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普天間代替施建設計画の環境アセスと埋立承認申請手続きに関する日米政府の情報交換・共有についての要請

2014.02.10
要望・声明

 
普天間代替施建設計画の環境アセスと埋立承認申請手続きに関する日米政府の情報交換・共有についての要請(PDF/127KB)

 


2014年 2月 6日

沖縄防衛局
 局長 武田博史殿

沖縄・生物多様性市民ネットワーク
ヘリ基地いらない二見以北十区の会
北限のジュゴン調査チーム・ザン
沖縄環境ネットワーク
ジュゴン保護キャンペーンセンター
ジュゴンネットワーク沖縄
ヘリパッドいらない住民の会
沖縄のための日米市民ネットワーク
沖縄リーフチェック研究会
憲法9 条メッセージプロジェクト沖縄
(公財)日本自然保護協会
(公財)世界自然保護基金ジャパン

 

普天間代替施建設計画の環境アセスと埋立承認申請手続きに関する日米政府の情報交換・共有についての要請

 
日米両政府は、生物多様性の豊かな辺野古・大浦湾を埋立て新たな米軍基地を建設する計画を、沖縄県民の反対の声を無視して強行しようとしています。沖縄防衛局は、環境アセスの手続きを終え、埋立承認申請書を沖縄県に提出し、現在、沖縄県による埋立申請承認の審査が行われています。

環境アセスと埋立申請手続きの過程を通して、生活環境や自然環境の保全に関わる様々な問題が露呈されましたが、その状況を日本政府は、米国政府に対してどのように説明しているのか、また米国側がどのような反応を示しているか非常に不透明であり、私たちは大きな疑問と懸念を抱いています。

環境アセスでは、1)同計画が沖縄の自然環境と人々の生活環境に多大なる影響を与える、2)沖縄防衛局の保全措置では自然環境と生活環境の保全は不可能である、との見解が評価書に対する「知事意見」の中で示されました。

埋立承認申請の手続きでは、県外からの多量の埋立土砂の搬入やそれに伴う外来種侵入の可能性、ジュゴンの食跡が基地建設予定地に隣接して発見等、新たな問題が指摘されましたが、それらの問題に対しても沖縄防衛局は何ら実質的な対応策を示せていない状態が続いています。

これまで日本政府が米国国防総省に提供してきた情報は、私たちが把握する限り、米国の「ジュゴン訴訟」を通して提出された環境アセスの「方法書」からの抜粋(翻訳)と、環境アセスの補正評価書の概要として2013 年2 月26 日に提出された「Futenma Replacement Facility Construction Project: ABSTRACT」です。

私たちはこれらの文書を検証しましたが、文書は「方法書」や「補正評価書」の一部の抜粋でしかなく、知事意見等で指摘された自然環境や生活環境の保全に関わる問題は勿論、辺野古・大浦湾の環境の現状さえも、十分かつ正確に伝えるものではありません。

米国において、行政機関である政府は、辺野古・大浦湾における基地建設計画を推進していますが、立法機関である連邦議会は、この計画の実効性を疑問視し、関連予算を凍結し続けました。また司法機関である北カルフォルニア連邦地裁は、「ジュゴン訴訟」において、基地建設を進める国防総省は米国の国家歴史保存法に違反していると判決し、法を遵守するように命令しています。さらに、米国政府の独立機関である海洋哺乳類委員会は2009 年の年次報告書で、ジュゴン保護の視点から、米軍が日本の環境アセスをどのように評価したかについて検証し、コメントするとしています。

今、日米両政府に求められていることは、同基地建設が沖縄の人々の生活環境や、自然環境に多大な影響を与えるものであること、そしてこの計画が強行されれば日米関係にも大きな禍根を残すということ、を理解することです。その為にも、日米両政府間での、環境アセスと埋立承認申請の手続きとその内容についての十分かつ正確な情報の交換と共有が必要です。以上を踏まえて、以下要請します。

  1. 「環境アセス」について、日本政府から米国政府へ提出された文書は「方法書」の一部抜粋部分の翻訳と「Futenma Replacement Facility Construction Project: ABSTRACT」以外にもありますか。もしあれば公開して下さい。
  2. 『Futenma Replacement Facility Construction Project: ABSTRACT』は、辺野古・大浦湾の自然環境と生活環境の現状と、沖縄県, NGO、専門家が指摘してきた自然環境や生活環境の保全に関する問題について、十分かつ正確に伝えていると考えますか。見解を示して下さい。
  3. 『Futenma Replacement Facility Construction Project: ABSTRACT』についての米国政府からの反応はありましたか。もしあれば公開して下さい。
  4. 「埋立承認申請」の手続きにおける自然環境と生活環境の保全に関する内容について、日本政府から米国政府に提出された文書はありますか。もしあれば公開して下さい。
  5. 「埋立承認申請」の手続きでは、2012 年6 月にジュゴンの食跡が基地建設予定地に接する地点で確認されたこと、埋立土砂がジュゴンの餌場近くにある嘉陽の海岸から採取されること、県外から埋立土砂を大量に搬入するのに伴い「外来種」の問題があることなど新たな問題が露呈しましたが、その問題を米国側に伝えていますか。もし伝えているのならば、それを示す文書・資料を公開して下さい。
  6. 「埋立申請承認」の手続きについて、米国政府からは、なんらかの反応がありましたか。もしあれば公開して下さい。
  7. 環境アセスと埋立申請承認手続きの内容について、米国政府と十分かつ正確な情報の交換と共有を行い、公開して下さい。

以上

 


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