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ニホンウナギが絶滅危惧種としてIUCNレッドリストに掲載されたことについて、コメントを発表しました。

2014.06.12
解説

ニホンウナギのIUCNレッドリスト掲載に対するコメント(プレスリリースPDF/326KB)

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ニホンウナギのIUCNレッドリスト掲載に対するコメント

2014年6月12日
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

本日、ニホンウナギがIUCN(国際自然保護連合)のレッドリスト改訂版に掲載されました。
日本人になじみが深い生物種が絶滅の危機に瀕していることに深い悲しみを感じます。
ニホンウナギは、経済的価値が大きく、日本の食文化にも重要な役割を担っています。このままニホンウナギを失うことのないよう、わたしたちは、くらしや社会のしくみを考え直す必要があります。

ニホンウナギは養殖ウナギという言葉から、人間が育てているものと思いがちですが、その生態は未知の部分が多く、養殖ウナギも、稚魚を捕獲して大きくしているにすぎません。ニホンウナギをはじめ、わたしたちが食べている魚類や貝類の多くは、野生生物なのです。
自然界は、再生産を繰り返す巨大なシステムです。その再生産の循環を壊すことなく利用するのが賢い利用なのですが、ニホンウナギに関しては、循環の利子だけでなく、元本に手をつけてしまったのが今の状況です。漁獲の総量を管理し、管理された海産物を選択することが必要です。

ニホンウナギを絶滅の危機に追い詰めた原因には、ダム建設などによる川と海の分断もあります。ニホンウナギは、川を下って海で産卵し、稚魚は成長とともに川を遡上し、川と海を行き来してくらしています。ニホンウナギを絶滅させないためには、ニホンウナギがくらすことができる環境が必要です。川と海のつながりを取り戻すことが急務です。

種の絶滅は、ニホンウナギだけでなく多くの種に及んでいます。
今回、ニホンウナギをはじめ多数の種が新たにリストアップされました。1989年に日本自然保護協会とWWFジャパンが、日本で初めての維管束植物のレッドリストを発表して以来、絶滅危惧の生物種は増え続けています。このような事態を繰り返すのではなく、種を絶滅させない社会への転換が急務です。

以上


参考

日本自然保護協会WEBマガジン「しぜんもん」より

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