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2011.04.13

「カンムリウミスズメと上関(瀬戸内海)の生物多様性」に参加してきました。

保護プロジェクトの安部です。

4/10、広島で開催された、国際シンポジウム「カンムリウミスズメと上関(瀬戸内海)の生物多様性」に大野保護プロジェクト部長と出席しました。
長島の自然を守る会の高島美登里さんの挨拶からスタート。

「福島のことを思うと今この催しを開いて良いか悩んだ。これが日本、福島のためになることを願う」と涙ながらに高島さんは語りました。
第一部は世界的な希少種、カンムリウミスズメについて国内の研究者からの報告でした。

「海鳥は広大な海から生物活動の高い場所、ホットスポットを探しだし明示してくれる。また汚染物質の指標となる。海鳥は人間活動の影響を受けており、混獲、油汚染、移入種による補食などが原因で生息環境が脅かされている。厳しい状況におかれている海鳥のうち固有種2種が上関に生息している。」—北海道大学水産科学研究院准教授・綿貫豊氏。

「カンムリウミスズメは私の頭にちょこんと乗ってしまうような大きさ。カンムリウミスズメの移動範囲とスピード、時速2.47km。」—宮崎大学フロンティア科学実験総合センター生物資源分野・中村豊氏。

「ほぼ日本にしかいないと言われている国の天然記念物カンムリウミスズメ。日本が保護しないと絶滅してしまう大事な種。繁殖期の記録はあるものの非繁殖期の記録はほとんどない。まだその生態について謎が多いカンムリウミスズメ。この会場の近く、都市近くにもいる。カンムリウミスズメとオオミズナギドリは瀬戸内海の生物多様性を代表する生物。身近にいる生物だけに人間活動の影響も受けやすいのが心配。」—九州大学研究院・日本生態学会の飯田知彦氏。

「オオミズナギドリにとっても瀬戸内海は良好な大事な餌場。しかし地域個体群絶滅の可能性が高い。捕食者の駆除や生息域の保全が必要。」—福山大学生命工学部海洋生物学科講師の渡辺伸一氏。

午後の第二部はウミスズメ類の調査と保全対策について、海外の専門家からのお話しがありました。
「カリフォルニア沿岸のウミスズメ類にもさまざまな危機にさらされている。」—鳥類学者、ハリー R. カーター氏。

ダレルさんのスライド鳥類学者のダレル L.ウィットウォースさん(カリフォルニア環境研究所)からは、カリフォルニア中部の海鳥の繁殖コロニーの人的被害を減らすためのプログラム開発について。右写真はダレルさんたちが3種の異なるウミスズメの仲間を同時に調査しているところのスライド。

続いて生物学者のカレン J. レイナ氏から科学的アプローチを用いた海鳥保全の方法や保護区の設置、普及教育についてお話しいただきました。「しかしながら科学的データや科学者の意見が全く通用しないことが多い日本ではすぐには応用できない。悲しく思う。」

第三部は上関(瀬戸内海)の生物多様性とその保護についてお二人の研究者からのお話しでした。
「世界の中でも日本だけが有するれき浜などの場がある。日本の生物多様性の豊かさはここが4つのプレートから成ることにも起因している。プレートがあれば地震が来るのは当たり前。そこに原発を建ててはいけない。日本の危機管理能力の無さには憤りを感じる。」—京都大学大学院人間・環境学研究科教授・加藤真氏。

「原発が排出する温排水と残留塩素の問題を指摘。小さな生物にとって7℃の水温上昇は致命的。また塩素により死んでしまう小さな生物も多い。」—鹿児島大学大学院理工学研究科教授の佐藤正典氏。
4/11-12は上関原発の予定地視察のエクスカーションに出かけます。

(安部真理子・保護プロジェクト部)

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