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奄美群島の生態系保全

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2012.12.21

奄美群島に2種類の保護林設定が決定しました。

2012年12月5日、林野庁九州森林管理局の奄美群島森林生態系保護地域設定委員会の最終会合があり、NACS-Jも委員として参加しました。この会議で奄美大島と徳之島の国有林に対して「奄美群島森林生態系保護地域」と「同特定動物生息地保護林」を設定することと、具体的な範囲・保全管理の基本方針を決めました。
 
亜熱帯海洋性気候区に分類される奄美群島は、年間2900mmに達するほど雨の多い場所で亜熱帯と暖温帯の特徴を持つ森林が広がり、アマミノクロウサギのような固有の生物種が生息する日本を代表する島嶼地域です。
 
群島全体の国有林の総面積は約7920ha、そのうち最も大きな奄美大島に約4100ha(島の総面積の6%)、徳之島に約3830ha(同15%)の国有林があります。この土地を島の自然性の保護の核にすることが設定の目的で、3回の会議でつくられた原案はパブリックコメントを経てこの会議にかけられました。

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今回設定された奄美群島の保護地域<奄美群島森林生態系保護地域設定委員会資料より>
※画像をクリックすると大きくなります)

この保護地域化の特徴は、奄美大島の国有林はひとまとまりになっておらずに散在し、周辺が民有林に取り囲まれていることから、2段階の設定としたことです(図参照)。

今すぐ重点的な保全地域にできるまとまりを持つ場所は「森林生態系保護地域」とし、奄美大島で3地域(国有林の50%)、徳之島で2地域(同73%)の計4820haとしました。また、周辺を民有林に囲まれた散在型の森林は、まず「特定動物生息地保護林」(1340ha、同33%)とし、近い将来、周囲の民有林と協定を結んで国有林同様の保全管理水準を確保した後に「森林生態系保護地域」に格上げすることとしました。

この形で今年度中に九州森林管理局は正式設定を行います。これで奄美群島に国直轄の保護地域ができることになります。これを受けて政府は、世界自然遺産への登録手続きを進めることも決まりました。

(横山隆一/常勤理事)

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