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防災と自然保護、この両立のための取り組み。 沖縄・嘉陽エコ・コースト事業へのNGO視察を行いました。

2012.10.26
活動報告

沖縄県名護市嘉陽では「嘉陽海岸住民参加型エコ・コースト事業」という護岸整備計画があります。
これまで、NACS-Jでは意見書や、名護市のNGO「北限のジュゴンを見守るチームザン」が中心となり、ともに沖縄県北部土木事務所と意見交換をしてきました。

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10月22日、来月にも護岸がつくられようとしているということで、NGOの視察を行いました。
←嘉陽の海岸。見渡す限り人工物が見えない浜は、沖縄島では本当に希少になってしまいました。

→昔は、海岸にはこのアダンを植えていたそうです。タコのようにがっしりと根を張り、低いところから高いところまで葉を茂らせるので、防砂対策に向いていたようです。

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しかし、今年3度も直撃した台風で保安林だったモクマオウはほとんど折れたり枯れたりしてしまいました。
←台風で、すかすかになってしまった保安林。

すごい量の砂が集落に飛んできています。高潮・高波の対策として、護岸整備が検討されてきました。
→台風や高潮による被害対策のための土嚢。
高潮・高波対策として、護岸の嵩上げと、昔ながらのアダンの保安林を取り戻すことがアンケートでわかった地元の希望。ただし、アダンは成長に時間がかかるので、それまでの対策には知恵が必要そうです。

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地元グループと、地元グループが招待した清野聡子さん(九州大学准教授/NACS-J沿岸保全管理検討会委員)、沖縄県北部土木事務所の方と現場を歩き、守るべきポイントや工法などについて意見交換しました。

嘉陽があるのは名護市の東海岸ですが、西海岸のほうは、埋め立て地にリゾート施設が並び、海岸沿いには道路、そして人工ビーチ…という風景。
残念ながら、沖縄でもこのような海岸のほうが一般的のようです。嘉陽の自然の海岸線の重要さがわかります。

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一方、嘉陽から辺野古方向の海岸。こちらも人工物は何も見えません。川が1本流れ込んでいますが、上流に大きなダムなどもない環境です。
嘉陽では防災と自然保護、この両立のため、何とかこの自然の海岸線を残せる護岸にしたいのですが、海に出すとウミガメの産卵に影響するし、陸に張り出すと保安林が減る、という難しい現場なのです。

地元TV局も取材に来ていました。

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(保護プロジェクト部 志村智子)

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