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沖縄・辺野古 大浦湾の保全

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2003.12.05

沖縄・辺野古での 「ボーリング調査計画の問題点」を送付


2003年12月5日

那覇防衛施設局 御中
沖縄県知事 稲嶺惠一殿

(財)日本自然保護協会
常務理事 吉田正人

 

「那覇防衛施設局によるボーリング調査作業計画の問題点」の送付について

当協会は2003年4月17日に、石破防衛庁長官、鈴木環境大臣、川口外務大臣あてに、普天間基地代替施設建設に係る現地技術調査に対する意見書を提出し、ボーリング調査は沖縄島最大の辺野古サンゴ礁のリーフ内の海草藻場やジュゴンに多大な影響を与えるとして、計画の見直しを求める意見書を提出しました。

このたび、11月17日に那覇防衛施設局から、「地質調査・海象調査の作業計画について」という文書が発表され、沖縄県知事に対して公共用財産使用協議書が提出されました。

この書類のうち、ボーリング調査作業計画の調査地点と、当協会が2002年9月、2003年9月に辺野古地区で実施した沖縄ジャングサウォッチの結果を照合した結果、少なくとも12カ所については、良好な海草藻場の内部または周辺で実施されることがわかりました。

那覇防衛施設局は、ボーリング用足場等の接地面積が、以前の計画では600平方mであったところ、新しい計画では1平方mとなっているため、影響は回避あるいは低減されたとしています。しかしこれだけでは、足場周辺の状況がどうなっているのか、隣接する海草藻場はどの程度離れているのかわかりません。

たとえ足場が、海草藻場を避けていたとしても、すぐ周辺に海草藻場があるのであれば、足場設置による底質の撹乱が隣接した藻場まで及ぶおそれがあります(実際、泡瀬干潟の海草移植では、はぎとった周辺の藻場の破壊が進んでいます)。また現在海草がないように見えても、砂の中に埋土種子を含んでおり、広義の海草藻場(メタポピュレーション)である可能性があります。さらにGPSは数メートルの誤差を含み、船も風で流されることから、少なくとも半径10m程度の情報がなくては、海草藻場への影響を避けられるとは言い切れません。

 

  1. 那覇防衛施設局は、少なくとも12カ所の地質調査予定地について、半径10m以内に既存の海草藻場が存在するかどうか、埋土種子を含むかどうかを明らかにする追加調査を実施すべきである。
  2. 沖縄県は、上記の調査結果が明らかになるまでは、公共用財産使用協議に基づく、公共用財産使用許可を与えるべきではない。

 


2003年12月5日
(財)日本自然保護協会

 

那覇防衛施設局によるボーリング調査作業計画の問題点

那覇防衛施設局は「地質調査・海象調査の作業計画について」という作業計画書をまとめ、11月17日沖縄県に公共財産使用の許可申請を行った。日本自然保護協会は、2002年9月、2003年9月に実施した沖縄ジャングサウォッチ(辺野古地区)の調査結果と照合した結果、以下の12の地質調査予定地点において、海草藻場と重複する可能性が認められた。

 

031205地質調査図

 

地質調査のポイントと海草藻場の関係

1-1
1-5
1-6
リュウキュウスガモを中心とする良好な砂礫質の海草藻場の中心に位置する(被度20-40%)・・・NACSJの定点へ4、5
1-2
1-9
リュウキュウスガモ、リュウキュウアマモ、マツバウミジグサなどを中心とする良好な砂質の海草藻場の近くに位置する(被度40-60%)・・・定点ロ4
1-3
1-12
1-13
リュウキュウスガモを中心とする砂礫質の海草藻場の近くに位置する(被度10-45%)・・・定点ヌ4、ル4
1-7 リュウキュウスガモを中心とする砂礫質の海草藻場の近くに位置する(被度5-25%)・・・定点ホ4
1-8 リュウキュウスガモを中心とする砂礫質の海草藻場の近くに位置する
被度は低いがウミヒルモが生育する(被度10-3%)・・・定点ハ4
1-10 リュウキュウスガモを中心とする礫質の海草藻場の近くに位置する
被度は低いがウミヒルモが生育する(被度10-35%)・・・定点イ4
1-11 リュウキュウスガモを中心とする砂質の海草藻場の近くに位置する
(被度10-40%)・・・定点リ4
1-4
1-14
1-15
1-16
近くには海草藻場はないと考えられる

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