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モニ1000のデータからも チョウの個体数の変化が確認できます。

2011.07.01
活動報告

モニタリングサイト1000里地調査(環境省請負)では、各地の市民の協力を得てチョウ類の長期調査を実施しており、観察路で見られたチョウの種名と個体数を毎月2回記録しています。最も早く06年に調査を始めた4サイトでは、5年間のデータが蓄積されました。
自然しらべ2011では南方系のチョウ類の「分布」の変化に注目していますが、「個体数」ではどんな変化が起きているのか見てみました。
 
関東平野部では最近になってナガサキアゲハやツマグロヒョウモンの初確認が相次いでいます。実際に関東平野部に位置するサイトAの調査結果を見ると、これらの種がここ5年ほどで初めて確認されるようになり、特にツマグロヒョウモンは急速に個体数が増加していることが確かめられました(図1)。またウラギンシジミについては、九州北部から関東平野部に位置する4サイトすべてで増加傾向にあることも分かりました(図2)。

522_closeup_moni1000.jpg
これが本当に全国的な傾向なのかはまだ不明ですが、08年度秋からは全国約40カ所のサイトで同様の調査が始まっています。また、より全国的な調査体制を構築することを目指して、現在、日本チョウ類保全協会と連携協力した取り組みも進めています。非常に労力のかかる調査ですが、全種の種名・個体数を同じ方法で記録してもらうことで、各地域での個体数の増加のスピードや、南方系の種の増加による他種への影響、逆に涼しい地域を好む種の個体数の変化の有無なども、今後明らかにできると期待しています。
 

なお、全国規模のより高い精度でのモニタリングデータとするためには、自然しらべ2011や生きもの情報館で得られる全国規模の分布データも不可欠です。「○○チョウがいた!」という一人一人の情報がとても重要です。自然しらべ2011にご参加ください!
(高川晋一・保全研究部)

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