日本自然保護協会は、生物多様性を守る自然保護NGOです。

  • 文字サイズ

生物多様性を脅かす外来種問題

生物多様性を脅かす外来種問題 ニュース&トピックス 一覧に戻る

2004.12.21

外来生物問題に要望書を提出

~水草だけでなく陸上植物も継続して議論を~

外来生物は、生物の多様性保全を脅かす要因の一つとして世界的に対応が始まっています。日本でも、法律ができ、どの種を「特定外来生物」に指定するかの各分類群ごとの検討が大詰めを迎えています。
植物については水草の3種が候補として議論されています。しかし、他にも生態系への被害の大きい侵略的外来種は多くあります。そこでNACS-Jでは、今後も議論を続けて、早期の指定の可能性と法の執行体制を議論すべきであること、「要注意生物種リスト」を指定と普及啓発にむけて活用すべきであると要望しました。

●環境省「特定外来生物等の選定について」ホームページ
http://www.env.go.jp/nature/intro/4document/data/sentei/


2004年12月21日


環境省自然環境局野生生物課 御中

「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」による特定外来生物(植物)の選定に関する要望書

(財)日本自然保護協会
理事長 田畑 貞寿

現在、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」に基づき、環境省では各生物の分類群ごとに「特定外来生物」の選定の会合が行われ、その経過が注目されています。

特定外来生物等分類群専門家グループ会合(植物)において、特定外来生物の候補とされている種は、水草のナガツルノゲイトウ、ブラジルチドメグサ、ミズヒマワリの三種とされています。侵略的外来植物は、生活史の特性から蔓延が速く、また優占して広い範囲にわたって生態系を単純化してしまうものも多く、国内で実際に絶滅危惧種を局所的に絶滅に追い込むなどの例もおこっており、生態系に大きな影響を及ぼすものです。

本法律の目的に「生態系等への被害を防止し、もって生物の多様性の確保、(略)に資すること」が盛り込まれ、「特定外来生物被害防止基本方針」においても、「原則として生態系等に係る被害の防止を第一義」にし、選定していくこととされています。

生態系への悪影響に関する科学的根拠が集積されている外来生物が、特定外来生物に指定されないことで、生物多様性の損失がより進むことを、危惧しています。特にシナダレスズメガヤなどの一部の緑化用外来牧草では、被害を軽減するための駆除対策が実施されていることから、指定によって、一定の効果が期待でき、そして関係業界や広く国民への外来生物に対しての普及啓発の効果も大きいものと考え、現在候補とされている水草のみだけでなく、陸上植物も早期に特定外来生物に指定されるよう規制体制の確立を促すことこそが、本法律の効果であると考えます。

つきましては、下記の事項について要望いたします。

  1. 外来生物等分類群専門家グループ会合(植物)において、陸上植物については指定の可能性の議論を継続し、また、すでに蔓延して影響の甚大な緑化用外来牧草や水草などについても早期の指定に向けて、引き続き関係省庁や業界、研究者との議論の場を公開で設けるべきである。
  2. 特定外来生物に、今回、指定種とされない植物においても、生態系への悪影響が大きい、または大きいと考えられる種については、「要注意生物種リスト」として一般に公開し、指定されない理由を明記のうえ、指定に向けた規制の実効性の確保、ならびに普及啓発に努め、今後の指定の可能性を継続して検討すべきである。

以上


この件に関する問い合わせ先:
(財)日本自然保護協会 保護・研究部 大野 正人

生物多様性を脅かす外来種問題 ニュース&トピックス 一覧に戻る

あなたの支援が必要です!

×

NACS-J(ナックスジェイ・日本自然保護協会)は、寄付に基づく支援により活動している団体です。

継続寄付

寄付をする
(今回のみ支援)

月々1000円のご支援で、自然保護に関する普及啓発を広げることができます。

寄付する