観光鍾乳洞でのコウモリ保護も進めていきたいと考えています。

写真1 コウモリ観察会実施の様子

写真1 コウモリ観察会実施の様子

写真2 コウモリ観察会実施の様子

写真2 コウモリ観察会実施の様子

写真3 コウモリ観察会実施の様子

写真3 コウモリ観察会実施の様子

写真4 コウモリ観察会のテレビ局(地元)の取材の様子

写真4 コウモリ観察会のテレビ局(地元)の取材の様子