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川辺川ダム計画の公聴会に対し、 地域団体を応援しています

2008.07.01
活動報告

会報『自然保護』(2008年7/8月号)より転載


国土交通省が計画中の川辺川ダムについて、5月22~23日に人吉市が公聴会を開催しました。人吉クマタカを守る会・NACS-J会員の中務千秋さんらが、私たちが協力したクマタカ繁殖状況調査と、希少コウモリなどが暮らす洞窟調査に基づいて発言されました。これをサポートしたので報告します。

発言のひとつ目は、「予定地一帯に、生物多様性の指標であるクマタカがすむが、最もダムサイト予定地に近いペアは、2002年は孵化したが雛で死亡。03年巣立つが、繁殖の確認はこの10年間でこれだけ。07年は、抱卵まで確認できたが放棄してしまった」という調査結果を示し、「この繁殖成績は深刻で、これまでの開発だけでも子育てを完遂するに必要な環境力は落ちていること」を指摘されました。国家戦略までつくり、地域の生物多様性を高めなくてはならない中、「これに反する行為をすることは時代の要請に逆行している」と訴えられました。

2つ目は、「ダム湖予定範囲上流に、特殊な生物が暮らす九折瀬洞があり、ダムができれば水没してしまう」ことについて。この環境は、少しの環境改変でも「今果たしている役割(特殊な生物群集への生息環境の提供)を失う恐れがあり、思い込みの、勝手な保全策では保護できないことを国交省は認めるべき」だと主張されました。この洞窟の水没は地域の自然資産の喪失につながります。

その上で、「猛禽類や洞窟性の生物など、絶滅が危惧される自然要素については、第三者機関の専門家を含む場で検討すべきだ」とまとめられました。

(常勤理事・横山隆一)

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