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2016.01.12

千葉県行徳野鳥観察舎の存続を求める要望書を出しました。

東京湾市川市の行徳野鳥観察舎は、埋め立て計画の中止ののち、野鳥の生態にふれる機会を提供することなどを目的として1979(昭和54)年に開館しました。
しかし、2015年末に耐震診断の結果から休館となり、今後については、千葉県行政改革審議会での公の施設の見直し方針等の結論を踏まえて検討されることになりましたが、「県施設として維持する必要性が低いため、廃止する方向で検討を行う。」という案が出ていることから、NACS-Jでは、この施設の意義について県知事に要望書を提出しました。

2016年1月12日
千葉県知事 森田健作 様
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長   亀山 章
千葉県行徳野鳥観察舎の存続を求める要望書
日本自然保護協会は、日本全国各地で60年以上にわたり自然保護に関する活動を行ってきた公益財団法人です。
千葉県行徳野鳥観察舎が、昨年末に休館され、現在、廃止を検討されていると知りました。行徳野鳥観察舎は千葉県のみなならず、全国の自然保護にとり、かけがえのない施設です。私たちは海辺の貴重な自然の保全に高い関心をもち、環境教育を進める立場から、この施設の存続を強く要望いたします。
新浜地区は、東京付近の沿岸にわずかに残された、干潟やアシ原等が広がる海辺の貴重な自然です。かつてここに計画された埋立計画に対して、「新浜を守る会」(会長・荒垣秀雄/のちに日本自然保護協会会長)をはじめとする市民が主軸となって自然保護活動が展開された場所です。日本自然保護協会も、1967(昭和42)年8月に「千葉県市川市新浜地区に首都圏緑地保全地区設置の申請書」を提出しました。
その後、宮内庁新浜御猟場を含む一部地域の埋立を中止させた当時の千葉県の関係者の英断には、全国から高い評価が寄せられました。1970年代には、全国で海岸の埋め立てが行われましたが、その中でこの場所は保護され続けてきたことで、千葉県の大きな財産になっております。
千葉県行徳野鳥観察舎は、隣接する野鳥病院とともに、貴重な海の環境を知る施設であり、かけがえのない役割を果たしてきました。
東京湾は、2020年に開催されるオリンピック・パラリンピックでも多くの人々が世界中から訪れます。高密度に都市化された湾岸で、東京湾らしい景観と野鳥を観察ができる施設があることは、大きな意味を持ちます。
今回、施設の老朽化にともなう休館だけではなく、施設を廃止する方向で検討されているとのことですが、この施設を失うことは、保護している海の環境の価値を伝える窓を失うものであり、その価値を半減させるものだと考えます。大規模な修繕や建て替えには多額の経費が必要であり、多くの困難があるとは存じますが、行徳野鳥観察舎が立地する市川市や全国の支援者とも協議し、存続することを強くお願いいたします。
以上

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