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沖縄・辺野古 大浦湾の保全

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2019.03.27

沖縄市中城湾港における不発弾爆破処理作業に対する要望書を出しました

2019年3月28日に沖縄市中城湾港で不発弾爆破処理作業が予定されています。

中城湾港(新港地区)不発弾爆破処理作業のお知らせ(沖縄市ウェブサイト)(※2019年3月29日時点で当該ページは削除されています。)

水中で生活する哺乳類にとって、騒音はとても深刻な影響があるため、近くの海域を利用している可能性もあるジュゴンへの配慮が必要です。

昨年に続き、沖縄県知事と沖縄市長あてに、ジュゴンをはじめとする生物多様性を保全する立場から、他の方法を検討することなど2点を要望しました。
沖縄県知事宛
沖縄市中城湾港における不発弾爆破処理作業に対する要望書(PDF/170KB)

 

沖縄市長宛
沖縄市中城湾港における不発弾爆破処理作業に対する要望書(PDF/167KB)

 

※ 不発弾処理に対する意見書は2018年にも同様に提出しています。

 

 

沖縄県知事宛

2019年3月26日

沖縄県知事 玉城デニー 殿

北限のジュゴン調査チーム・ザン
代表 鈴木 雅子

ジュゴンネットワーク沖縄
事務局長 細川 太郎

泡瀬干潟を守る連絡会
共同代表 小橋川 共男
漆谷 克秀

公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

沖縄市中城湾港における不発弾爆破処理作業に対する要望書

今月28日に、沖縄市中城湾港(新港地区)において不発弾爆破処理作業が予定されている。私たち環境団体はジュゴンをはじめとする生物多様性を保全する立場から、水中での不発弾爆破処理の海生生物への影響の危険性を認識し、他の方法を検討することを要望する。理由としては以下の二つが挙げられる。

第一に、絶滅危惧種ⅠA類(環境省)であり国の天然記念物に指定されているジュゴンに対する影響が懸念される。
ジュゴンは日本における生息数の少ない哺乳動物である。3頭のジュゴン(沖縄防衛局、2009)の保全は喫緊の課題であるにも関わらず、先週1頭の死亡が確認された。

今回爆破処理が予定されている海域の近くでは、勝連崎南で2011年1月にジュゴン1頭が確認されている(図)。また、伊計島近海を、個体Cと名付けられた個体が利用した記録がある(「シュワブ水域調査報告書」沖縄防衛局、2015)。個体Cは2015年以降は大浦湾を利用していないことから(沖縄防衛局、ジュゴン監視等業務およびシュワブ水域調査報告書)、音に敏感なジュゴンが大浦湾の利用を停止し、再び南下している可能性がある。また嘉陽の藻場を20年間以上利用し続けてきた個体Aも、沖縄島北部で生息の確認ができていない。ジュゴンは沖縄島周辺を移動することが知られており、不発弾爆破処理が予定されている場所の近くにジュゴンがいる可能性がある。

水中における音の伝達は空気中に比べて高く、数キロメートル離れた場所の爆破音が聞こえることが知られていることから、ジュゴンの保全をすすめるためには、騒音の影響を考慮することが重要である。水中の騒音は多くの生物に影響を与えるが、なかでも哺乳類は特に騒音に敏感であることが知られている。移動性の野生動物種の保護に関する条約(ボン条約)締約国会議においては海洋の騒音問題が議題にあがり、海中騒音による海棲哺乳類の音響コミュニケーションの阻害について問題提起がなされたこともある(2008年)。

ジュゴンについての研究(溝端、2014)では、ジュゴンは騒音下では発声を調節することが示唆されている。騒音下でも相手とコミュニケーションがとれるよう音量を上げるなどの発声調節を行うが、これは個体のエネルギー消費を増加させ、鳴音の通信範囲を狭めてコミュニケーション機会を減少させる可能性がある(溝端、2014)。これらは将来的に個体の適応度低下、さらには個体数が減少する可能性がある。

第二に、水中の騒音がサンゴ礁の生物に与える影響である。多くの動物は、個体間コミュニケーション、採餌、捕食者の回避などに音を利用する。特に個体間コミュニケーションにおいて音は重要な役割を果たしており、人工的な水中騒音は、哺乳類はもちろんのこと、幼魚や無脊椎動物にも影響を及ぼすことが明らかにされており(Williams et.al 2015)、世界中で問題になっている。

先日19日、玉城知事は面会した安倍総理に対して「ジュゴン一頭が死骸で見つかり死亡原因究明のためにも土砂搬入をやめ、約一ヶ月は話し合いの時間がほしい」と話している。その沖縄県がジュゴンへの安全性が確認されていない方法で、今回の海中不発弾処理を認めることは整合性に欠ける。沖縄島周辺のサンゴ礁は大規模な白化現象、赤土流入、埋め立てなどにより大きなダメージを受けている。沖縄県には沖縄の財産であるサンゴ礁生態系を大切にしていただきたく、特にその一員である希少なジュゴンについては特別の配慮をお願いしたい。

以上のことから、つぎのことを要望する

  1. ジュゴン保護の観点から、3月28日に予定されている不発弾処理の日程を遅らせ、場所や方法について再検討いただきたい。
  2. 今後の沖縄県内の不発弾処理の方法について、再検討いただきたい。

以上

参考資料

ジュゴンネットワーク沖縄(2011)ジュゴン目視位置図(座礁・混獲・謎入を含む)(400KB)


沖縄市長宛

2019年3月26日

沖縄市長 桑江朝千夫  殿

北限のジュゴン調査チーム・ザン
代表 鈴木 雅子

ジュゴンネットワーク沖縄
事務局長 細川 太郎

泡瀬干潟を守る連絡会
共同代表 小橋川 共男
漆谷 克秀

公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

沖縄市中城湾港における不発弾爆破処理作業に対する要望書

今月28日に、沖縄市中城湾港(新港地区)において不発弾爆破処理作業が予定されている。私たち環境団体はジュゴンをはじめとする生物多様性を保全する立場から、水中での不発弾爆破処理の海生生物への影響の危険性を認識し、他の方法を検討することを要望する。理由としては以下の二つが挙げられる。
第一に、絶滅危惧種ⅠA類(環境省)であり国の天然記念物に指定されているジュゴンに対する影響が懸念される。ジュゴンは日本における生息数の少ない哺乳動物である。3頭のジュゴン(沖縄防衛局、2009)の保全は喫緊の課題であるにも関わらず、先週1頭の死亡が確認された。

今回爆破処理が予定されている海域の近くでは、勝連崎南で2011年1月にジュゴン1頭が確認されている(図)。また、伊計島近海を、個体Cと名付けられた個体が利用した記録がある(「シュワブ水域調査報告書」沖縄防衛局、2015)。個体Cは2015年以降は大浦湾を利用していないことから(沖縄防衛局、ジュゴン監視等業務およびシュワブ水域調査報告書)、音に敏感なジュゴンが大浦湾の利用を停止し、再び南下している可能性がある。また嘉陽の藻場を20年間以上利用し続けてきた個体Aも、沖縄島北部で生息の確認ができていない。ジュゴンは沖縄島周辺を移動することが知られており、不発弾爆破処理が予定されている場所の近くにジュゴンがいる可能性がある。

水中における音の伝達は空気中に比べて高く、数キロメートル離れた場所の爆破音が聞こえることが知られていることから、ジュゴンの保全をすすめるためには、騒音の影響を考慮することが重要である。水中の騒音は多くの生物に影響を与えるが、なかでも哺乳類は特に騒音に敏感であることが知られている。移動性の野生動物種の保護に関する条約(
ボン条約)締約国会議においては海洋の騒音問題が議題にあがり、海中騒音による海棲哺乳類の音響コミュニケーションの阻害について問題提起がなされたこともある(2008年)。ジュゴンについての研究(溝端、2014)では、ジュゴンは騒音下では発声を調節することが示唆されている。騒音下でも相手とコミュニケーションがとれるよう音量を上げる
などの発声調節を行うが、これは個体のエネルギー消費を増加させ、鳴音の通信範囲を狭めてコミュニケーション機会を減少させる可能性がある(溝端、2014)。これらは将来的に個体の適応度低下、さらには個体数が減少する可能性がある。

第二に、水中の騒音がサンゴ礁の生物に与える影響である。多くの動物は、個体間コミュニケーション、採餌、捕食者の回避などに音を利用する。特に個体間コミュニケーションにおいて音は重要な役割を果たしており、人工的な水中騒音は、哺乳類はもちろんのこと、幼魚や無脊椎動物にも影響を及ぼすことが明らかにされており(Williams et.al 2015)、世界中で問題になっている。沖縄島周辺のサンゴ礁は大規模な白化現象、赤土流入、埋め立てなどにより大きなダメージを受けている。沖縄市には沖縄の財産であるサンゴ礁生態系を大切にしていただきたく、特にその一員である希少なジュゴンについては特別の配慮をお願いしたい。

以上のことから、つぎのことを要望する

  1. ジュゴン保護の観点から、3月28日に予定されている不発弾処理の日程を遅らせ、場所や方法について再検討いただきたい。
  2. 今後の沖縄市内の不発弾処理の方法について、再検討いただきたい。

以上

参考資料

ジュゴンネットワーク沖縄(2011)ジュゴン目視位置図(座礁・混獲・謎入を含む)(400KB)

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