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吉野川第十堰問題・河口干潟の保全

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1999.02.12

「”東環状道路は環境への影響がない”とする根拠を公開すべき」

第十堰改修工事が問題になっている吉野川には、その河口部分に500haの広大な干潟あります。この干潟をまたぐ形での道路建設計画が持ち上がっています。おりしも10万通の署名が集まった第十堰改修工事に関する住民投票条例案が否定された矢先、この道路建設事業も、吉野川の自然環境に大きな影響を与えるものと予測されます。

この計画に対しNACS-Jが工事主体である県に質問したところ、「環境への影響調査をしている」「していない」等との返答があり、はなはだ疑問を感じざるを得ませんでした。そこで明らかにすべき項目を公開質問状として送付したところ、下記のような回答が返ってきました。

県当局は「情報を開示する」とコメントしていますので、NACS-Jではその発表を待って、また意見を述べていく予定です。

*この件は、朝日新聞徳島版、徳島新聞などに2月10日に掲載されました。

徳島県に対し公開質問状を提出
(1999年2月9日提出→2月12日回答→2月12日回答に返答)


 

 1999年2月9日

徳島県土木部長 甲村 謙友 殿

(財)日本自然保護協会保護部長
吉田正人

 

東環状道路橋に関する公開質問状

吉野川下流に建設が予定されている東環状道路橋について、ラムサール条約のオーストラリア-東アジアのシギ・チドリネットワーク登録湿地として国際的にも重要な吉野川河口干潟および渡り鳥への影響が懸念されております。また吉野川第十堰改築事業の環境アセスメントを実施するにあたっても、東環状道路橋、四国高速道路、流通港湾事業との複合的な影響をどう評価するかが大きな問題となります。そこで私は2月1日貴県土木部都市計画課に電話をし、東環状道路橋を計画するにあたって、干潟に与える影響について調査をしたのかを尋ねたところ、担当者より「調査した結果、影響は少ないと判断した。調査報告は都市計画審議会には見せたが、一般には公開できない」との回答を得ました。徳島県自然保護協会等に対する回答も同様であったと聞いています。しかしその後、井口利枝子氏が、情報公開条例に基づき調査結果の公開を求めたところ、担当課長から「調査結果報告は存在しない」という回答が返ってきました。

質問1) 東環状道路橋建設に伴う干潟への影響に関する調査報告は、存在するのでしょうか?

質問2) 存在するならば、それを一般市民にも公開し、干潟に影響が少ないと判断した理由を明らかにしてください。

質問3) 存在しないとすれば、なぜ日本自然保護協会、徳島県自然保護協会等に対して、虚偽の説明をしたのか、釈明を求めます。

質問4) 存在しないならば、東環状道路橋が吉野川河口干潟に与える影響について、事業実施前に、追加調査を実施すべきです。追加調査は、第十堰改築事業との複合的な影響が考えられることから、第十堰改築事業の環境アセスメントと一体の調査であるべきだと考えます。貴県が、追加調査を実施する予定があるかどうか、明らかにして下さい。

*なお、この質問状は、事態の重要性・緊急性に鑑み、公開質問状とさせていただきました。2月12日までに、書面(またはファックス)で回答して下さるようお願いします。


【県からの回答】

財団法人 日本自然保護協会
保護部長 吉田正人 殿

徳島県土木部長 甲村 謙友

 

東環状道路橋について
(平成11年2月9日に対する回答)

1)都市計画決定に至る経緯と事業中の状況
徳島県東環状線のとし計画決定については、平成6年5月に徳島市内7会場にて地元説明会を行い、引き続き図書を縦覧し、それに際し住民及び団体等より意見書の提出があり、これを受けて、徳島市や徳島県の都市計画審議会においては、これら意見書についても審議され、平成7年1月大臣認可を得て、同年2月に計画決定の告示にいたっております。

当路線は、市街地部が高架構造で、平成7年度より建設省の事業認可を受け、家屋移転、用地買収を行い、事業は順調に進んでおります。また、吉野川の渡河は、橋梁形式となっており、平成8年度より橋梁形式の検討を進めております。

2)質問1~4に対する回答  
橋予定地の近傍における調査については、情報公開条例に基づき開示する予定であります。干潟への影響については、干潟に橋脚を建てることなく干潟を飛び越えることを検討していることから干潟への影響は少ないと考えております。しかし、東環状道路橋の橋梁形式はまだ決定しておらず、検討中であります。

当橋梁は、国の定める環境影響評価実施要綱や徳島県環境影響評価要綱のいずれにも該当しないため、都市計画決定の手続きの中で、環境影響評価を行っておりません。

なお、種々の事業による環境への影響については、各々の事業者が各々の事業について必要に応じて調査を実施し、適切な措置が講じられるものと考えております。

従って追加調査の実施予定は現在ありません。


【回答への回答】

1999年2月12日

徳島県土木部長 甲村 謙友 殿
都市計画課長 岡本 英二 殿

(財)日本自然保護協会
保護部長 吉田 正人

拝復
本日、公開質問状に対する回答を拝受いたしました。ご多忙の中、回答して下さったことを感謝申上げます。

調査結果については、情報公開条例に基づいて開示されるとのことですので、それを拝見した上で、意見を申上げたいと思いますが、単なる現況調査結果だけでなく、「干潟への影響は少ない」と判断された根拠についても開示していただきたいと存じます。

国や県の環境影響評価要綱にもとづく環境影響評価の対象になっていないことは存じておりますが、国際的に重要な干潟をまたいで橋を建設するのであれば、それなりの科学的根拠が必要になります。

2月1日の電話では、「野鳥に与える影響(橋野存在や光の反射の影響など)も調査された上で判断した」と伺いましたので、これらの判断根拠も開示して下さることを期待いたします。

敬具

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