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2019.08.26

「沖縄県希少野生動植物保護条例(仮称)」(案)の制定に対する意見を提出しました

生き物を守るために「種の保存法」がありますが、地域の特性や事情に対応できるよう条令を作って取り組んでいる県が多数あります。

固有種が多く、日本の生物多様性の重要な地域である沖縄県も希少野生動物を保護するための条例づくりがようやく始まり、その案に対し、日本自然保護協会も意見を送りました。
(参考)「沖縄県希少野生動植物保護条例(仮称)」(案)の制定に対する意見の募集について(沖縄県)


2019年7月29日

沖縄県環境部(自然保護課)御中

「沖縄県希少野生動植物保護条例(仮称)」(案)の制定に対する意見

公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

第1条(目的)
本県は、他府県に比べて固有種が多く離島が多いことから、いったん地域絶滅が起こった場合、遺伝子の固有性などを考えると保護増殖に取り組んだとしても、元の状況を取り戻すことはたいへん困難になる。県内からの種の絶滅を回避するには、まず地域絶滅を回避することを目標に掲げることが重要と考える。
第3条(県の責務)に県が希少種の状況を把握することになっているが、昨年改訂された県のレッドリストは1997年に作成されて以降、ようやく3回目の見直しが行われたように、多くの種があり、それが島ごとに分かれている本県では、全体を把握することは容易ではない。
国では、指定希少野生動植物種の選定にあたり、市民からの提案を受け付けている。本県でも、このような市民提案制度を組み込むことを提案する。
(参考)提案制度の意義と役割、「国内希少野生動植物種の指定の提案書」作成のポイント

また、希少種の状況把握については、沖縄県のレッドリストにはサンゴ類が含まれていない。
環境省のレッドリストにはすでに含まれており、そのほとんどが県内に生息している種であることを考えると、追加で早急に検討し、指定希少野生動植物種の対象に加えるべきである。
第2章 第8条 3項
希少野生動植物種の案について公衆への縦覧が14日間とあるが、沖縄県民のインターネット環境等を考慮すると短いと考えられる。大切なことであるので1か月程度に延長をお願いしたい。
また生息地等保護区、保護増殖事業、指定外来種についても案ができた段階で公衆への縦覧をすることが望ましい。
第2節

第17条(生息地等保護区)知事は、指定をし、又はその変更をしようとする場合において、あらかじめ、国の関係地方行政機関の長に協議するとともに、審議会及び関係市町村の長の意見を聴かなければならない。
第19条(立ち入り制限地区)知事は(中略)国の関係地方行政機関の長に協議しなければならない。

とあり、国の関係地方行政機関の長との協議が必要とある。他府県の希少種保護条例では、このような記述はみられないこと、条令による県内での指定では県の主体性が尊重されてよいと思われることから、この部分は削除すべきと考える。

第4章 第18条 4に木竹の伐採などについての規制がある。沖縄にとっては海岸林、マングローブ林、亜熱帯林も重要であるので、木竹にはこれらを含むことを明記すること。

(参考)沖縄タイムス7月28日「オーシャンビュー」の陰で…消えた海岸の保安林 開発進む沖縄、違法伐採が増
第4章 第18条
水位や水量の増減への言及があるが、水質の変化についても項目を設けるべきである。
第6章 外来種に対する施策について
概要資料に、外来種の法的規制が不十分のため、本条令でその補完をするとある。しかし、本条令案では、指定外来種の対策は、飼養・栽培・保管のみを対象にしている。本県は、固有種の多さから、県外からの人・物資の移動など、多くの機会が外来種の持ち込み危機につながっていることから、開発や観光を含め、日常的な物資の移動についても施策の対象にするべきである。

また、概要の説明に、環境の悪化は、法整備が進展し、意識も向上しているとあるが、全国的にみると、本県の環境の悪化は改善されているとはとても言えない状況と考える。前に挙げた外来種は、開発によってもたらされる脅威もある。本条令の制定と合わせて、アセス条例で本条令の指定種への影響をさらに回避を求めるなどの対処をしなければ開発による種の絶滅は続くことになる。
第9章 罰則について
概要資料に、捕獲・採取の法的規制が不十分とある。罰金の額は、他県の条例の最高額と同等額と思われるが、固有種の多さを勘案し、抑止力を高めるためには、罰金はさらに高額にしてもよいのではないかと考える。

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