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日本自然保護協会に集まった意見書、787通をお届けします。

2013.07.19
要望・声明

日本自然保護協会に集まった意見書、787通をお届けします。(PDF/145KB)


2013年7月18日

沖縄県知事 仲井真弘多 殿

公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

 

日本自然保護協会に集まった意見書、787通をお届けします。

はじめに、寄せられた意見の一部をご紹介します。

「将来子供を連れて行きたいので、美しい自然をそのまま残してください」、「豊かな自然があるから沖縄に行きたいと思うのです。海が埋め立てられたらもう行きたい場所ではなくなってしまいます」、「辺野古・大浦湾の自然は沖縄だけでなく、人類の宝です」、「世界自然遺産に登録されるべきものです」、「いつまでもジュゴンが泳ぐ豊かな海を残してください」「埋め立て申請の取り下げをお願いします」、「一度壊された自然を元に戻すことはできません」などの意見が多く見られました。いずれも貴重な意見です。

 

1)利害関係者の意見の集約・対応とその公開について

上記の他に、多くの利害関係者から意見が届きます。それらの意見については、その集約・整理を行い公開すべきです。そのように透明性を確保したうえで、公有水面埋立承認申請の判断に反映させていただくようお願いいたします。

 

2)埋め立て土砂に関する問題点について

公有水面埋立承認申請書には、埋め立てに必要な土砂約2,100万立方メートルのうち、約1,700万立方メートルは購入すると書かれています。購入する土砂の調達予定地は明記されていますが、各場所の調達量は明記されていません。また、県外からの調達量も明記されていません。

いずれにしても大量であることは予測され、沖縄県にとってこのような分量の土砂を県外から持ち込むことは前例がないことです。これに関して大きな問題点が二点あります。

一点目は土砂に伴って混入する可能性のある生物等に対する対策が書かれていないことです。二点目には、購入土砂に関する有害物質について調査結果または検査の方法と体制が示されていないことです。

さらには米軍キャンプ・シュワブの陸上部や辺野古ダム周辺の山土についても採取地点の偏りや分析方法に関する問題点について専門家の指摘にこたえておらず、名護市からの同意が必要な部分についても得られていない状態です。

沖縄の自然は脆弱な島嶼生態系であり、他地域から移入される生物や物質に対しては、他の地域よりも強い規制が必要です。沖縄の貴重な自然の価値が認められ、世界自然遺産登録を目指しているなかで、慎重な対応が求められています。

 

3)海砂採取地および沖縄島北部の土砂搬入ルートについて

沖縄島周辺海域の海砂の採取地と土砂搬入ルートについては、環境影響評価時に公表されておらず、公有水面埋立承認申請書で明らかになりました。海砂採取地点6か所のうち4か所は沖縄島北部に位置し、ジュゴンの回遊ルートと重なり、ジュゴンが餌場としている海草藻場付近の海域も含まれています。

各地点での調達量は示されていないものの、大量の海砂を採取することが海草藻場に与える影響は計り知れません。また土砂の搬入ルートについても、船の航行や船が出す音がジュゴンに与える影響は予測できません。

環境影響評価の時点では明らかになっていなかった情報が判明したのですから、改めてこれらの事項がジュゴンに与える影響を予測し直さなければなりません。絶滅危惧種であり国の天然記念物であるジュゴンやその生息環境が脅かされることがあってはなりません。今回の公有水面埋立承認申請書に新たに記載されたこの計画を含めて、再度、沖縄島北部の環境影響評価を行うべきです。

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