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生物多様性を脅かす外来種問題

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IUCN侵入種専門家グループが発表

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2001.07.01

「世界の外来侵入種ワースト100」
IUCN侵入種専門家グループが発表

会報『自然保護』No.458(2001年7/8月号)より転載

国際自然保護連合(IUCN)の「種の保存委員会」(SSC)は、「世界の外来侵入種ワースト100」を発表した。このリストをとりまとめた侵入種専門家グループ(ISSG)は、ニュージーランドに本部を置く外来種問題の専門家ネットワークで、オークランド大学のミック・クラウト教授が議長をしている。昨年は「侵入種による生物多様性の喪失防止のためのIUCNガイドライン」を発表したが、これに引きつづいて世界で問題を引きおこしている侵入種をリストアップして問題を提起したものだ。これには、日本でも問題になっているマングースやオオクチバスなどが含まれている。日本自然保護協会は、これを翻訳しウェブサイトで公開した。
 

在来種が次々に絶滅

 

世界の外来侵入種ワースト100は、以下の2つの基準に従って選ばれている。(1)生物の多様性および人間活動に対する深刻な影響、(2)生物学的侵入の重要な典型事例。

 

たくさんの事例を紹介するため、一つの属からは一つの種だけが選ばれている(従って、ブラックバスの中ではオオクチバスが挙げられているが、コクチバスに問題が少ないという訳ではない)。 このほかにも問題の侵入種はたくさんあり、リストに載っていないからといって、影響が少ないというわけではない。

具体的に挙げられている生物を紹介しよう。

 

アシナガキアリは、ハワイからセイシェルの島嶼生態系に侵入し大きな影響を与えている。インド洋のクリスマス諸島では、熱帯雨林の落葉分解に大きな役割を果たしているカニを、18カ月のうちに300万尾も殺してしまった。またクリスマス諸島に生息する野鳥のモモグロカツオドリもアリのために絶滅に瀕している。

 

オーストラリア、インドネシア、パプアニューギニア、ソロモン諸島原産のミナミオオガシラヘビは、軍用機によってグアムに運ばれ、天敵がいないために爆発的に増加している。ミナミオオガシラヘビは、人を咬むだけでなく、グアム固有の野鳥を絶滅に追いやっている。

 

米国南部原産のヤマタチオビガイは、太平洋・インド洋の島々に広がったアフリカマイマイを駆除する目的で導入された。しかし動きの早い陸貝は、在来のカタツムリをも絶滅の淵に追いやっている。

 

イランやマレー半島原産のジャワマングースは、モーリシャス、フィージー、ハワイなどにネズミを駆除する目的で導入されたが、素早い動きをする動物に慣れていない島の在来種は絶滅に追いやられている。日本でもハブ駆除を目的として導入されたマングースが、アマミノクロウサギなどにとって脅威となっている。

 

南アメリカ原産のホテイアオイは今や5大陸50カ国に広がり、水路を塞いで航行の妨げになっている。また湖沼に光が射さなくなり、在来の水生植物種にも大きな影響を与えている。

 

このほかにも、ヌートリア、フクロギツネ、ホシムクドリ、カダヤシ、ウシガエル、チュウゴクモクズガニ、クズ、ワカメなどがワースト100に入れられている。

 

日本では、国土交通省が河川の外来種に対する対処方針をまとめ、環境省も移入種対策検討委員会を設置して、来年春をめどに対処方針を検討している。日本自然保護協会でも、野生生物問題の小委員会を設置して、種の保存法、鳥獣保護法とならんで、外来種を柱の一つとして意見をとりまとめたいと考えている。

(吉田正人・日本自然保護協会常務理事、IUCN種の保存委員会侵入種専門家グループ委員)

 


世界の外来侵入種ワースト100

 

国際侵入種データベースから

 

国際自然保護連合種の保存委員会侵入種専門家グループ

 

生物学的侵入とは

 

ある生物が自然状態では存在しない生態系に導入されたときどのようなことが起こるでしょうか? その生態系は柔軟性をもってその変化に対応できるでしょうか、それとも生物の侵入ははかりしれない影響を与え、恒久的な損害を与えるのでしょうか? 何か特別のものが永久に失われるのでしょうか? それで問題はないのでしょうか?

 

かつては地球上の山岳や海洋は、すべての生物種にとって越えることのできない障害物として存在していました。生態系は隔離されて進化を遂げていったのです。人類が登場し全世界に移動を開始すると、私たちの祖先の物理的社会的必要性を満たすため、最初の生物の導入が行われました。しかしその大きさや頻度は、現在の国際貿易や旅客の移動にともなう生物の導入に比べれば小さなものでした。

 

国際的な外来種の導入にともなう悲劇的な結果に関しては、200種以上の魚類を絶滅させたナイルパーチのように話には事欠きません。私たちは過去の失敗から学ぶべきです。しかし驚くべきことに生物種の導入にともなう危険は今も続いているのです。本書に紹介したカダヤシの放流はその例です。また国際的な園芸品種やペットの貿易の参加者の行動も問題視されています。

 

うっかりした行動が、生物種の導入の原因になることもあります。いわゆる「事故」が、生物学的侵入の大きな原因の一つとなっています。

 

「世界の外来侵入種ワースト100」をごらんいただくと、信じられないくらい多くの生物種が器用に旅行するだけでなく、新世界に定着し成長し優占するようになったか、おわかりいただけると思います。今日、外来侵入種は、生息地の破壊に次いで、生物の絶滅の大きな要因になっていることがわかっています。

 

地球上の生物の多様性を構成する生物の属や種、生態系は、それが失われると自然そのものが失われあるいは劣化してしまうのでとても重要です。人類以外の種もまた地球上の中で存在しある地位を占める権利があります。私たちは、どの生物種が生態系にとって不可欠であり、どの生物種が余分のものであるか、そしてどの生物種が世界の変化に適応できるのかを知りません。私たちが生物種をある生態系に導入したとき、その影響がただちに現れるわけではありません。ミコニア・カルベセンスのような侵入種は、生息環境を完全に変え、もともとの生物群集を非持続的なものにしてしまう可能性があります。

 

地球上の生物の多様性を守ることは、私たちの生命を維持するために最適な方法です。生物圏はセルフコントロールシステムを持った系であり、回復力をもったものであるということが知られています。しかし島嶼生態系のような隔離された生態系は、食物連鎖を支える植物、草食動物、肉食動物、分解者の数も少なく、侵入種に弱い生態系であるということがいえます。世界中の島々で、生物種はかつてない速度で絶滅していっています。本書に挙げたような外来侵入種が、その絶滅の原因になっています。

 

生物種のよりよい管理や生物学的侵入を防ぐための先駆的行動が世界の各地で実行されています。外来侵入種はいまや国際的な自然保護活動の関心を集め、国際侵入種プログラム(GISP)のような国際協力活動のテーマとなっています。侵入種に対する関心が高まるにつれて、人々や地域社会は子孫にひきつぐことができる選択肢についてさまざまな情報をえられるようになっています。

 

「世界の外来侵入種ワースト100」は、外来侵入種のおどろくべき複雑さと、悲劇的な結末を伝えるために作られました。侵入種は、以下の2つの基準に従って選ばれています。(1)生物の多様性および人間活動に対する深刻な影響、(2)生物学的侵入をめぐる重要な事柄の表現。たくさんの事例をあげるため、一つの属からは一つの種だけを選びました。これ以外にもたくさんの侵入種がありますが、このリストに載っていないからといって、脅威が小さいというわけではありません。私たちは、侵入種に対する一般的な認識が高まることによって、将来の有害な侵入種の拡大を防止できればと願っています。

 

アシナガキアリ(Crazy Ant : Anoplolepis gracilipes

<アシナガキアリ(その変わった動作から、英語名では、クレージー・アントと呼ばれています。)は、自然生態系に侵入し、ハワイからセイシャル諸島、ザンジバルまでの範囲で、環境的ダメージの原因となっています。インド洋のクリスマス島では、少なくとも8カ所の熱帯雨林に、複数の女王アリがいる巨大なコロニーを形成し、熱帯雨林の樹冠を含むあらゆる生息地を荒らします。アシナガキアリはまた、多くのレッド・ランドクラブ(オカガニの一種Gecarcoidea natalis)を殺しています。18カ月に300万のレッド・ランドクラブを殺しました。このカニは、熱帯雨林樹木の種子や落ち葉を食べることで、残物の分解を手助けし、森林構成に影響を及ぼすクリスマス島の森林生態系において、重要な役割を果たしています。アシナガキアリは、また、林床並びに樹冠に生息する様々な節足動物、爬虫類、鳥類、哺乳類を捕食し、その繁殖を邪魔します。クリスマス島の森林樹冠に、樹液を吸うことでダメージを与えるカイガラムシを養い、保護するというアシナガキアリの能力は、驚くべき特性の一つです。しかし、これまでに、クリスマス島の熱帯雨林の少なくとも5%に侵入しており、科学者らは、世界で他のどこにも営巣しないモモグロカツオドリ(Sulaabbotti)のような絶滅の危機に瀕した鳥が、生息地の改変や、アリによる直接の攻撃により、結局は絶滅に追いやられるかもしれないと心配しています。

 

ミナミオオガシラヘビ(Brown Tree Snake:Boiga irregularis

オーストラリア、インドネシア、パプアニューギニア、ソロモン諸島原産のミナミオオガシラヘビは、1940年代の終わり若しくは1950年代の初めに、軍用飛行機に乗り込み、グアムへやってきたと考えられています。天敵の欠如と餌となる動物が十分にいたことで、ヘビの数は、爆発的に増加しました。1970年代までには、島の全域で見られるようになり、甚大な経済的並びに生態的被害をもたらしました。島全土にわたる停電の主要な原因となっており、時々人を咬み、そればかりか、森林に生息するグアム固有の鳥がほぼ完全な絶滅に瀕していることで悪名高いのです。ミナミオオガシラヘビは、他の熱帯諸島の生物多様性にとって、深刻な脅威となっています。このヘビは、船舶や飛行機の積み荷に、飛行機の車輪の格納庫にでさえも隠れ、ミクロネシア、ハワイ、アメリカ本土、スペインというはるかに遠くの地域に至ることができます。最も危険な地域とは、非常に多くの人間や商業的交通が行き交う、熱帯の多湿地域です。

カウレルパ(海藻イワヅタの一種)(Caulerpa Seaweed:Caulerpa taxifolia

カウレルパは、1984年頃に、たぶんフランスのモナコ水族館の廃棄物を通じて、地中海に入り込みました。地中海にもたらされた種は、もともと熱帯産の海藻ですが、耐寒性を持つクローンとなったと推測されます。より温度の低い水になじみ、北地中海の至る所に広がり、固有の海洋動植物種にとって深刻な脅威となっています。新たなコロニーは、この植物の小さな区分から始まり、気ままなヒッチハイカーとなるので、地中海全体の脅威となっています。どこであれカウレルパが侵入した場所は、多くの生物種が生育する場としての役割を持つ固有の海草を覆い消してしまいます。2000年6月12日、米国サンディエゴ近くの潟で、20m × 10m四方の一群のカウレルパが発見されました。このケースもまた、誰かが魚のタンクを空にしたところに嵐の水が流れ込み、侵入が起こったと考えられます。幸運なことに、この侵入は、早い段階で発見され、根絶の処置が採られました。

 

鳥のマラリア(Avian Malaria:Plasmodium relictum

鳥のマラリアは、移住者が持ち込んだ外国産の鳥によりハワイにもたらされ、この鳥が、鳥のマラリアを蔓延させる媒介者となりました。このことは、1826年に帆船の水樽にいた、ネッタイイエカ(Southern house mosquito:Culex quiquefasciatus)の導入を可能にしました。ハワイの固有の鳥たちは、島外の鳥たちと違って、鳥のマラリアに対する抵抗力がないので、急速に罹病しています。異なった生態的地位を満たすようさまざまな種、亜種の系統に進化した、ミツドリのような独特の鳥が、この病気や生息地の損失により脅かされています。蚊が媒介した鳥のマラリアは、少なくとも10種類のハワイ固有の鳥類を絶滅させ、それ以上の鳥類が、絶滅のおそれがあります。

野生ブタ(Feral Pig:Sus scrofa

野生ブタは逃げ出したり、野に放たれた家畜です。世界の多くの地域に紹介され、野生ブタは穀物、貯蔵物、土地にダメージを与え、レプトスピラ症、口蹄疫といった多くの病気を伝染します。ブタの餌探しは、固有の植物群がある広大な地域を掘り返し、雑草を撒き、遷移と種の構成などの生態学的過程を崩壊させます。ブタは雑食性で、その食物には、陸ガメ・ウミガメの幼体、海鳥、地域固有の爬虫類が含まれています。完全な根絶は、野生ブタを狩り食料としているコミュニティーには受け入れられないという事実があり、この侵入種の管理は難しいのです。

 

ストロベリー・グァバ(Strawberry Guava:Psidium cattleianum

ストロベリー・グァバはブラジル原産で、食用としてフロリダ、ハワイ、熱帯のポリネシア、ノーフォーク島、モーリシャスへ移植されました。この植物は、藪を形成し、熱帯雨林や森林のもともとの植生を変化させます。モーリシャスでは、もともとの植生に破壊的な影響を与え、様々な自然地域が侵されているハワイでは、最悪の有害植物だとされています。ストロベリー・グァバは、その実を食物として野生ブタに与え、種子をまき散らしてもらうことで、利益を得ています。代わりに、一層の生息地荒廃をしやすくすることで、野生ブタが好む状態を提供しています。

 

ミコニア(Miconia:Miconia calvescens

南アメリカ原産の背が高い観賞用の樹木、ミコニアは、1937年にタヒチの島にある植物園に導入されました。その大きく赤紫色の葉は、植物園にとっては非常に魅力的でした。、果実を食べる鳥により、野生の中へと広まり、今日では、ミコニアは島の半分以上にまで侵入しています。この植物は、表層だけに根を張るため、、山滑りを起こしやすいのですが、タヒチ島の非常に広い範囲で優占種となり、森林全域の下の階層の植生を変化させています。科学者たちは、島固有の生物種の数種が、ミコニアによる生息地損失の結果として、存在が脅かされていると推定しています。1960年代に観賞用に導入されたハワイを含め、他の太平洋地域の島々に導入され続けています。この植物は、それ以来、ハワイ諸島の多くの地域で見つかっています。ミコニアは、いまだに、熱帯の鑑賞植物として、売られています。

 

カダヤシ(Western Mosquitofish:gambusia affinis

カダヤシは、米国東部及び南部原産の淡水魚で、小さく害が無さそうな魚に見えます。この魚は、蚊を生物学的にコントロールするため、20世紀初頭に導入されて以来、世界中の多くの水路で害魚となっています。蚊の天敵としてはもう効果がないと考えられていますが、何でも捕食するカダヤシは、商業的に価値のある魚の卵や、存在が脅かされている希少な魚や無脊椎動物を食べてしまいます。カダヤシは、一度入り込まれると除去するのは難しいので、その影響を少なくする最良の方法は、それ以上増えないようにコントロールすることです。カダヤシが広がる主な手段の一つである、蚊をコントロールする機関による国際的な放流はいまだに続いているのです。

 

ジャワマングース(Small Indian Mongoose:Herpestes Javanicus (auropunctatus)

貪欲でその場に応じ何でも食べるジャワマングースは、イランから、インド、ミャンマー、マレー半島地域の原産です。1800年代の後半に、ネズミをコントロールするため、モーリシャス、フィジー、西インド、ハワイに導入されましたが、残念なことに、この生物学的コントロールという初期の試みは悲惨な結果となってしまいました。動きの速い、哺乳動物の捕食者の恐れもなく進化した島固有の動物群の数は、マングースとは噛み合わないものでした。マングースは、数種の土地固有の鳥、爬虫類、両生類の地域的な絶滅の原因となり、希少なアマミノクロウサギ(Pentalagus furnessi)を含む他の種の存在を脅かしています。ジャワマングースはまた、狂犬病を媒介します。

 

ヤマヒタチオビガイ(Rosy wolfsnail:Euglandia rosea

米国南東部原産のヤマヒタチオビガイは、別の外来種であるアフリカマイマイ(Achatina fulica)に対する生物学的コントロールを目的として、1950年代以降、大平洋とインド洋の島々に導入されました。アフリカマイマイは、食用とされるはずでしたが、農業にとっても害虫となってしまいました。仏領ポリネシアでは、動きの速いヤマヒタチオビガイは、あっという間に地域固有の種を排除してしまいました。ヤマヒタチオビガイにより脅かされているグループの一つは、 ポリネシアマイマイ科で、このグループは、孤立した谷間で他から別れて進化し、様々な独特の特徴を示しています。ポリネシアマイマイ科の多くの種はすでに絶滅しており、今日では、動物園や世界初のカタツムリ野生保護区にいるのみです。生物学的コントロールの担い手によるこの侵入は、重要な生物多様性の損失の要因となっています。

 

ホテイアオイ(Water Hyacinth:Eichhornia crassipes

この南アフリカ原産の種は、世界でもっとも害のある水草の一つです。その美しさ、大きな紫色やすみれ色の花は、この水草をポピュラーな池の鑑賞植物としました。今では、5大陸の50カ国以上で見られるようになっています。ホテイアオイは非常に早く成長する植物で、わずか12日位でその数が倍になると知られています。この水草が増えると、水路を塞ぎ、船の交通、水泳、魚釣りを制限してしまいます。ホテイアオイは、日光や酸素が水底や水中植物に届くのを妨げます。固有の水草に対し、ホテイアオイが大増殖し、光を妨げることは、水界生態系の生物学的多様性を劇的に縮小するものです。

 

ナイルパーチ(Nile Perch:Lates niloticus

ナイルパーチは、1954年に、乱獲を原因とする固有種の漁獲量の激減を中和するために、アフリカのビクトリア湖に導入されました。この魚は、他の種を捕食したり、餌の競合を通して、200以上の固有の種を絶滅させました。ナイルパーチの肉は、他の魚よりも油が多いので、とらえたこの魚を乾かすのに、多くの木が燃料として切り倒されています。このために起こる浸食と排水は、流れ出す栄養分の量を増加させ、湖を、アオコとホテイアオイの侵入に無防備な状態にしてしまいます。これらの侵入は、湖での酸素不足をもたらし、多くの魚が死亡する原因となります。ナイルパーチの商業的開発は、地域の男女を伝統的な漁業や水産物の加工の仕事から立ち退かせてしまいます。この導入の影響は遠くまで及び、環境のみならず湖に依存している地域社会も荒廃させてしまいました。

 

<IUCN種の保存委員会侵入種専門家グループ>

侵入種専門家グループ(ISSG)はニュージーランドに本部を置く、国際自然保護連合の種の保存委員会の専門委員会です。現在オークランド大学のミック・クラウト博士が議長となっています。

 

侵入種専門家グループの目的は、外来侵入種およびそれを予防し制御し排除する方法に関する認識を高め、自然生態系とそこにすむ固有種に対する脅威を減らすことにあります。

 

侵入種専門家グループの連絡先は、

School of Environmental and Marine Sciences (SEMS)

University of Aukland (Tamaki Campus)

Private Bag 92019

Auckland, New Zealand

Tel +64-9-3737-599 ex5210

Fax +64-9-3737-042

Email issg@auckland.ac.nz

 

<グローバル侵入種データベース(早期警戒システム)>

侵入種専門家グループは、グローバル侵入種データベース(早期警告システム)を開発しました。このデータベースの鍵となる特徴は、アクセスのしやすさ(インターネットで可能)と使いやすさです。類似生息地適合モデル(simple habitat matching model)は、他の地球規模の地域が潜在的に侵入の危険があると予測するのに使われています。これらの開発は、環境問題に関する科学委員会(SCOPE)によりコーディネートされているグローバル侵入種プログラム(GISP)、の一部として実行されています。IUCN、CABインターナショナル、UNEPは、GISPのパートナーです。侵入種ワースト100のリストとデータベースは、グローバル侵入種データベースの一部分を統合したものです。

 

“Alians”は、国際自然保護連合(IUCN)の種の保存委員会(SSC)の専門家グループである侵入種専門家グループによる半年毎のニュースレターです。その役割は、研究者たちがお互いに連絡を取り合えるようにし、外来侵入種と問題に関する情報とニュースを発信することです。

 

Alians-lは、侵入種専門のリストサーバーです。利用者が、自由に外来侵入種やその問題、そして彼らにより地球上の生物多様性にもたらされた脅威に関する情報を検索し、共有することを可能にしています。

 

<IUCNガイドライン>

外来侵入種が原因で起こる生物多様性の損失防止に関するIUCNガイドライン(2000年2月、第51回IUCN理事会により承認)は、ISSGのオフィスまたは、下記のアドレスから入手できます。

http://iucn.org/themes/ssc/pubs/policy/invasivesEng.htm

 

関連ウェブサイト

侵入種専門家グループ:www.issg.org

グローバル侵入種データベース:www.issg.org/database

国際自然保護連合:www.iucn.org

グローバル侵入種プログラム:http://jasper.Stanford.EDU/GISP/

 

<謝辞>

本書の翻訳にあたって、IUCN-SSC侵入種専門家グループのミック・クラウト議長(オークランド大学教授)に、日本語への翻訳とホームページへの掲載を快くご許可いただきました。また生物種名の翻訳にあたっては、大野正男、小野幹夫、黒住耐二、林公義、程木義邦、丸山隆の方々にご協力をたまわりました。深く感謝申し上げます。

(翻訳者:長澤しのぶ、吉田正人)


「世界の外来侵入種ワースト100」

 

微生物
avian malaria 鳥マラリア Plasmodium relictum
banana bunchy top virus バナナ萎縮病ウイルス Banana bunchy top virus
chestnut blight クリ胴枯れ病 Cryphonectria parasitica
crayfish plague アファノマイセス病 Aphanomyces astaci
Dutch elm disease カビの一種の感染によるニレの疾病 Ophiostoma ulmi
frog chytrid fungus カエルの表皮に寄生するツボカビの一種 Batrachochytrium dendrobatidis
phytophthora root rot パイナップルの疾病 Phytophthora cinnamomi
rinderpest virus 牛疫ウイルス Rinderpest virus
水生植物
caulerpa seaweed イワヅタ(海藻)の一種 Caulerpa taxifolia
common cord-grass イネ科カゼグサの一種 Spartina anglica
wakame seaweed ワカメ Undaria pinnatifida
water hyacinth ホテイアオイ Eichhornia crassipes
陸上植物
African tulip tree カエンボク Spathodea campanulata
black wattle モリシマアカシア Acacia mearnsii
Brazilian pepper tree サンショウモドキ Schinus terebinthifolius
cogon grass チガヤ(アランアラン) Imperata cylindrica
cluster pine フランスカイガンショウ Pinus pinaster
erect pricklypear オプンティア・ストリクタ(ウチワサボテンの一種) Opuntia stricta
fire tree ミリカ・ファヤ(ヤマモモの一種) Myrica faya
giant reed ダンチク Arundo donax
gorse ハリエニシダ Ulex europaeus
hiptage ホザキサルノオ Hiptage benghalensis
Japanese knotweed イタドリ Polygonum cuspidatum
Kahili ginger キバナシュクシャ Hedychium gardnerianum
Koster’s curse クリデミア・ヒルタ(ノボタン科クリデミアの一種) Clidemia hirta
kudzu クズ Pueraria lobata
lantana ランタナ Lantana camara
leafy spurge ハギクソウ Euphorbia esula
leucaena ギンネム(ギンゴウカン) Leucaena leucocephala
melaleuca カユプテ Melaleuca quinquenervia
mesquite プロソピス・グランドゥロサ(プロソピスの一種) Prosopis glandulosa
miconia ミコニア・カルヴェセンス(ミコニアの一種) Miconia calvescens
mile-a-minute weed ミカニア・ミクランサ(ツルギクの一種) Mikania micrantha
mimosa ミモザ・ピグラ(オジギソウの一種) Mimosa pigra
privet リグストルム・ロブストゥム(イボタノキの一種) Ligustrum robustrum
pumpwood セクロピア Cecropia pletata
purple loosestrife エゾミソハギ Lythrum salicaria
qinine tree アカキナノキ Cinchona pubescens
shoebutton ardisia アルディシア・エリプティカ(ヤブコウジの一種) Ardisia elliptica
Siam weed クロモラエナ・オドラタ Chromolaena odorata
Strawberry guava ストロベリーグアバ Psidium cattleianum
tamarisk タマリクス・ラモシッシマ(ギョリュウの一種) Tamarix ramosissima
wedelia ミツバハマグルマ Wedelia trilobata
yellow Himalayan raspberry キミノヒマラヤキイチゴ Rubus ellipticus
水生無脊椎動物
Chinese mitten crab チュウゴクモズクガニ Eriocheir sinensis
comb jelly ムネミオプシス・レイディ(ツノクラゲの一種) Mnemiopsis leidyi
green crab ミドリガニ Carcinus maenas
marine clam ヌマコダキガイ Potamocorbula amurensis
Mediterranean mussel チレニアイガイ Mytilus galloprovincialis
Northern Pacific seastar ヒトデ Asterias amurensis
spiny water flea セルコパジス・ペンゴイ(オオメミジンコ科の一種) Cercopagis pengoi
zebra mussel カワホトトギスガイ Dreissena polymorpha
陸上無脊椎動物
Argentine ant アルゼンチンアリ Linepithema humile
Asian longhorned beetle ツヤハダゴマダラカミキリ Anoplophora glabripennis
Asian tiger mosquito ヒトスジシマカ Aedes albopictus
big-headed ant ツヤオオズアリ Pheidole megacephala
common malaria mosquito アノフェレス・クァドリマクラタス(ハマダラカの一種) Anopheles quadrimaculatus
common wasp キオビクロスズメバチ Vespula vulgaris
crazy ant アシナガキアリ Anoplolepis gracilipes
cypress aphid キナラ・カプレッシ(オオアブラムシの一種) Cinara cupressi
flatworm ニューギニアヤリガタリクウズムシ Platydemus manokwari
Formosan subterranean termite イエシロアリ Coptotermes formosanus shiraki
giant African snail アフリカマイマイ Achatina fulica
golden apple snail スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ) Pomacea canaliculata
gypsy moth マイマイガ Lymantria dispar
khapra beetle ヒメアカカツオブシムシ Trogoderma granarium
little fire ant チビヒアリ Wasmannia auropunctata
red imported fire ant ヒアリ Solenopsis invicta
rosy wolf snail ヤマヒタチオビガイ Euglandina rosea
sweet potato whitefly タバココナジラミ Bemisia tabaci
両生類
bullfrog ウシガエル Rana catesbeiana
cane toad オオヒキガエル Bufo marinus
Caribbean tree frog コキコヤスガエル Eleutherodactylus coqui
魚類
brown trout ブラウントラウト Salmo trutta
carp コイ Cyprinus carpio
large-mouth bass オオクチバス Micropterus salmoides
Mozambique tilapia カワスズメ Oreochromis mossambicus
Nile perch ナイルパーチ Lates niloticus
rainbow trout ニジマス Oncorhynchus mykiss
walking catfish ヒレナマズ(ウォーキングキャットフィッシュ) Clarias batrachus?
Western mosquito fish カダヤシ Gambusia affinis
鳥類
Indian myna bird ガイロハッカ Acridotheres trisitis
red-vented bulbul シリアカヒヨドリ Pycnonotus cafer
starling ホシムクドリ Sturnus vulgaris
爬虫類
brown tree snake ミナミオオガシラヘビ Boiga irregularis
red-eared slider ミシシッピーアカミミガメ Trachemys scripta
哺乳類
brushtail possum フクロギツネ Trichosurus vulpecula
domestic cat イエネコ Felis catus
goat ヤギ Capra hircus
grey squirrel トウブハイイロリス Sciurus carolinensis
macaque monkey カニクイザル Macasa fascicularis
mouse ハツカネズミ Mus musculus
nutria ヌートリア Myocastor coypus
pig ヨーロッパイノシシ Sus scrofa
rabbit アナウサギ Oryctolagus cuniculus?
red deer アカシカ Cervus elaphus
red fox アカギツネ Vulpes vulpes
ship rat クマネズミ Rattus rattus
small Indian mongoose ジャワマングース Herpestes javanicus
stoat オコジョ Mustela erminea
このリストにある生物種は、生物学的侵入の重要な問題を説明するために選ばれたものです。リストにないからといって、その種によるおそれが少ないということではありません。

侵入種ワースト100リストとデータベースの開発は、エンタープライズ財団TOTALの全般的な協力により可能となりました。グローバル侵入種データベース これらの他に外来侵入種に関するより詳しい情報も含んでいます。(例:環境、生息地、影響、導入の方法) www.issg.org/database

 

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