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沖縄・泡瀬干潟の保全

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なぜ、原因を究明して保全策をとらないのか、
事業ありきの環境監視は環境アセスメントに反する。

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2011.09.26

アセス想定外の自然環境・生物多様性の破壊が生じている。
なぜ、原因を究明して保全策をとらないのか、
事業ありきの環境監視は環境アセスメントに反する。

公金支出差し止めの判決を受け、現在、中断している沖縄県の泡瀬干潟埋め立て工事が、計画を変更し再開される見通しとなっています。
NACS-Jでは、環境アセスの結果について科学的・客観的な立場から検討・監視する環境監視委員会のメンバーになっていましたが、環境監視委員会が事業ありきの形骸化した運営を行っているため、環境監視委員会への抗議声明を発表するとともに、委員の辞意表明をしました。

泡瀬干潟・浅海域埋立事業 環境監視への抗議声明(PDF/233KB)


2011年9月26日

泡瀬干潟・浅海域埋立事業 環境監視への抗議声明

アセス想定外の自然環境・生物多様性の破壊が生じている。なぜ、原因を究明して保全策をとらないのか、事業ありきの環境監視は環境アセスメントに反する。

中城湾港泡瀬地区環境監視委員
公益財団法人日本自然保護協会
開発法子

不測の環境悪化をすべて「台風のせい」にする事業者

環境アセスメントに基づき設置された環境監視委員会は、本来、事業に伴う環境の事後調査結果について、科学的・客観的な立場から検討し、アセスの「周辺の環境には影響なし」とした評価を監視する機関である。
これまで進んだ第Ⅰ区域の埋立工事により、海草藻場の消失、サンゴの死滅、砂洲地形の変化・土砂の堆積などアセスでは予測していなかった環境の悪化が生じている(*1)。事業者が実施している環境監視調査結果においても、その変化はデータで示されている。平成22年3月まで開催されてきた環境監視委員会でも、毎回、委員から埋立てによる環境悪化の影響が指摘され、工事の中断と保全策の実施が求められてきた。
しかし、事業者は「台風の影響であり工事の影響ではない」とし合理的な説明をすることなく、委員会で出された科学的根拠に基づく指導・助言を無視して、事業を進めてきた。

新計画は環境アセス法違反である

本事業は沖縄県民による訴訟で公金支出差し止めの判決を受けた。それにより作り直された埋立・土地利用の新計画は、第Ⅱ区域は埋め立てずに保全を図るものとした。第Ⅱ区域は海草藻場と干潟が広がり多様な生物が生育・生息している貴重な自然環境である。にもかかわらず、この海域に関する環境現況調査、影響予測・評価、保全策は何もなされていない。この行為は環境アセス法に反するものである。

科学的根拠のない環境監視調査計画

そして、第Ⅱ区域の現況が何も明らかにされず、影響予測・評価も保全目標もないまま環境監視調査計画を策定し、事業を進めようとしている。そのため、本日の環境監視委員会に示された環境監視計画には、第Ⅱ区域の生態系の特徴を踏まえて設定すべき監視項目、例えば海草藻場とそこに生息する底生生物等の調査が欠落している。さらに、これまでの埋立工事で砂洲等の地形変化を引き起こした、海水の流れや海底の土砂の移動についても、全く考慮していない。今回示された環境監視調査計画は、著しく科学的合理的根拠を欠いたものであり、到底認められるものではない。

事業ありきの手続化した環境監視委員会

環境監視委員会では、専門家等により客観的に検討されるべき議事に、事業者が大きく介入して事業ありきの議事進行に誘導した。環境監視委員会は、もはや本来の科学的客観的な立場からの監視機能を失い、事業者は委員会を単なる事業推進のための形式的な手続きにしてしまった。

以上のことから、形骸化した環境監視委員会の運営に強く抗議する。
事業者は、監視調査結果に基づき、埋立工事を直ちに中止し、泡瀬干潟・浅海域の保全と、工事の影響で悪化した泡瀬干潟の自然環境の再生をはかるべきである。

以上

*1: 泡瀬干潟・海草藻場、サンゴ群集モニタリグ調査結果(2004-2011)(PDF/1.73KB)

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