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地域戦略づくりのための シンポジウム開催&ガイドブック完成!

2012.02.28
活動報告

全国から多様な参加者

2月4日に「シンポジウム・みんなでつくる生物多様性地域戦略」を開催しました。

来場者は約140名、東北から九州まで、また、自治体職員、市民グループメンバー、コンサル系企業、研究者、学生と幅広く多様な方々にご参加いただきました。

午前は、地域戦略をつくることの価値や進め方について共通理解を深めるための基調講演(亀山章・NACS-J専務理事)と、千葉県・宮崎県綾町・徳島県・千葉県市川市での取り組みを自治体や市民グループなどの立場から紹介。

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午後のパネルディスカッション①では、各地の取り組みの発表者が来場者からの質問に答えつつ、現場の苦労話や今後の課題などを探り、パネルディスカッション②でNACS-Jスタッフ・研究者・環境省で、取り組みを進め・広げる具体策について掘り下げました。

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シンポジウムで目指したのは、「地域づくりのツールとして地域戦略を考えてもらう」「うちの町・地域でも地域戦略をつくりたいと思ってもらう」ことでした。

「生物多様性」という言葉すら社会で認知されているとは言い難い状況で、「地域戦略」まで加わったテーマに関心が集まるか心配もありましたが、会場は登壇者と来場者の熱気にあふれ、地域戦略に期待を持つ方々が大勢おられることに力づけられました。

 

目的ではなく、手段

シンポジウムで参加者と共有できたと思うことは、「地域戦略は目標でなく手段」「地域戦略への市民参加の重要さ」です。

生物多様性地域戦略は、生物多様性基本法に基づいた行政計画です。自然保護には市民だけでは解決しない課題もあるので行政の役割は重要ですが、ともすると、従来のように行政主導型でつくられ、実効性のない机上の計画で終わる可能性もあります。

行政を頼らずに自分たちでやろうと立ち上がり広範囲の市民団体と話し合って未来像づくりに取り組んだ徳島、長年の市民調査の成果を地域戦略の案として市に提案した千葉県の市川などの実践報告は、よく言われるけれど言葉ほど簡単ではない市民参加や合意形成の現場の生の声として迫力がありました。

宮崎県綾町・河野耕三さんの「60年かけて照葉樹林と有機農業を大事にする町づくりをすすめてきた。環境省のために地域戦略をつくるのではないが、今の取り組みの延長として地域戦略をつくっていきたい」という言葉もあったように、地域戦略の形やアプローチは地域の数だけあります。

地域にあったやり方で、生物多様性やそれが支える暮らしの魅力を大切にする地域づくりを進めることが大事だと感じました。

 

地域戦略ガイドブックつくりました

地域戦略の形は地域ごとに異なっても、つくる過程や運用上、気をつけたいことには共通のポイントがあります。

そこでNACS-Jは、ポイントを整理し策定段階ごとの役立つ事例をまとめたガイドブック『ココからはじめる生物多様性地域戦略~市民と育てる、暮らしと自然の未来像』をつくり、シンポジウムで配布しました。

あなたの地域でも、この資料を活用いただきたいと願っています。

■ガイドブック『ココからはじめる生物多様性地域戦略~市民と育てる、暮らしと自然の未来像』は、1冊1000円送料240円で頒布いたします。
お申し込みはEメール(waytob@nacsj.or.jp)またはFAX(03-3553-0139)に、地域戦略ガイドブック希望・住所・名前・電話番号を明記してお送りください。郵便振替用紙を同封してお送りします。
※スパムメール対策のため、上記Eメールアドレスの@を大文字にしています。小文字に修正して送信してください。

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*この事業は平成23年度独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて実施しています。

(志村智子/広報・編集部)


シンポジウム当日、インターネット配信した中継動画は、こちらでご覧になれます。配信終了しています。

■シンポジウム当日のプレゼンテーション・発表要旨のPDFを下記からご覧になれます。
基調講演:「今、なぜ生物多様性地域戦略か」亀山 章 (東京農工大学名誉教授、日本自然保護協会専務理事)(PDF/15.4MB)

話題提供:地域戦略の策定プロセスと市民参加
1:中村俊彦 (千葉県自然保護課生物多様性センター・県立中央博物館)
「『ちば戦略』の策定プロセスとタウンミーティング」(PDF/8.7MB)

2:河野耕三 (宮崎 綾町企画財政課)「綾ユネスコエコパーク登録の取組みと地域戦略」(PDF/2.5MB)

3:鎌田磨人 (生物多様性とくしま会議・徳島大学教授)
「市民団体と研究者によるワークショップと提案づくり」(PDF/2.9MB)

4:佐野郷美 (千葉 市川緑の市民フォーラム)「市民活動の蓄積から回廊構想の政策提言の実現」(PDF/6.7MB)

パネルディスカッション①地域戦略の策定の経験から学ぶ
話題提供:
1:窪田達央 (長野県自然保護課)(PDF/8.8MB)

2:乙幡千枝実 (千代田区環境安全部参事)(PDF/11.1MB)

パネルディスカッション②地域戦略のつくり方と関係者の役割
パネリスト:
1:中静 透 (東北大学大学院教授)「生態系サービスへの地域戦略の役割」
(PDF/3.7MB)

2:長谷川雅美 (東邦大学教授)「市民調査と専門家の役割」(PDF/5.1MB)

3:奥田直久 (環境省生物多様性地球戦略企画室長) 「地域戦略づくりに向けた国の施策」(PDF/3.1MB)

4:藤田 卓 (日本自然保護協会・保護プロジェクト部)「『生物多様性地域戦略ガイドブック』の紹介」(PDF/2.8MB)

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