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河川生態系の保全・ダム問題

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2000.12.13

上信越高原国立公園内清津川ダム予定地の希少猛禽類の保全に関する要望書を提出


清津川ダムは、建設省によって新潟県の信濃川水系清津川に計画されている多目的ダムです。昭和40年代に計画されたものの、地元の合意が得られず、計画が止まっていました。今年行われた自民党公共事業抜本見直し検討会の対象にも挙げられています。

建設省は、清津川ダムの環境影響評価に先立ち、建設予定地周辺の猛禽類調査を行い、近く発表する予定です。これに対して、環境庁が適切に意見を述べるよう、当協会は、本日環境庁長官に対して要望書を提出いたしました。

12日自然第103号
平成12年12月13日

環境庁長官 川口順子 殿

(財)日本自然保護協会 理事長 田畑 貞寿

上信越高原国立公園内清津川ダム予定地の

希少猛禽類の保全に関する要望書

日頃より、自然環境の保全にご尽力を賜り、深謝申し上げます。
当協会は、1973年に清津川ダム計画に関する学術報告書をとりまとめ、ダム建設による上信越高原国立公園清津峡の景観に対する影響に関して懸念を表明しました。その後、ダム計画は清津峡の上流に移されましたが、当時はあまり意識されていなかった、新たな自然保護問題として、希少猛禽類に対する影響が懸念されています。

清津川ダム建設予定地には、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律で政令指定種とされているイヌワシ、クマタカ等の希少猛禽類が生息しています。

建設省は、環境影響評価に先立って、清津川ダム建設予定地の猛禽類を2年間にわたって調査し、近くその調査結果をとりまとめる予定であると聞いています。

一方で、自民党公共事業抜本見直し検討会は、全国的な公共事業の見直しを行いましたが、清津川ダムについては、事業評価監視委員会において専門委員会を開催して事業の代替案を検討をすることが求められており、ここでも自然環境に与える影響の評価が必要不可欠となっています。

しかし残念なことに環境庁は、上信越高原国立公園の特別地域内の生息地であり、しかも野生動植物の種の保存に関する法律で政令指定種であるにもかかわらず、自前のデータをもたず、建設省の調査に対しても、科学的知見に基づいた判断を下すための基礎資料を有していない状況にあります。

ついては、以下の点を要望いたします。

1.上信越高原国立公園(とくに三国山地周辺の特別地域)に生息する希少猛禽類に関して、環境庁が実施してきた猛禽類の生息状況全国調査をもとに、建設省に対して科学的知見から意見を述べること。

2.建設省の清津川ダム周辺猛禽類調査のとりまとめ発表前に、清津川ダム調査事務所の猛禽類調査検討委員会に出席し、あるいは調査結果を環境庁として入手して、絶滅のおそれのある生物種の保全の立場からこれを分析し、建設省に意見を述べること。

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