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有明海の異変のメカニズムを解き明かすビデオ完成

2003.06.01
活動報告
有明海の異変のメカニズムを解き明かすビデオ、
クリエーターとNGOのエネルギーを結集して完成
「ありあけ・いさはや、宝の海のメカニズム」

 

ビデオはこうして生まれた
~意義を感じてくださった協力者の輪が、どんどん広がっていった

2002年夏、NACS-Jは「有明海漁民・市民ネットワーク」と共同で、有明海周辺の漁協の方々の協力を得て、有明海全体で自然環境の調査を行ないました。それは同じ日時に有明海全域で一斉に海水を採取し、海水の中に溶け込んでいる酸素の濃度を計測するというものです。2001年にNACS-Jが行なった調査によって、海底に夏場、「貧酸素水塊(酸素の少ない水の塊)」が広域に発生していることが観測され、それが有明海のアサリやタイラギといった貝類に壊滅的な打撃を与えたのではないかと推測されました。それを科学的に解明するため、漁師の方々や地元市民の方々に協力を要請し、また全国からのご寄付を資金に実施された大掛かりな調査活動でした。

有明海全域の77ヵ所の調査ポイントでの3カ月に及ぶ調査の結果、有明海の奥部、諫早干潟を締め切っただけに思われていた潮受け堤防が、実は有明海全体の自然環境に悪影響を及ぼしているそのメカニズムが解明できました。

この調査結果は2003年夏頃には調査報告書としてNACS-Jが発表する予定ですが、そこで判明したメカニズムを、まずは先行してビジュアルでわかりやすく表現できないものかと、日頃からNACS-Jに協力してくださっているクリエーターの方々にお話してみました。すると、この情報を広めることの社会的意義を感じてくださった方々の協力の輪がどんどん広がり、今回のビデオという形で実現されたのです。

 

有明海の陥っている悪循環の解説を映像と音楽がサポート

このビデオでは、有明海で起きている異変のうちのもっとも注目すべき事柄の解説に努めました。NACS-Jらがまとめたデータや科学的なメカニズムの解説とデナ クリエーションと岩永勝敏氏が提供してくださった映像をもとに、アートディレクターの信藤三雄氏(Mr.Childrenのプロモーションビデオ等を制作)が監督として編集・制作を、音楽は小林武史氏(My Little LoverやMr.Childrenのプロデューサー)の書き下ろし…etc。こうした各界のエネルギーが凝縮されて生まれたのが、このビデオ、「ありあけ・いさはや、宝の海のメカニズム」(VHSカラー15分)です。

★ビデオで紹介される、有明海の主な異変

  • 大きかった潮の満ち引きがなくなった。
  • 潮の流れがなくなった。
  • 浮泥(ふでい)がなくなった。
  • 貧酸素水塊が大規模に発生した。

結果として...酸素不足の悪循環に陥っている。

 

ビデオの役目
~干拓事業の見直しの声を広め、潮受け堤防を開けるために

諫早と有明海の情報は漠然としていたり断片的だったりしていますので、今、何が起きているかという現実とそのメカニズムを多くの人に伝え、問題意識を共有し、この諫早湾干拓事業の見直しの声を高めていきます。それにはビデオについてのマスコミ報道やビデオ自体の放映、またこのビデオを学校の教材として授業の中で見ていただいたり、企業の社会貢献担当の方から社員の方々向けに情報を提供していただくなど、幅広く情報を広めていきます。

 

ビデオ制作に快く協力してくださった方々

映像監督  信藤三雄(コンテンポラリープロダクション
音楽  小林武史(烏龍舎)
ディレクション  マエキタ ミヤコ(サステナ
ナレーション  もりばやし みほ(hi-posi
映像提供  デナ クリエーション(担当:乾弘明)、岩永勝敏
制作  PICTURES(担当プロデューサー・湯川篤毅)
 サリュ
コピー  マエキタ ミヤコ(サステナ
資金協力  WWF・日興グリーンインベスターズ基金

 

・NACS-J(保護・研究部/担当・吉田)
・諫早干潟緊急救済事務所

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