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糞中ホルモン、酵素およびDNAを用いたエゾヒグマの個体識別の試み

エゾヒグマ研究グループ

高橋芳幸1)・ 片桐成二1)・ 石川明子1)・ 佐藤喜和2)・ 松橋珠子3)

1) 北海道大学大学院獣医学研究科
  Graduate School of Veterinary Medicine, Hokkaido University
2) 東京大学大学院農学生命科学研究科
  Division of Agricultural and Life Sciences, Tokyo University
3) 北海道大学大学院地球環境科学研究科
  Graduate School of Environmental Earth Science, Hokkaido University

Identification of individuals with fecal steroids, enzymes and DNA in the Hokkaido brown bears (Ursus arctos yesoensis)

Hokkaido brown bear research group

Yoshiyuki Takahashi1), Seiji Katagiri1), Akiko Ishikawa1), Yoshikazu Sato2) and Tamako Matsuhashi3)

エゾヒグマの糞に含まれるホルモン、酵素およびDNAを用いて個体識別法を確立するため、飼育個体の糞を用いて基礎的研究を行った。まず、糞中ステロイドホルモン抽出条件の検討を含め酵素免疫測定法によるプロジェステロンおよびテストステロンの測定系を確立し、糞中濃度を測定した。その結果、2つのホルモンの測定値を組み合わせることにより、性別や年齢を判別できる可能性が示された。また糞からヒグマの個体識別に有効なマイクロサテライトDNA6座位を検出することができた。さらに、ヒグマの糞から細菌を分離・同定し、ヒグマの一般的な腸内細菌叢を明らかにできた。また、テレメトリー追跡個体から糞を採取するためヒグマの捕獲を試みた。本個体識別法の有効性を確認するためには、今後も引き続き調査地において捕獲を試み、野外の基礎データを採取するとともに、飼育個体の糞を用いてさらに基礎研究を継続する必要がある。

エゾヒグマ(Ursus arctos yesoensis)は、ヒグマの地理的亜種であり、北海道にのみ生息する貴重な野生動物であるが、一部地域では分布域の縮小と孤立化が進んでおり、具体的な保護管理の方策が求められている。本種の保護管理には各地域における個体群動向の推測が必要であり、地域個体群内の繁殖能力のある個体や今後繁殖可能な未成熟個体の生息数および分布状況を把握することが重要である。ヒグマの個体群動向や分布状況を把握するために、これまで捕獲−再捕獲法や聞き取り調査および痕跡調査による試みが行われてきた。しかし、これらの方法では個体に関する情報が乏しいため、地域個体群を構成する個体について性別や性成熟を推定することのできる新たな方法の開発が必要である。そこで我々は、野外で採取可能な糞に着目し、糞に含まれるホルモン、酵素およびDNAを用いた個体識別法を確立するため、のぼりべつクマ牧場にて飼育されているヒグマの糞を用いて基礎的研究を行った。

糞中ステロイドホルモンの測定

糞中ステロイドホルモン測定法を野生エゾヒグマの雄・雌および成獣・幼獣の推定に応用するため、まず2抗体法酵素免疫測定法によるプロジェステロンおよびテストステロン濃度測定系の確立を試みた。次に、飼育下エゾヒグマを用い、糞中プロジェステロンおよびテストステロン濃度測定において必要となる抽出条件を明らかにした。また、成獣雄、成獣雌および幼獣の糞中プロジェステロンおよびテストステロン濃度の月別変動を調べ、雄・雌および成獣・幼獣の推定の可能性を検討した。

(1)2抗体法酵素免疫測定法によるプロジェステロンおよびテストステロン濃度測定系の確立

まず、プロジェステロン-3-(O-カルボキシメチル)オキシムまたはテストステロン-3-(O-カルボキシメチル)オキシムにホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)を結合させ、標識プロジェステロンおよびテストステロン溶液を調整した。次に、第2抗体(ヤギ抗ウサギIgG)にて96ウェルアッセイプレートをコーティングし、測定に用いるまで4℃にて保存した。また、測定可能範囲が広く感度の高い測定系となるようHRP標識ホルモン溶液希釈率および抗プロジェステロン抗体溶液または抗テストステロン抗体溶液の希釈率を検討し、HRP標識プロジェステロン溶液を40,000倍、抗プロジェステロン抗体溶液を15,000倍、また、HRP標識テストステロン溶液は40,000倍、抗テストステロン抗体溶液は48,000倍に希釈して用いた。標準曲線は、緩衝液で2倍階段希釈して調整し、5.00〜2.44×10−3ng/mlの12種類の濃度の標準プロジェステロン溶液および標準テストステロン溶液を用いて作成した。本測定系はHRPとN,N,N-テトラメチルベンジジンとの酵素反応により生成物が発色することを利用したもので、反応溶液の吸光度を450nmで測定してホルモン濃度を算出した。標準曲線はコンピューターソフトウェアプログラムReader DriverおよびMicroplate Managerを用いて作成した。本測定系に用いた抗プロジェステロン抗体は、プレグネノロン、11-α-ヒドロキシプロジェステロン、11-α-ジヒドロプレステロン、17-α-ジヒドロキシプロジェステロン、17-α-ヒドロキシプロジェステロン、6-α-メチル-17-α-ヒドロキシプロジェステロン、プレドニゾロン、アンドロステン3,17ジオン、ジヒドロテストステロン、β-ヒドロキシ-Δ4-プレグネン,3オンに対し、それぞれ20、2、2、1.8、1.5、1.5、1、0.3、0.3および0.25%の交差反応が報告されている。また、抗テストステロン抗体は、ジヒドロテストステロンおよびエピテストステロンについて100および2.1%の交差反応が報告されている。プロジェステロン標準曲線における測定可能範囲は、1.95×10−2〜1.25 ng/mlであった。また本測定系の測定内変動係数および測定間変動係数は、10.9(n=6)および16.4%(n=7)であった。テストステロン標準曲線の測定可能範囲は、4.88×10−3〜1.56×10−1ng/mlであり、本測定系の測定内変動係数および測定間変動係数は、それぞれ8.1(n=6)および11.6%(n=7)であった。

(2)エゾヒグマの糞中ステロイドホルモン抽出条件の検討

のぼりべつクマ牧場(登別市、北海道)において飼育されている成獣雄、成獣雌および3歳以下の雌雄(幼獣)の糞を試験に供した。排便後直ちに糞を採取して混和し、ドライアイス上にのせて凍結した。凍結した糞はステロイドホルモン抽出まで-40℃で保存した。糞の乾燥時間を決定するため、任意に選択した6頭の糞をオーブンにより100℃で加熱しながら重量を経時的に測定し、完全に乾燥する時間を調べた。その結果、100℃で180分間加熱することにより糞を完全に乾燥できることが分かった。乾燥後、粉砕した糞0.25gを遠心管に取り、蒸留水を加えて振盪した後ジエチルエーテルを加えてさらに振盪した。次に-80℃で水層を凍結させ、エーテル層のみを分取し、42℃の恒温水槽にてエーテルを蒸発乾固した。乾固後の遠沈管にエタノールを加えた溶液を糞中ステロイドホルモン測定用試料とした。測定用試料は、ステロイドホルモン濃度測定まで-40℃で保存した。プロジェステロン濃度測定においては、測定用試料は緩衝液にて適当に希釈し測定に用いた。測定用試料のプロジェステロンおよびテストステロン濃度は、作成した標準曲線から算出した。本抽出条件および測定条件での糞中プロジェステロンおよびテストステロンの回収率を明らかにするため、プロジェステロンおよびテストステロンを既知量添加した糞についてホルモン濃度を測定したところ、平均回収率は、それぞれ29.8±9.3および58.8±13.9%であった。

野生エゾヒグマに応用する際には、排泄から採糞までの時間が不明なことが予想されることから、水分の蒸発を考慮する必要のない乾燥重量あたりでステロイドホルモンの濃度を評価する方法は有効であると考えられた。また、プロジェステロンおよびテストステロンの回収率は他の哺乳類で報告されている回収率に比べて低かったが、糞中に添加した量に拘わらず、回収率はほぼ一定であったため、本抽出方法はエゾヒグマの糞中プロジェステロンおよびテストステロン濃度の測定に応用可能であると考えられた。

(3)糞中プロジェステロンおよびテストステロン濃度測定による性別および性成熟の推定

糞中ステロイドホルモン濃度の測定を雄・雌および成獣・幼獣の判別に応用するためには、雄・雌および成獣・幼獣それぞれにおけるステロイドホルモンの季節変動を知る必要がある。そこで、成獣雄、成獣雌および幼獣の糞中プロジェステロンおよびテストステロン濃度を測定し、月別変動を調べるとともに、雄・雌および成獣・幼獣の推定への応用を検討した。1997年12月〜1998年7月までの期間、成獣雄35頭(7〜25歳)、成獣雌17頭(4〜28歳)、幼獣雄7頭(2〜3歳)および幼獣雌7頭(2〜3歳)から、採取した糞を試験に供した。糞の採取は、成獣雄、成獣雌、幼獣について、原則として1カ月に1回の割合で行った。成獣雄、成獣雌および幼獣における糞中プロジェステロン濃度の月別変動は、図1に示した。成獣雌では12月に最も高値を示したが、1月以降は低下し続け、2月以降の濃度に有意な差は認められなかった。成獣雄では繁殖期にやや上昇する傾向がみられたが、7月には再び低下した。幼獣では3月から上昇しはじめ、4〜5月に成獣雌雄より高値を示したが、その後低下した。また、成獣雄および幼獣のプロジェステロン濃度は、それぞれ12〜3月および12〜2月の間、成獣雌と比較して有意に低い値を示した。

図1.ヒグマの糞中プロジェステロン濃度の月別変化 Fig. 1.  Monthly changes in fecal progesterone concentration of the bear.
図1.ヒグマの糞中プロジェステロン濃度の月別変化
Fig. 1. Monthly changes in fecal progesterone concentration of the bear.

成獣雄、成獣雌および幼獣における糞中テストステロン濃度の月別変動は、図2に示した。成獣雄では3月から上昇し始め、5月に最も高値を示したが、6月に急激に低下した。成獣雌では12月に低く、2月から上昇し始めて4月に高値を示したが、5月に低下した。幼獣では、2月から上昇し始め、3月および5月に高値を示し、その後低下した。また、成獣雌および幼獣のテストステロン濃度は、それぞれに4月を除く全ての月および3月を除く全ての月で、成獣雄と比較して有意に低い値を示した。この結果から、12月に採取した糞のプロジェステロン濃度が高値であれば、成獣雌と推定される。また、12月に採取した糞のプロジェステロン濃度が低値の場合、テストステロン濃度が高値であれば成獣雄、テストステロン濃度が低値であれば幼獣と推定される。一方、5月に採取した糞のテストステロン濃度が高値であれば、成獣雄と推定される。以上のことから、時期を限定することにより、糞中プロジェステロンおよびテストステロン濃度測定法は、雄・雌および成獣・幼獣を推定する手段になると考えられた。今後、現在検討中であるエストラジオールの測定系を確立して組み合わせれば、さらに信頼性の高い推定手段となると考えられる。また、糞中ステロイドホルモン濃度の変化に影響する食物の影響についても検討する必要がある。

図2.ヒグマの糞中テストステロン濃度の月別変化 Fig. 2.  Monthly changes in fecal testosterone concentration of the bear.
図2.ヒグマの糞中テストステロン濃度の月別変化
Fig. 2. Monthly changes in fecal testosterone concentration of the bear.

糞中DNAを用いた個体識別法

まず、糞中DNAの抽出に適した糞の保存方法を検討した。のぼりべつクマ牧場にて飼育されているヒグマ7頭から採取した糞を薬匙にて少量採取し、100%エタノール中にて4℃あるいはドライアイスを用いて-80℃にて保存した。100%エタノール中にて保存した糞については、エタノール溶液の上層および下層100μlを材料とし、プロテナーゼK、フェノールおよびクロロフォルムを含む溶液を用いて常法によりDNAを抽出した。-80℃にて保存した糞については約5×5×5mmの糞塊を材料とし、同様にDNAを抽出した。それぞれの抽出産物についてヒグマのDNAに特異的な領域を検出できるプライマー(G1Af-G1Ar)を用いて、PCR法にてヒグマDNAが回収出来ていることを確認した。その結果、100%エタノール中で保存した糞7検体中4検体でヒグマDNAのバンドが確認され、エタノール溶液の上層を用いた場合と下層を用いた場合とでは、DNAバンドの強さに明確な差はみられなかった。一方、-80℃で保存した糞についてはPCR反応の阻害がみられ、DNAバンドが確認されなかった。そこで1回目のPCR反応後、テンプレートの添加量を変えて再度PCRを行ったところ、反応の阻害はみられなくなりヒグマDNAのバンドが確認された。次に、PCR法に用いる適切なテンプレートDNA量の検討を行った。エタノール中で保存した糞のDNA抽出液を用い、テンプレートDNA量1、5、10および20μlに、20μlのPCR反応液(テンプレートを除く)を加えてPCR反応を行ったところ、テンプレートDNA量を増やすほどDNAバンドが安定して検出された。しかし、テンプレートDNA量が20μlに達すると、反応液に対するテンプレートDNA量の比率が不適となり、DNAバンドが得られなかった。最後に、白血球を用いた遺伝子学的研究においてヒグマで多様性のあることが確認され、個体識別に有効であるとされているマイクロサテライト8領域の検出を試みた。マイクロサテライト8領域の検出には、G1Af-G1Ar、G1Dr-G1Dr、G10Bf-G10Br、G10Cf-G10Cr、G10Lf-G10Lr、G10Mf-G10Mr、G10Pf-G10Pr、G10Xf-G10Xrの8種類のプライマーを用いた。現在までのところ、1検体において6領域での増幅が確認され、糞中DNAを用いた場合でもマイクロサテライトDNA分析が十分可能であることが示されている。今後は、マイクロサテライト領域を確実に増幅できる反応条件を検討するとともにMHC遺伝子座位の高多型マーカーについての検索も行い、より検出力の高い個体識別法を検討する予定である。

ヒグマの腸内細菌叢の検索

個体識別の指標となるような腸内細菌の酵素を決定する目的で、ヒグマの腸内細菌叢の検索を行った。のぼりべつクマ牧場の成獣雄のべ17個体、成獣雌のべ20個体、3歳以下の幼獣のべ17個体から採取した新鮮な糞を材料とした。糞を嫌気性希釈液にて10倍段階希釈し、希釈液を好気性菌の非選択培地である血液寒天培地および嫌気性菌の非選択培地であるEG寒天培地あるいはBL寒天培地に塗布し、37℃下でそれぞれ48時間の好気培養、72時間の嫌気培養を行った。培養後、各培地上の集落を形状、色および大きさなどの特徴により群分けした。それぞれの集落を単離し、好気性選択培地であるDHL寒天培地、TATAC寒天培地、PEES寒天培地あるいはP寒天培地、および嫌気性選択培地であるES寒天培地、BS寒天培地、FS寒天培地、変法LBS寒天培地、変法VS寒天培地、NBGT寒天培地、CW寒天培地、PO寒天培地あるいはPS寒天培地を用い、さらに培養した。好気性発育の有無、選択培地での発育パターン、集落の形状や色およびグラム染色により菌群を同定した。ヒグマの糞からはEnterobacteria、Enterococcus、Streptococcus、Staphylococcus、Corynebacterium、Lactobacillus、Bifidobacterium、Eubacterium、Veillonella、Bacteroidaceae、Clostridium、Fusobacterium、Peptococcusおよび酵母、Sarcinaが検出された(表1)。Enterobacteria、Enterococcus、Streptococcus、Staphylococcus、CorynebacteriumおよびLactobacillusは、成獣雄、成獣雌および幼獣のいずれからも高率に検出された。一方、BacteroidaceaeおよびBifidobacteriumは成獣雄および成獣雌に比べ、幼獣での検出率が低い傾向がみられた。また、糸状菌は成獣雌で検出率が低かった。本研究では、同じ飼養条件下のヒグマから糞を採取したため、個体による腸内細菌叢の明らかな違いは認められず、個体識別に有効な細菌由来の酵素を決定することはできなかった。しかし、ヒグマの一般的な腸内細菌叢を明らかにすることができ、年齢によって構成細菌が異なる傾向が見られた。今後、食性や生息環境の異なる野生個体の糞について細菌の同定を行い、個体識別に利用できる細菌由来酵素の組み合わせを検索する予定である。

表1.ヒグマから検出された腸内菌叢
Table 1. The microfloras of the bear.
表1.ヒグマから検出された腸内菌叢 Table 1. The microfloras of the bear.

野生標識個体への応用の検討

これまでに飼育個体の糞を用いて検討した糞中ステロイドホルモン測定法、マイクロサテライトDNA検出法および腸内細菌検索法が野外で採取した糞についても応用可能であるかどうかを確認するため、電波発信機を装着したテレメトリー追跡個体から糞を採取する目的でヒグマの捕獲を計画した。計画当初は東京大学農学部附属北海道演習林内で捕獲を行う予定であったが、1997年に環境庁からの捕獲許可が得られたにも関わらず演習林の協力が得られなかったため、やむなく調査地を浦幌地区道有林に変更した。1998年7月から同林内にヒグマ捕獲用檻を10基設置し、連日見回りを行っているが捕獲には至っていない。しかし、10基中6基の檻周囲にはヒグマの足跡などの痕跡が確認されており、また同林内でヒグマ糞を採取できたことから、本調査地において研究の遂行が可能であると考えている。来年度も捕獲用檻の監視を継続し、ヒグマが捕獲された場合には電波発信機を装着して放獣し、糞を採取する予定である。

まとめ

糞中ステロイドホルモン、DNAおよび細菌由来酵素を用いたエゾヒグマの個体識別法は、野生ヒグマの生息数や繁殖可能個体の割合などを推定する新たな方法であり、豊富な材料から信頼性の高い推定を行うことができる。本法を従来の痕跡調査や聞き取り調査および捕獲−再捕獲法と組み合わせることにより、地域個体群毎の生息実態を正確に把握し、個体群動態を予測する有効な手法となる。

本研究では、飼育個体の糞を用いて糞中ホルモンの抽出および測定条件を決定することができ、糞採取時期を限定すれば雌雄および成獣あるいは幼獣を推定できることが示された。また、個体識別に有効であるマイクロサテライト8座位を糞からも検出することができた。さらに、糞からの細菌の分離および同定を行うことによりヒグマの一般的な腸内細菌叢を明らかにすることができた。しかしながら、それぞれの手法の検討に用いた糞の数や採取個体が異なり、またそれぞれの手法自体の検討課題も残っているため、これらの結果を組み合わせて飼育個体の個体識別を行うには至らなかった。今後は、さらに飼育個体の糞を用いてそれぞれの手法について課題を検討するとともに、野外調査地のテレメトリー追跡個体から糞を採取し、採取した糞に本法が応用可能であるかどうかを確認する。

Summary

The Hokkaido brown bear is uniquely found in Hokkaido Island and the habitats of this animal is being restricted and fragmented. An accurate estimation of the population size and constitution of individuals with different sexes and sexual maturity is essential to develop an effective management program. In this regard, the present study was planed to establish an individual identification method with feces in Hokkaido brown bears by using DNA fingerprinting, fecal steroid hormone assays and detection of characteristic bacterial enzymes. In DNA fingerprinting, DNA extraction procedure and DNA regions and primer combinations for PCR for individual identification have been established by using feces of captive animals. Fecal progesterone and testosterone assays by EIA have been developed and fecal estradiol assay is being developed. It is likely that determination of fecal progesterone and testosterone concentrations in May or December may enable to defferenciate sexes and sexual maturity of individuals for given feces. We have also succeeded to demonstrate normal flora in Hokkaido brown bears and found a few differences in the pattern of normal floras by sex and age. At present, details of each method regarding a field application are being determined.

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