2009年12月赤谷の日レポート

12月赤谷の日レポート(2009年12月5−6日)

すっかり葉を落とした小出俣のカツラ
いきもの村
いきもの村

いきもの村周辺に雪はまだ少ないですが、落葉はすっかり終わり、炭窯から出る煙が風景としてもよく似合います。



テンモニ調査

雨見林道(09.12.05)調査者:小鮒さん、北原さん、鈴木さん、関さん、林武さん、青木
 前日及び当日朝の雨で、林道上は濡れている状態でしたが、7サンプル採取しました。雨見林道は、11/21にも調査をしていまして、14サンプル採取されています。今回も林道のコンディションが良ければ、同程度のサンプルを見つける事が出来たかもしれません。11月中旬以降サンプル数が回復傾向で、テンの利用が戻ってきている印象を受けます。内容物は、ほぼサルナシで、その他はマメガキを含むもの、羽軸が含まれるものなども採取されました。ツルウメモドキの実は林道上には落ちているものの、サンプルとしては見つかりませんでした。
今年最初のツルウメモドキのサンプル? ムササビと思われるフン 赤谷林道でのサンプリング 赤谷林道(09.12.06)調査者:北原さん、鈴木さん、長浜さん、林雄太さん、青木
 調査開始時は路面が濡れていてサンプリングしづらい状況でしたが、ゲートから石積バリケードまで、比較的まんべんなくサンプルがあり、31サンプルを採取。前日に川古で16mmの降雨が記録されていますので意外だったのですが、31という数字は、今年の最高記録です。内容物は、ほとんどがサルナシで、他に、マメガキ、アズキナシ、動物の毛が含まれるものもなど。石積バリケートの手前で、ツルウメモドキが1サンプル採取されましたが、形状的にはテンと思われるが量的に少なく、テンフンの種子を鳥がつついてしまったのか、そもそも鳥フンなのか、疑問が残りましたので、テン?としての採取としました。また、マメガキは3サンプル採取され、一回の調査でこれだけ採取されたことは過去に有りませんので、今年のマメガキの豊作を想像させます。
 余談ですが、長浜さんがムササビと思われるフンを見つけましたので、写真をご紹介します。(サポーター青木)

小出俣でのサンプリング

小出俣林道のテンモニについて、サポーター藤代が報告します。今回は、NACS-J茅野さん、サポーターで農工大学修士の林あかねちゃん、新サポーターの山崎さんと三名での調査でした。
 前日の天候が雨と、テンモニに良い条件ではありませんでしたが、(茅野さんが?)一生懸命探したところ、意外な好成果の8サンプル。内1サンプルはイタチ、1サンプルは雨に打たれ持ち主不明で、すべてサルナシ食でした。全体に白いサンプルが多かった印象です(脱色?)。ツルウメがでてもおかしくない・・気もしますがあまり美味しくないのか、不思議に感じました。
 道中は昨年崩落した林道の修復工事のために路面が20m近く谷川に掘り下げられている箇所を渡る必要があり、いつになくスリリングなテンモニ。颯爽と枯れあがったタケニグサが来春再びの躍動を予感させ、赤谷の谷も冬支度の準備にそわそわしている、そんな初冬の一日でした。(サポーター藤代)


南ヶ谷湿地の調査・保全

作成中

ヤマビル対策の実験

 12月5日 午前中までなんとか曇り空であった天気は、午後からは雨模様。時折勢いが増して、作業には、良い条件では、ありませんでした。ヒルの出没しやすい時間帯として、午後4時頃に毎回、実験地の観察をしていましたので、今回も、炭焼き作業の合間をぬって、実施いたしました。
観察時刻 16:00〜16:30
 流石に、気温が2℃であったため、ヒルの活動は期待できるはずもなく、落葉除去エリア、落葉保存エリア、落葉積み内、のどこにも動く姿をみることはできませんでした。地面と落葉の間に潜むという報告もありましたが(神奈川県ヤマビル対策共同研究推進会議報告より)、簡単に見つけられそうもありません。地面に接する部分にある落葉を一枚一枚丹念に探さないといけないのだと推察されます。
 今回も各地点での温度測定を行いました。−5℃以下になるとヒルは、死滅するという先の報告もありますので、落葉を剥がしてしまう等の処置で、この温度に達しさえすれば、ヒルを駆除できることになります。
 落葉除去エリア:地表面3cm 2.0℃ /  地面直下 3.9℃ /  地下3cm 4.8℃
 落葉保存エリア:地表面3cm  2.6℃ /  地面直下 4.7℃ /  地下3cm 5.0℃
 落葉積み内:6.1℃ / 地面直下  6.7℃
上記の測定の結果、落葉積み内でもマイナス5℃になるには、マイナス10℃にならないといけないということになります。みなかみであれば、冬にマイナス10℃を下回ることもありますので、それでも死滅していないということは、どこかに生存可能な場所があるはずです。真冬にそんな場所を探してみたいと思います。
 神奈川県の七沢森林公園では落葉掻き隊のボランティアを募集して、ヒル対策として、散策ルートを歩きながらの落葉掻き作業を実施するようです。赤谷の森でもそのような活動に繋げていきたいと思っています。(サポーター坂口)


炭焼き

 今年も恒例の炭焼きの季節になりました。通算5回目になります。少しづつ匠の技を身につけつつあるかと思ったのですが、昨年は思わぬ大失敗でした。原因は不足してきた粘土を、手近ないきもの村内で調達したのですが、その粘土の質が炭窯に適していなかったようで、ほぼすべての炭材が灰になるまで燃えてしまいました。その反省を踏まえて、炭窯をつくる際に粘土を提供頂いた須川集落の方から、新たな粘土を調達することから開始しました。今回も永井宿の笛木正幸 師匠にもきて頂きました。
 まずは、炭窯周辺の草刈を行い、万が一のことも起こさない対策をします。その後、間伐等の副産物として、赤谷の森から得られた木材を炭窯に詰めていきます。今年も藤代さんが手馴れた様子で詰めてくれました。その後、火入れを行い、火が窯の奥に回るまで、冬支度の薪割りの手伝などもしながら火の番を行ないました。途中雨が振り出しましたが、ブルーシートをタープ代わりにしのぎました。
まずは草刈 炭材を詰めます 炭窯の様子
 窯の中にしっかり火が回ったのを確認したところで、窯口にブロックを積んで、新しい粘土で蓋をする作業を進めます。ところが、どうも新しい粘土の具合があまり良くありません。質感はとても良いのですが、粘土を積んでいるうちに、粘土の重みで一度大きく崩れてしまいました。。。窯口に積んだブロックの角度が悪かったのか、粘土を貼り付ける際に上に多く貼り付けすぎたのか、原因は定かではありません。なんとか急いで補修をして、あとは窯口の補修をしながら見守るという段階に入り、この時点で一日目終了です。
 二日目は引き続き窯口の補修をしながら様子をみることだけ行ないました。赤谷の日解散後は、16:00頃、18:00頃、20:00頃、22:30頃に炭窯のひび割れの補修をして、煙突から白い煙がもくもくと出ているのを確認。ひび割れも少なく、まだまだ煙突の煙も白いので、次は4:00頃に見れば良いかな?と判断をして早めに就寝しました。
二日目昼頃の炭窯の様子 エントツから出る煙 12月15日の炭窯の様子
7日4:00頃、窯の前まで行くと、前蓋に少し大きいヒビが入り、中が覗ける状態になっていました。これはまずい!!ということで、まず、ヒビの補修を実施。半分凍った粘土を体温で溶かすことになり、それはもう冷たい!!補修が終了して、試しに煙突にマッチをかざして見ると4秒で着火。前蓋の空気穴を埋めて窯を閉じる準備に入りました。前蓋の空気穴を埋めてしばらくすると、煙突から白い煙が出始めました。あれ?と思って煙突にマッチをかざすと着火に30秒程度掛かりました。星田さんと二人で悩みましたが、一旦30分ほどそのままの状態にすることにし12月12日の炭窯の割れ目 ました。しかし、その後何度確認しても、煙突にかざすマッチのチャッカに30秒程度かかり、結局8:00までそのままの状態で様子を見ました。笛木師匠と電話相談の結果、8:30頃に煙突にも蓋をして閉じる作業を完了しました。その後9:30頃にひび割れを直す作業をして、これで炭窯の番を終了としました。煙で炭窯の中を判断するという、匠の技にはまだまだ経験値が必要だと感じた今回の炭焼きでした。(NACS-J出島)


 その後、、、 12月12日にテンモニ調査でいきもの村に来ていた鈴木さんと青木さんが、窯に大きな割れ目があるのを発見!粘土が既になくなっていたので、新たに須川から粘土を調達頂いて、蓋の補修をして頂きました。その後、12月15日に赤谷センター星田さんに新たなひび割れが無いことを確認頂いています。皆さんありがとうございました。


冬支度

薪割り(体験者) 薪割り(達人) しっかり積まれた薪

左:薪割り体験者、中:薪割り達人、フォームの違いがよく分かりますね。

 11月の赤谷の日において運搬した薪材の薪割りを実施しました。この材は伐採から1年以上経過しているのにもかかわらずカラカラに乾燥しているとは言い難い状態でした。薪割り用の斧を使って狙いを定めて「エイ!!!」と手慣れた捌きで着実に割り続けるのは、金井さんです。昔取った杵柄を活かしてスムーズに進めていきます。大きな節があったり変形している丸太は要注意です。特にクリの大木は渾身の力を込めないとなかなか割れるものではありません。薪割り用の台として使っているのは、スギ材ですが、最後はぼろぼろになってしまいました。昨日から割ったものも含めるとかなり量がありますので保管場所はたくみ小屋の脇として、3列に整理整頓して積み上げる計画を立てました。
 さて、薪割りも大変なのですが、この運搬もまた大変なのです。なぜかというとそれは、一輪車のタイヤの空気圧が少ないため、多く積み込むとチューブを痛めてしまうのです。空気入れはないし、逆に積む量が少ないと効率が悪いし、ほどよい重さで運ぶしか方法はありませんでした。平らに積んで気合いを入れてダッシュです。何回運んだでしょうか?始めてから30分、汗だくの状態となってしまいました。体力充電のためお茶を一杯?いっぱい?飲んで暫し休憩としました。
 さて、またまた気合い入れて作業開始、残った薪をどんどん運んでようやく薪割り量とのバランスが取れる状態となりました。その後数回運んで運搬積上終了となりました。積まれた薪は3列でその高さは背丈と同等以上です。これでこの冬は「大丈夫」と大竹さんと安堵しました。最後に清掃を久しぶりに行って、冬支度の終了となりました。時刻は12時になろうとしていました。おつかれさまでした。
 今年の冬は暖冬だと長期予報ではいっていましたが、さて実際はどうなることでしょう。明後日の筋肉痛を覚悟しながらいきもの村をあとにしました。 薪割り人:竹村さん、星野さん、金井さん(達人)、出島さん、坂西さん、大竹さん、林あかねさん、皆さんありがとうございました。(赤谷センター星田)

蝶類しらべ

作成中


写真/文:竹村秀雄、青木邦夫、坂口浩幸、藤代和成、星田弘之、茅野恒秀、出島誠一

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