人と自然の「ふれあい調査」を普及し、地域づくりの現場に活用する。
ありふれた自然だけれどかけがえのない場所、いつまでもそこにあってほしい思い出の場所やふるさとの風景、そんな場所への思いを誰しもココロの片隅に持っているのではないでしょうか。 これまで、開発計画に対する自然保護というと、守るべき対象となる自然の科学的価値だけが取り上げられ、レッドデータブックに載っている希少な生物がいるかどうかが話題の中心でした。 「市民参加のふれあい調査」は、自然の科学的なデータに加え、地域の人たちの土地の自然に対する思いや、幅広いかかわりをも明らかにして、地域の自然の保護と利用を議論し考えるときの基礎資料とすることを目指しています。
この活動に興味がわいたら
『人と自然のふれあい調査はんどぶっく』を発行しています。「ふれあい調査」の目的や方法がわかりやすくまとめられたこのハンドブックは、
日本自然保護協会オンラインSHOP「しぜんもん」
よりお買い求めいただけます。
環境影響評価法でも評価項目になった「人と自然の豊かな触れ合い」

NACS-Jでは、この環境庁の調査と1999年に独自に実施した「自然しらべ’99里やま」の結果をもとに、「人と自然との豊かな触れ合い」が環境アセスメントでも適切に評価され、ふれあい活動の場となっている身近な自然の保全が図られるために、自然観察会や里やま管理など自然保護・環境保全を目的としたふれあい活動が行われている里やま自然の重要性、保全の必要性をアピールしてきました。
大切にしたい場所を残していくためのアピール
ふれあい調査の手法はNACS-Jの生物多様性の道プロジェクトでの生物多様性・生態系サービスモニタリングにも活かされ、日本全国で市民の手による自然環境保全活動の実態把握と保全のアピールにつなげていきます。
広がる里やまでの保全活動の情報を幅広く収集
2006年7月から三井物産環境基金の助成を受け、『市民参加の「人と自然とのかかわり調査」手法の開発とデータベース構築』のプロジェクトがスタートしました。このプロジェクトでは、
・市民参加のふれあい調査手法の確立
・GISを活用したふれあいデータベースの構築
・ふれあい情報の共有及び合意形成手法の検討
を目指し調査研究を行いました。
2008年には「第二次 里やまにおけるふれあい活動調査」を実施しています。 この調査では、里やまでの保全活動を進めているみなさまの活動と活動場所の最新の状況についてお聞きし、その結果をWebを活用した情報システムで広く一般に紹介し、保全をアピールすることを目指しています。