飯能県民休養地構想の推進、及び隣接開発予定地に対する環境負荷の低減を求める活動Activities to promoto Hanno prefectural rest place plan and to demand to lessen environmental damage possibly caused by developing neighboring area.

著者名Authors

天覧山・多峯主山の自然を守る会Association For Preservation of Mt.Tenran and Mt.Tounosu

浅野正敏Masatosi Asano1)・ 内田康夫Yasuo Uchida2)・ 遠藤夏緒Natsuo Endo・ 秋郷伸一Sinichi Akisato・ 丸山隆Takasi Maruyama・ 丸山悦子Etsuko Maruyama・ 黒住浩次Koji Kurozumi

著者所属Affiliations

  1. 1) 天覧山・多峯主山の自然を守る会(埼玉県飯能市柳町18-17)
  2. 1) 駿河台大学(埼玉県飯能市阿須698)

私たち天覧山・多峯主山の自然を守る会・自然環境調査委員会では、天覧山・多峯主山周辺域の自然環境を良好な状態で保全する為に、市民自らの手での自然環境調査が不可欠であると、2000年度のPRO NATURAファンドによる助成金を受けて、この1年間当該地域の自然環境に関する基礎資料の収集に努めた。素人である市民の手による調査活動であったが、快くご協力いただいた、各分野での先生方のご指導のおかげで、納得のいく調査結果を得ることが出来、当初の目的の一つである、この守るべき里山の全体像を知る事が出来たところである。

また自然環境調査だけにとどまらず、この地域の里山としての利用の歴史や文化など、幅広い分野への調査の広がりも見ることが出来た。このことは身近な里山環境の保全の為には必要欠くことの出来ない要素であり、今後の具体的な保全策を考えるうえで必ず活かされてくるものだと思う。

今回の調査は、動植物11分野という多岐にわたる調査であった。雨や雪、真夏の暑さや、厳寒の沢の中での調査作業は、決して楽なものではなかったが、それだけに達成した喜びもまたひとしおである。何よりも調査を進める中で調査員各々が感じた疑問や、試行錯誤は、真摯な学習意欲を生み、自然に対して素人だった我々を立派なインタープリター<自然案内人>として育ててくれた。

また、今回の調査にかかわった延べ人数は400人を数えた。この山への市民の思いが如何に熱いものかを物語っている。こうした人のつながりは今後の当会の活動の大きな財産となってくれるものと確信する。

今回の調査の結果は当初の予想どおり、天覧山・多峯主山の持つ自然生態系の豊かさを証明してくれた。しかしいまだにこの山が開発の危機にさらされている事に、なんら代わりはない。この貴重な活動の結果を有効に活用し、かけがえのない天覧山・多峯主山の自然を次世代に残す事が我々の活動の真の目的である。そのために市民・行政・企業に対しての真剣な働きかけを今まで以上に行なっていく事が、助成活動を終え、天覧山・多峯主山への思いをいっそう深くした我々の、今後の課題である。

写真1 水棲生物調査風景

写真1 水棲生物調査風景

写真2 湿地性希少植物アギナシの確認作業

写真2 湿地性希少植物アギナシの確認作業

写真3 航空写真からの植生確認

写真3 航空写真からの植生確認

写真4 クモ類の夜間観察会 小さな子どもも参加

写真4 クモ類の夜間観察会 小さな子どもも参加