2007年9月赤谷の日レポート

9月赤谷の日レポート(2007年9月1−2日)

ミドリヒョウモン ヤマジノホトトギス
レンゲショウマ

↑(左)ミドリヒョウモン  (右上)ヤマジノホトトギス  (右下)レンゲショウマ


テンモニ隊(ホンドテン・モニタリング)

サンプリングの様子↓

サンプリングの様子

今月もテンモニ班として二日間参加してきました。
サンプル数は
  赤谷林道  0サンプル
  雨見林道  2サンプル
  ムタコ林道 1サンプル
  いきもの村 0サンプル
  小出俣林道 1サンプル
と低調な結果でした。調査前にかなり雨に降られたようで、各ルート流れた形跡があり、その影響が大きいと思われます。 ただ今までのサンプリングしてきた印象では、ネズミを主とする動物食のサンプルに関して、雨に打たれても流れにくく、何かしら形跡が残る感じがしています。
 それらもありませんでしたので、雨の影響を受けやすい昆虫、植物にいっているのかと、推測しながら歩いてきました。 またムタコのサンプルはサルナシが含まれており、赤谷林道でも未熟ですが落ちたサルナシを確認できました。 そろそろ、サルナシにスイッチするのでしょうね。(サポーター青木)


木の実豊凶調査

トラップ数成熟未熟しいな虫害獣害殻斗
ブナ6000000
イヌブナ2020002
コナラ571880405
ミズナラ46460206
クリ3000000
トチノキ1000000
穴の開いてしまったトラップ ツキノワグマと思われる歯形

 9月の豊凶調査隊は川端隊長が参加できなかったため、不詳わたくし藤代がお伝えいたします。二班に分けNACS-Jの萩原さん・サポーター高野さん達は豊凶と合わせて蝉の抜け殻調査も行いました。
 今回の調査では前回まで未熟しかなかったナラ類にポツポツ完熟種子が見受けられ、小さい秋を感じる事が出来ました。 しかしブナ類は全8トラップでイヌブナの未熟が2個・・。今年もブナ類は不作の予感。(成果は表を参照)ブナやトチは他の個体でたわわに実っているものもあるのですが、個体差が激しい年なのでしょうか?
 今回はトラップに不幸が二つ。一つはいきもの村と川古の3トラップがクマに襲われました。支柱の先端がお気に召さないらしく、ガジガジした歯形がくっきり(写真)。もう一つは湿度の高い箇所のトラップを中心に縫い糸が腐食しほつれて来てしまいました・・(写真)。豊凶隊はサポーター和田さんご指導の元、臨時お裁縫教室と化し、しっかり花婿修行になりました。
 他に豊凶隊には、現在、赤谷の森を舞台に撮影を行っている「モリゾー・キッコロの森へ行こうよ」の撮影班が付きました。手しか写らない可能性も大ですが、花婿修行の成果がブラウン管からにじみ出る事を祈るばかりです。(サポーター藤代)


初回講習会

セミの抜け殻も探しました 小出俣の自然林再生試験地1 小出俣の自然林再生試験地2

(左)セミの抜け殻探しも行いました  (中と右)自然林再生試験地を視察中

 「赤谷の日」に初めてご参加頂く場合は、初回講習会を実施しています。赤谷プロジェクトの枠組み、各施設の利用方法、モニタリング活動の状況などを説明し、プロジェクトへの理解を深めて頂いています。今回7名の方に御参加いただきました。
 今回も、午前中はいきもの村を中心に活動し、午後は小出俣の自然林再生試験地の視察と共に、冬に備えた薪集めを行いました。皆様今後ともよろしくお願いします。(NACS-J出島)


旧三国街道センサーカメラ

コテングコウモリ(?) ヤマネ ヒガラ

↑ミズナラの洞をどんな生き物が使っているか?センサーカメラをかけてみました。
(左)07.8.16 22:01 コテングコウモリ(?)  (中)07.7.30 21:24 ヤマネの初記録です  (右)07.7.11 15:35 ヒガラ、昼間は小鳥の休憩場所のようです

 今回は、初めて赤谷の日に参加した方と三坂線〜三国街道〜法師線のルートを歩きました。霧雨の中でしたので気づくと写真を撮るのを忘れていました。。。静かな霧雨の中、三国街道の散策を楽しみました。
 三国街道の7,8月撮影データを見ると、やはり里地のいきもの村とはかなり違う印象です。例えば、コウモリ類の撮影枚数がとても多いです。成熟した森林の特徴でしょうか?今後の記録の取りまとめをお楽しみに。(NACS-J出島)


ダルマ沢歩道の整備

 先月に引き続きダルマ沢歩道整備を、横山さん、赤澤さん、藤江さん、林さん、竹村の5名で行うことになった。茂倉沢右岸の沢と平行に歩く緩やかな登りは左右の林も美しく、途中、ヤマジノホトトギス、ミヤマママコナ、ツルリンドウの花も咲いており、快適そのものであった。
 前回の作業終点から先も、枯れ枝が通路に大量に落ちていたが歩くのに支障は無く、簡単に片付き、歩道も広く明瞭で、気持ちよくドンドン前に進んだ。緩やかな道の終わりの沢にはウスバサイシンがびっしり埋め尽くし、避けて歩くのに一苦労。
 尾根への急な登りに取り付くと直ぐに踏み跡を見失い、いくら探しても獣道しかなく、仕方なく沢の横をひたすらほぼ直登。足場が緩くズルズルとし、悪戦苦闘。また尾根までの距離が予想外にあり、やっとの思いで尾根に達した。少し休んでから尾根の降り口に紐で目印をつけ、同じ道を通って帰ったが、歩道横にレンゲショウマが1輪咲いていた。
 ダルマ沢歩道の印象は、旧三国街道への登りに使うには最後の登りがきつく長いので薦められないが、三国峠から尾根沿いに来て短時間で川古温泉に降りるコースとして、また急登手前までを草花の観察路等として、いろいろな活用が考えられる。(サポーター竹村)

一面のウスバサイシン 尾根に辿り着いた面々 サルナシ

↑(左)ウスバサイシン  (中)尾根にたどり着いた面々  (右)熟しはじめたサルナシにはテンモニ隊も注目しています。


 二日目は少し天気が悪かったのですが、予定通りの日程をこなせました。10月になれば気温はぐっと下がります。来月は薪ストーブも使うことになると思います。今年の実りも気になるところです!


写真/文:青木邦夫、竹村秀雄、藤代和成、出島誠一

ウィンドウを閉じる
AKAYAプロジェクト ホームページ


Copyright(c) 2005- Nature Conservation Society of Japan. All rights reserved.