2008年4月赤谷の日レポート

4月赤谷の日レポート(2008年4月5−6日)

モミ倒木 クロサンショウウオ卵塊
クジャクチョウ 足踏み式ミシン

↑(上左)赤谷林道に大きな倒木 (上右)クロサンショウウオの卵塊 (下左)クジャクチョウ  (下右)懐かしい足踏み式ミシン


木の実豊凶調査

 2008年の豊凶調査を開始しました。今回は、昨年1年間使用して穴が空いてしまったネットや、曲がってしまった支柱の補修、補充をしました。また、数の少ないイヌブナやオニグルミの対象木や、低標高(法師あるいは川古温泉付近)とは異なる実り方をしていることが分かった、高標高(三国峠付近)のブナをロケーションハンティングしました。
1日目は、旧三国街道に入り高標高ブナ(5本)と、仏岩林道に入りイヌブナ(3本)、オニグルミ(1本)を位置決めしました。イヌブナのハンティングには時間が掛かったので、隊を分けて別動隊が支柱やネットを購入するために、月夜野のホームセンターに出動しました。おかげで、何とか1日目の予定を終了。
2日目は、地域協議会の星野さんが持ち込んでくれた足踏みミシンで、トラップ作りでした。今は使われていないミシンは、物置の中で眠っていたせいか、ペダルを踏んでもベルトが空回りするばかり。ふたを空けて、あらゆる関節に油を差して、手でグリグリと器械を回して、何とかペダルでも回るようになるのに1時間。それから皆であーでもない、こーでもないと2時間かかって9枚のトラップネットを、なんとか昼までに縫い上げました。(サポーター川端)

旧三国街道のブナ 対象木にテープを付ける

ホンドテンモニタリング

テンモニ隊

 テンモニ隊は、二日間をかけて基本5ルートを通常調査致しました。
サンプル数は以下の通り
 ムタコ林道  1サンプル
 赤谷林道  12サンプル(内1サンプル イタチ)
 雨見林道   9サンプル
 小出俣林道  2サンプル
 いきもの村  3サンプル
 全体的な傾向としては、さすがに植物食が減少し動物食のみ及び動物食+植物食のサンプルが増えている。赤谷林道においては、12サンプル採取されている中でツルウメモドキなども出てきていますが、新しいものはほとんどなく積雪期前のサンプルも多く含まれると思われます。
 そんな植物食が減少傾向の中で、雨見林道に関してだけは、かなり新しいサンプルで植物食のものが4サンプル採取できた。今の時期何を食べているのか?サンプルにはハッキリと種子の形状等が確認できるのですが、現在のテンモニ隊では現場では同定する事が出来ず、足立先生の分析を待ちたい。また昨年8月以降、ムタコ林道はサンプル数が激減した状態が続いているが、テンモニ隊で1月赤谷の日に設置したセンサーカメラに、リードをはずして散歩をさせていると思われる飼い犬か2カット撮影されている。その他に野犬の目撃情報もあるので、犬による影響もあるかも知れません。
 雨見林道の野犬といい、犬問題を無視できなくなってきているように感じます。(サポーター青木)


法師・ムタコ自然誌調査

エルタテハ

 4月の法師沢・ムタコ沢の様子を見に行った。法師沢は谷が狭く深いためか全体的にまだ冬のなごりといった雰囲気で、残雪にはキツネの足跡(前日、南ケ谷でタヌキとキツネの足跡の違いを確認していたため、すぐに判断)。橋を渡った67号鉄塔の横にサルのフン。鉄塔の手前、沢の南斜面の風もあたらない木の根本でショウジョウバカマが2株だけ咲いていた。沢の水量が十分にあるためか、すぐ上を通っている国道の車両音が沢音に消されている。沢を下って少し開けたところに出てやっと越冬のエルタテハが日向ぼっこ。法師温泉の裏にはヒミズのトンネルが縦横に走っていた。
 一方、ムタコ沢は開けていて沢全体が春といった感じ。越冬蝶の種類・個体数も非常に多い。テングチョウ、エルタテハ、ヒオドシチョウ、ルリタテハ、キタテハ(シータテハ?)など。キクザキイチリンソウの白花と水色花が混在している。植物が中心のテンフン1個採取。針葉樹植林地の湿地にクロサンショウウオの2卵塊(1腹)。沢を下って来ると、シジュウカラ、コガラの混成と思われる30羽ほどの群れに会う。
 生き物の活動程度は、陽のあたり具合に比例して、いきもの村>ムタコ沢>法師沢の順と感じました。(サポーター前田)


南ヶ谷湿原調査

南ヶ谷湿地はまだ銀世界。それでも湿地内にクロサンショウウオの卵塊を3腹確認。ヌタバと思われる場所を含めた2箇所にセンサーカメラを設置。来月には、クロサンショウウオや、ヒキガエルの卵塊が多く見られると思います。(NACS-J藤田)

4月の南ヶ谷湿原 センサーカメラの設置

写真/文:青木邦夫、川端自人、竹村秀雄、平井希一、前田修、茅野恒秀、藤田卓、出島誠一

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