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2016.03.02

東北自然保護の集いが福島で開催されました。

icon_watanabe.jpg 編集室の渡辺です。

 

毎年、東北地方で自然保護活動などを行っている方々が集まって、東北地方の自然保護問題などを議論する「東北自然保護集い」が開催されています。

昨年11月に福島で「第36回 東北自然保護の集い」が開催されました。その様子を、第36回東北自然保護の集い・福島集会実行委員会事務局の方にレポートしていただきました。

 


 

東北自然保護の集いを福島で開催し、

原発事故やエネルギー問題を議論しました。

第36回東北自然保護の集い・福島集会実行委員会事務局 
 
東北地方では自然保護に関する問題の共有と連携、協力を目的に東北6県を持ち回りで、毎年「東北自然保護の集い」を開催しています。今回で36回を数える集会は2015年11月14日・15日の2日間にわたり、福島県郡山市にて21団体72名の参加をいただき開催しました。
 

tohokushizenhogonotsudoi.jpg

 

初日は東日本各地で問題となっている東京電力福島第一原発事故に伴い発生した指定廃棄物処分場問題や大規模再生可能エネルギー開発について、東北各地の参加者より問題提起がありました。

特に指定廃棄物処分場問題は地方へ押し付けることなく、東京電力や国が誠意と責任を持って対応することや、再生可能エネルギー開発は東北地方の豊かな森林を破壊して行うことのないよう監視を強めることを確認しました。
さらに、森林生態系保護地域に代表される国有林の保護林制度の見直しについても、林野庁の担当者を交え、活発な意見交換を行いました。また、夕食を兼ねた懇親会では、二次会まで続く熱い議論で多いに盛り上がりました。
 
最終日は問題への対応を検討、「東北地方のすべての原子力施設の廃炉、廃止」「放射性廃棄物処理に関する国、東京電力の責任」「森林破壊を伴う、大規模再生可能エネルギー開発の見直し」など、6項目のアピール文※の検討採択を行いました。なお、アピール文は地元福島県、郡山市をはじめ、関係機関へ提出いたしました。
 
集会終了後には2班に分かれ、避難区域となっている福島県葛尾(かつらお)村の現地視察と郡山市西方の高旗山観察会を行いました。葛尾村の視察では、帰還困難区域である浪江町津島地区との境界に設置されているゲート(許可者以外立入禁止)まで入り、放射能汚染の現状と悲惨さを実感していただきました。
 
●問い合わせ
ふくしま山岳自然環境保護ネットワーク
Eメール: azumatakayama1805@river.ocn.ne.jp ※スパムメール対策のため@を大文字にしています。小文字に修正して送信してください。
 
 
 
※アピール文 全文↓   PDFダウンロードは>>>こちら
 

第36回東北自然保護の集い福島集会

アピール

東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所爆発事故から4年8ケ月、復興には程遠い現実が避難の続く福島を始め、東北地方の各地に見られます。東北の人々は高齢化と被災による困窮の中にあっても、我慢強く耐え抜いています。一方、国内全体に目を転ずれば、経済優先が政策の中心であり、「元の生活を取り戻したい」との東北の願いは忘れられようとしています。さらに、追い打ちをかけるような再生可能エネルギーの大規模開発が各地で進められており、多くの自然が、失われたバブル期におけるリゾート開発を彷彿とさせる様相です。
 
私達は福島県郡山市に集い、これらの問題を真剣に議論しました。そして豊かな自然とともに、人々が安心して生活できる東北地方である続けるために次のアピールを行ないます。
 
1.史上最悪の環境汚染を招いた福島第一原子力発電所事故は原子力発電所の危険性を露呈し、安全神話は完全に崩壊した。世界に誇れる美しい自然景観と豊かな生態系を未来へつなげるためにも、福島第二原子力発電所を含む東北地方の全ての原子力発電所、原子力施設は速やかに廃炉、廃止とすること。
 
2.除染等によって発生した放射性廃棄物は国、東京電力が責任をもって処理することは当然であり、安易に廃棄物を地方へ押し付けることは速やかに撤回すること。
 
3.東北の豊かな森や海岸を対象に計画されている大規模な地熱、風力、水力、太陽光等の再生可能エネルギー開発は、かけがえのない地域資産に深刻な影響を及ぼし、さらには、生態系を分断、多様性を破壊する行為である。収益を優先する企業論理に翻弄されることなく、地産地消を前提に自然と共生、同化した施設に限定すること。
 
4.近年、頻発する豪雨災害は、これまでの経験や予測を超越した大災害に及んでいる。ダムに代表される人口物に頼った防災には限界があり、地形や先人達の知恵に基づき、自然への畏敬をもった治山、治水対策に万全を期すこと。
 
5.気候変貌や人口減少が加速するなか、山村を始めとする地域での野生鳥獣との軋轢や生態系の変化が深刻化している。特に福島第一原子力発電所事故に伴う避難町村やその周辺地域では、具体的対策も困難である。国、東京電力は効果的な対策を速やかに実施すること。
 
6.国有林における保護林制度の改定に伴う、具体的な制度の策定、運用については、地元自然保護団体との連携も含め、慎重に進めること。
 
2015年11月15日
第36回東北自然保護の集い 福島集会

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