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沖縄・辺野古 大浦湾の保全

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2018.08.20

沖縄県の謝花氏(知事職務代理者)に埋立承認撤回の要望を出しました

辺野古の貴重な海草藻場への影響をこれ以上広げないためには、埋立工事をただちに停止させることが必要です。

沖縄県は、埋立承認を撤回する手続きを始めていましたが、翁長知事の逝去に伴い、撤回は知事選挙以降とする可能性が報じられています。

日本自然保護協会は、埋立承認の撤回をすみやかに行うよう、沖縄県知事職務代理者の謝花喜一郎氏に要望書を送りました。

20180820_普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認の撤回についての再度の要望(116KB)


30日自然第38号
2018年8月20日

沖縄県知事職務代理者 謝花 喜一郎 様

公益財団法人 日本自然保護協会
理事長  亀山 章

 

普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認の撤回についての再度の要望

米軍普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認を撤回する時期が沖縄県知事選挙以降になる可能性について報じられています。日本自然保護協会は、生物多様性豊かな自然環境の保全に取り組んでいる立場から、事業実施地の現状を伝え、以下の事項を要望します。

日本政府は、沖縄島周辺における最大の規模の海草藻場において護岸工事を進め、2か所の海草藻場を護岸で囲み、10月にも土砂投入ができるよう準備を整えていると報じられています。この海草藻場には環境省のレッドデータブックに準絶滅危惧種として記載されている7種の海草があり、「沖縄の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)」に掲載された中の海草や藻類など29種が含まれています(7月14日琉球新報)。海草については移植・造成が保全措置としてあげられているものの、事業者は移植は行わず造成のみを行う意向であると言われています(参議院外交防衛委員会、伊波洋一氏の質問に対する政府答弁(6月28日))。希少な海草や海藻の生育が確認されたにもかかわらず、沖縄防衛局はその遺伝子を保存しようという試みさえしていません。そのためこれらの工事が進められれば取り返しのつかない海草藻場の喪失となります。

2014年の夏にジュゴンの個体Cが好んで利用していた大浦湾西部に位置する海草藻場はK9護岸の建設により失われました。沖縄のジュゴン個体群を支えるためには、現在K4などの護岸工事が展開されているキャンプ・シュワブ南側の海草藻場を保全することがよりいっそう重要な意味を持つようになっています。

これまで日本自然保護協会が指摘してきたように、護岸工事等の影響は直接の改変地に及ぶだけではなく、潮流の変化などにつながり、周辺にも広く及ぶことが予測されます(日本自然保護協会、2013)。すでに地理学者による目視視察では、2018年3月の時点で底質環境の変化が見られ、地元団体やメディアによるドローンの映像からは護岸工事が海草藻場に影響を与えていることがわかります。

同事業に伴う環境保全措置として、底生生物の移動やサンゴ類の移植など環境に対して不可逆的な改変がなされています。また、同事業に用いる石材の積み出しと搬入が西海岸から海上にて行われていますが、このルートはジュゴンが移動や餌場に用いている場所の至近距離に位置します。さらには、コンクリートブロックが300個近く沈められており、泥場や砂場に棲む生物への影響や地形・海流への影響も懸念されます。

このまま工事が進められることにより、環境への影響が甚大となることは明確です。これらの行為に対し警鐘を鳴らさない環境監視等委員会は、公有水面埋め立て承認の留意事項として附された環境保全の条件として機能していないことは明白です。

今年は国際サンゴ礁年であり、国際的にサンゴ礁保全の気運が高まっています。気候変動によるサンゴ礁への影響は沖縄島周辺にも及んでいます。国際社会にふさわしい保全ができるよう、沖縄県には沖縄の大切な財産である辺野古・大浦湾のサンゴ礁を大切していただきたいと強く願っています。そのためには工事をただちに停止させることが必要であり、公有水面埋立承認の速やかな撤回を要望します。

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