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2004.09.30

小笠原諸島振興開発計画に意見を提出 ~生物多様性保全の視点を

040930小笠原.jpg
小笠原諸島振興開発計画(素案)に係る意見


2004年9月30日

東京都総務局 御中

(財)日本自然保護協会
保護・研究部主任 大野 正人
保護・研究部研究員 朱宮丈晴


小笠原諸島振興開発計画(素案)に係る意見

生物多様性保全の立場より、標題について、下記のように意見を述べる。


1.土地利用計画について

<該当箇所>「第2 1土地の利用に関する事項」(4頁)
<意見内容>
界遺産登録に向けて、外来種対策と保護担保措置が課題とされ、保護担保については、本開発計画にも「自然の保護を担保する措置等を実施し、世界自然遺産へ
の登録を目指す」と明記されている。今後近い将来、関係省庁、都、村などを交えて、核心地域(コアエリア)と緩衝地域(バッファーエリア)を念頭にした国
立公園の地種区分や森林生態系保護地域の見直しなどが行われていくものと思われる。本開発計画の父島、母島の土地利用計画図「農業地域」、「その他の地
域」は、「小笠原国立公園基礎調査報告書」(東京都)の「特別保護地区相当の価値を有すると考えられる地域」とされる地域を一部含んでおり、安易に現在の
国立公園の指定地域外を「農業地域」、「その他の地域」としたと思われる。また「その他の地域」は「各種の利用が想定される地域等」とあいまいな表現がさ
れている。そのような状況のなかで、具体的なゾーニング(区割り)を本開発計画で安易に提示すべきではない。
<修文内容>
「土地利用計画については、将来の自然環境の保全と適正な利用を図るために、関係省庁と連携のうえ、用途区分と土地利用計画図を検討する。」


<該当箇所>「第2 3地域の特性に即した農林水産業・・・(1)農業(8頁)
<意見内容>
開発計画において、「農業地域」とされている環境は、小規模的な農業が点在し、二次的な自然環境であり、希少種であるオガサワラオオコモリやオアガシラカ
ラスバトが生息に利用している地域でもある。農業地域のあり方について、その規模や方法について、小笠原の特性を活かした環境保全型農業とすべきである。
<修文内容>
「小笠原の自然特性を配慮し、共存をはかる「小笠原版環境保全型農業」の内容を検討し、推進を図る」
 

<該当箇所>「第2 1土地の利用に関する事項(3)自然保護地域」(4頁)
<意見>小笠原の自然環境の特性は、自然景観や学術的な貴重性ばかりではなく、固有の島嶼生態系として、生物多様性上の価値をもっている。生物多様性の保全の考え方を取り入れ、管理保全だけではなく、モニタリングや順応的管理についても追加すべきである。
<修文内容>
「自然保護地域 小笠原の優れた自然景観、固有種や希少種を含む生物多様性を保全することが必要な地域及び森林として、その変化についてモニタリングをし、順応的管理を含めた管理保全を図る地域を、自然保護地域とする。」


<該当箇所>「第2 5自然環境の保全及び公害の防止に関する事項 
(1)自然環境の保全」(10頁)
<意見>アカガシラカラスバトや希少植物などの保護増殖事業が行われているが、位置づけがなされていない。また、外来種対策と保護担保措置は別の項目として検討すべき内容である。よって下記のような項目立てをし、それぞれの関連性についても具体的な記述をすべきである。
<修正項目>「ア、自然の保護の担保措置等の推進 イ、外来生物(移入種)対策等の推進 ウ、目標を明確にした植生回復及 エ、景観の保護 エ、希少種の保護管理と保護増殖の推進、オ、自然の保護と利用の両立」 


<該当箇所>「第2 9国内外の交流促進、10人材育成」(12頁)
<意見>上記の項目のそれぞれに、ビジターセンターの機能として、交流の拠点、人材育成の拠点としてのあり方を検討すると記述されているが、ビジターセン
ターに求められる機能として、小笠原の自然や文化についての文献などの情報収集・保管・閲覧としてライブラリー機能や標本資料保管や教育活動などの博物館
的機能があり、観光客ばかりではなく、島内住民やガイド等にとって、有益なものとなる。そのような機能についても検討し整備を進めるべきである。実際に増
築計画が実施されはじめているため、本開発計画でも位置づけるべきである。
<修正内容>「ビジターセンターが、自然や文化の情報を集めたライブラリー機能や博物館的機能についても検討し、整備を行う」

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