市民による環境影響評価チェックモニタリングシステムの構築Establishment of "Environment Assessment Check Monitoring System" by the citizens.

著者名Authors

三浦半島かんきょうフォーラムMiura peninsula conservaiton Forum

田中雅宏Masahiro Tanaka・ 三留久央Hisamitsu Mitome

目的

この活動は、現在計画が進められている神奈川県による産業廃棄物処分施設の建設計画にともない、自然環境を市民活動のなかで調査し監視するシステムを構築する目的で行ったものである。なお、建設計画は、神奈川県の条例による環境アセスメントが終了しているが、まだ関係市町村である横須賀市の認可が下りていないため、計画決定はされていない(2002年5月現在)。

調査活動の内容

今後、仮に計画が進行した場合でも調査が継続できることを前提として調査項目を選んだ。

これまでに継続して行ってきている自然環境調査として、動物調査と植物調査の他に、今回、助成金を得たことによって比較的資金の必要な化学汚染物質の調査・分析を行うことができた。土壌と川底の底質、河川水について行い、土壌では、ダイオキシン類と重金属類の分析、底質では、重金属類、水質では重金属と化学物質を測定するための検体のサンプリングを行った。調査は株式会社環境総合研究所に調査指導をしてもらい、実際の分析は、カナダのマクサム社が行った。

これらの調査やサンプリングは、一般の市民の参加を募り、調査活動を行った。一般の方(特に地域住民)にも調査を理解してもらい、調査方法を確立するために専門家の方を招き、調査勉強会を開催した。この勉強会によって、専門家の方から貴重なアドバイスや、その後の調査活動の継続的な人的つながりをもつことができた。一般の市民の参加を募るために、広報の方法として会の会報やホームページ、メーリングリストの他、新聞折り込み、ビラの配布などを行った。

調査結果

動物調査では、トウキョウサンショウウオの産卵数の調査を行い、例年と同様な産卵が認められた。オオタカの生息調査は、繁殖期にも生息を確認したが、営巣の確認には至らなかった。

植物調査では、谷や尾根部など環境ごとに植物相を調べた。これらについては、まだ精度を高める必要があるため、今後も継続して調査を行う予定である。

化学汚染物質調査では、微量ながら8塩化類のダイオキシン類や亜鉛などが検出された。これらは、農地やゴルフ場からの農薬の影響や高圧鉄塔などからのサビ止め塗料などによる影響と考えられる。

これらの調査には、公募を一般向けにしていたものの、実際は会員が中心だった。今後地域住民を中心としたより多くの方が調査に参加できるような対策を検討していきたい。

なお、今回の活動で、開発前の自然環境の基礎データが得られたことは、今後開発が行われた際、比較するために大変有意義なものとなるだろう。将来的にアセスメントでの計画の評価と対比しながら検証していきたい。

写真1 植物調査風景

写真1 植物調査風景

写真2 化学汚染物質調査サンプリング風景

写真2 化学汚染物質調査サンプリング風景