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2014.10.06

「どうする!? ミドリガメ ~ペットと外来生物の規制のあり方を考える~」を開催しました。

ペットとして身近な生き物であるミドリガメ(種名:ミシシッピアカミミガメ)が全国どこでも、自然のなかの水辺で普通に大量にみられるカメになってしまいました。
 
昨年行った「自然しらべ2013 日本のカメさがし!」に寄せられた6,468件のカメの観察データのうち、64.1%がミシシッピアカミミガメ(以下、アカミミガメ)という結果となり、日本自然保護協会では、在来種のニホンイシガメなどとの餌の競合など生態系への影響やレンコンなど農業被害などの警鐘を鳴らしてきました。(詳しくはコチラ )
 
そこで、8月30日、アカミミガメの法規制のあり方を、研究者・NGOだけでなく環境省・行政や飼育者の方も一緒に考えようと、認定NPO法人生態工房、日本カメ自然誌研究会と共催し、緊急シンポジウムを開催し(会場:法政大学市ヶ谷キャンパス)、約100名の方にご参加いただきました。
 

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法規制はどうなるのか
環境省から外来生物対策室と動物愛護管理室の各室長を招き、外来生物法や動物愛護管理法の法改正のポイント、法的規制を含めた今後の対策の可能性などをお話しいただきました。
なかでも外来生物法(2005年施行)は、「特定外来生物」に指定されると輸入・運搬・飼育・保管・譲渡・放つことなどに一律規制がかかる法律です。
 
日本自然保護協会では、年間20万匹のアカミミガメが大量に輸入され縁日などで売られている状況をかえるために、まずは輸入を止め、流通販売を順次規制し、今、飼われているカメについては許可手続きの暫定措置を設けるなど、法律の段階的で柔軟な運用をもとめる提言「カメが生息する自然と生物多様性を守る」を2014年4月に発表しています。
 
これまで、自由貿易の観点や国内飼育者数の多さからアカミミガメの指定について後ろ向きだった環境省は、生物多様性条約の愛知目標を後ろ盾に姿勢を変え、このシンポジウムでは環境省外来生物対策室長から、段階的な規制ができる法運用の可能性や、「特定外来生物」のなかでも規制の区分をつける可能性などの検討をしていることの発言がありました。今後、規制が進むよう、今後の動向に要注目です。
 

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飼育者・販売者との対話の場
このシンポジウムでは、爬虫類のブリーダーが集まり展示販売会を行う団体の代表者にも登壇いただき、アカミミガメの市場状況の報告や規制についての意見交換を行うことができました。
同団体の展示販売会において流通しているアカミミガメは、すでに国内で自家繁殖した個体が主流化しているため、この団体としては現段階で輸入が禁止されることにあまり抵抗がないようでした。
また飼育が規制された場合でも、展示販売会に関わるような爬虫類マニアは飼育登録等の手続きを適切に行って、規制後も大切に飼い続けることが予想されました。
むしろ、懸念されるのは、ホームセンターやペットショップでミドリガメを気軽に購入してしまった飼育初心者で、これらの人たちが規制後は野外へカメを逃してしまう可能性が大きいのではないかと考えられ、今後はこうした飼育初心者やアカミミガメを安価に販売しているペットショップ業者への普及啓発が必要であることが共有されました。
 
このほか、参加者の中には飼育者や動物取扱業、動物福祉団体の方など多くいらっしゃり、規制に向けた関心の高さと話し合いの場の重要性を感じました。 
 
最後に、このシンポジウムの開催にご協力いただいた法政大学文学部地理学科、また、多くのボランティアスタッフの皆様に感謝申し上げます。
 
(教育普及部 大野正人)

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