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【配布資料】今日からはじめる自然観察『「しも」をじっくり見てみよう』

2012.12.21
解説

ページ画像(アイキャッチ)

【今日からはじめる自然観察】「しも」をじっくりみてみよう(PDF/2.42MB)
<会報『自然保護』No.531(2013年1・2月号)より転載>
このページは、筆者に、教育用のコピー配布をご了解いただいております(商用利用不可)。
ダウンロードして、自然観察会などでご活用ください。

 
霜・霜柱・シモバシラ(植物)……「しも」のつく言葉から、冬の自然観察が楽しくなる情報を集めてみました。

岩槻秀明(自然科学系ライター・気象予報士)


霜を観察しやすい地形

霜は、空気中の水蒸気が冷やされて、草などに凍りついてできた氷の結晶です。最低気温が4℃以下になると、霜の降りる可能性があります。

歩きながら観察していると、真っ白になっている場所とそうでもない場所があり、霜の降り方にはムラがあるのに気が付きます。実は、「霜穴」や「霜道」と言って、地形の影響で特に霜ができやすい場所があるのです。冷たい空気は重いため、くぼ地や谷筋、高い堤防に囲まれた河川敷などにたまります。このような場所は周辺よりも気温が低くて霜も発達します。

霜の観察では、「全体を見る目」と「細部を見る目」の2つを持つと楽しくなります。「全体を見る目」では、例えば、霜に包まれた草花の表情や、霜で真っ白になった情景など、霜のある景色に着目します。

「細部を見る目」では、個々の霜の結晶に注目します。少し倍率の高い5~10倍のルーペで霜を見ると、さまざまな形の結晶があることに気が付きます。霜の結晶分類法には特に決まったものはありませんが、私は「針型」「杯型」「羽毛型」「角板型」「六花型」に大きく分類しています。「六花型」は、雪の結晶(六花)のように見える大きな平べったい霜で、出現条件が厳しくまれなものですが(※)、美しさは格別です。また、どれにも分類しにくい変わった形のものもあったりして、お宝探しのような気持ちになります。

探してみよういろんな霜の結晶の形

霜と名前がよく似たものに霜柱があります。名前は似ていますが、まったく別の現象で、土の中の水分が凍って多数の細長い氷が束のようになってでてきたものです。日陰や寒い場所では、日中も霜柱が解けず、夜になるとその下にさらに霜柱ができ、それを何度も繰り返して巨大な霜柱の塊になることもあります。

(※)私の経験上、六花型は、気温がとても低くて(ー5℃以下)、風が弱いとき、地面の近くにある枯れたヨシや小枝に付着していることが多い。

厄介でも美しい窓霜 山や川で見つけやすい樹霜


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