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普天間飛行場代替施設建設事業の工事一時停止と環境調査の実施に関する要望書を提出しました

2020.08.21
要望・声明

辺野古での工事(事業名称:普天間飛行場代替施設建設事業)は6月12日より再開されましたが、その後、軟弱地盤の存在が判明し、地盤改良工事に大量の砂が必要であるということが分かりました。
2019年10月には、辺野古・大浦湾一帯はホープスポット(Hope Spot:希望の海)に認定されました。そして、世界的にも認められたこの自然を守るために、24,235名もの市民から、日本政府に対し工事の一時停止と環境調査の実施を求める署名が集まりました。このような状況を受けて、日本自然保護協会では日本政府に工事の一時停止と環境影響評価の再度実施を求めました。

普天間飛行場代替施設建設事業の工事一時停止と環境調査の実施に関する要望書(PDF/179KB)


2020年8月21日

内閣総理大臣   安倍 晋三 様
内閣官房長官   菅  義偉 様
防衛大臣     河野 太郎 様
環境大臣     小泉進次郎 様
農林水産大臣   江藤 拓  様
沖縄・北方担当大臣 衛藤 晟一 様
沖縄防衛局長   田中 利則 様

公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

普天間飛行場代替施設建設事業の工事一時停止と環境調査の実施に関する要望書

日本自然保護協会は、沖縄県内外の環境保護団体(文末に記す13団体)と連携して、沖縄の生物多様性豊かな自然環境の保全に取り組んでいる立場から、以下の理由にもとづいて普天間飛行場代替施設建設事業の工事の一時停止と環境調査の実施を要望します。

この事業では、環境影響評価後に、事業を実施する海域で新種や日本初記録種の生物の発見、サンゴ礫が付着して成長する珍しい長島の鍾乳洞などの数々の新たな発見があり(日本自然保護協会、2014)、日本生態学会をはじめとする19学会から日本政府あて「著しく高い生物多様性を擁する沖縄県大浦湾の環境保全を求める19学会合同要望書」(2014)が出されています。

また、最近になり、軟弱地盤の存在が判明し、地盤改良工事に大量の砂が必要であるということが分かりました。砂の不足は世界中で問題となり、気候変動で更なる不足が予測されています。埋立て土砂についても、宮城島、糸満、さらに南大東島、宮古島、石垣島等、県内全域から調達すると報道されています(2020.7.29 琉球新報)。砂や埋立て土砂の調達先については環境影響評価が必要です。

さらに、今年になり工事現場付近においてジュゴンの声である可能性が高いと専門家が判断した音の記録もありました。人工物の音の可能性もあり調査中とのことですが、これについても工事を一時停止し、第三者的立場の専門家もまじえた徹底した調査を行う必要があります。

2019年10月には、米国のNGOミッションブルーにより、辺野古・大浦湾一帯がホープスポット(Hope Spot:希望の海)に認定されました。対象の範囲は、辺野古・大浦湾を中心にした天仁屋から松田までの44.5平方キロメートルの海域です。この認定により、辺野古・大浦湾の生物多様性やそれを育む地形の豊かさが改めて世界的に認められました。

これらの事実を受けて24,235名の市民が、日本政府に工事を一時停止し環境調査を再度実施することを望む署名をしています(インターネット19,626名、紙媒体4,609名。2020年2月末日)。

日本の財産である生物多様性豊かな辺野古・大浦湾の自然を守ることは日本政府にとっても重要なことであると考えます。工事の一時停止と環境調査の実施をしていただくようお願いいたします。

環境保護団体:
じゅごんの里
ジュゴン保護キャンペーンセンター
北限のジュゴン調査チーム・ザン
ジュゴンネットワーク沖縄
ヘリ基地いらない二見以北十区の会
ヘリ基地反対協議会
ダイビングチーム・レインボー
海の生き物を守る会
沖縄環境ネットワーク
ラムサール・ネットワーク日本
認定特定非営利活動法人 国際環境NGO FoE Japan
美ら海にもやんばるにも基地はいらない市民の会
辺野古・高江を守ろう!NGOネットワーク

資料:
辺野古/環境アセス後に判明した新たな事実を発表します(日本自然保護協会、2014)
https://www.nacsj.or.jp/archive/2014/07/523/
「著しく高い生物多様性を擁する沖縄県大浦湾の環境保全を求める19学会合同要望書」(19学会、2014)
https://www.esj.ne.jp/esj/Activity/2014Ohura.pdf

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